
アーム代表の伊藤です。
毎月、ホームページの保守費用が引き落とされている。明細には「保守管理費」の一行だけ。何をしてもらっているのか分からないのに、聞くのは気まずい。やめたらサイトごと消えそうで動けずにいる。
保守費用は月5,000円から10万円以上まで幅があり、金額だけ比べても妥当かは分かりません。見るのは内訳を説明できるか、いつでも抜けられるかの2つです。実はその保守契約、法律上は今日にでも解約できるかもしれません。
ホームページの保守費用の払いすぎは、4つのチェックで見分けられる
- 内訳を聞いて答えが返らない契約は見直し候補
- 使っていない更新枠に毎月払うのは無駄
- 解約するとサイトが消える契約は交渉力を失う
制作の知識は要りません。いまの契約に当てはめるだけで分かります。1つでも当てはまれば、契約内容を取り寄せる理由になります。
聞いても答えが返らず報告も来ない
「先月は具体的に何をしていただきましたか」の一言で十分です。誠実な保守会社なら作業ログか月次の報告を出せます。「サーバー代は月7,000円です」で終わる説明では、実費なのか作業費込みなのか分かりません。
安心な答え | 要注意の答え |
|---|---|
先月の作業を一覧で出す | 何かあったときの待機料 |
実費と作業費を分けて示す | 一式でやっています |
契約以来、報告を受け取った記憶がないなら、実態として何も行われていない可能性があります。何度も聞き直す気力を使わせる回答も同じ危険信号です。
年に数回しか使わない代行に毎月払っている
更新代行は使った分だけ価値がある項目です。年に数回の更新なら、都度見積もりに切り替えたほうが安くなることがあります。
更新の頻度 | 向く形 |
|---|---|
毎週〜毎月ある | 月額の更新枠 |
年に数回 | 都度見積もり |
ほぼ無い | 枠を外す |
長期縛りと違約金で動けなくされている
数年単位の契約期間や中途解約の違約金は、契約で顧客をつなぎ止める構造です。保守の品質に自信がある会社ほど、縛る必要がありません。SEO対策の月額契約でも同じ縛りがあります。契約の前に確かめる期間・解約・名義・測り方の4つはSEO対策の費用と解約条件にまとめました。
契約の条件 | 見方 |
|---|---|
1ヶ月前通告で解約可 | 品質で選ばれる形 |
年単位の自動更新 | 更新月を控える |
中途解約に違約金 | 縛りで残す形 |
解約するとホームページ自体が使えなくなる
独自CMS、業者名義のサーバーやドメインで運用されていると、解約=サイト消滅になりかねません。ロックインと呼ばれる構造で、保守費用の交渉力を根本から奪います。
確かめる名義 | 自社に無いと |
|---|---|
ドメインの登録者 | サイトごと失う |
サーバーの契約者 | データを持ち出せない |
CMSの種類 | 他社が引き継げない |
何年も前の契約で誰の名義かすら分からない。それが普通です。今の保守会社に名義変更ができるかを聞くところから始まります。
ただ、この4つに引っかからない契約でも、月2万円の保守費用は3年で72万円になります。
保守費用に一律の相場はない。内訳と3〜5年の総額で見る
- 工数がかかる作業がどれだけ含まれるかで決まる
- 月2万円の保守は3年で72万円
- 比べるなら含まれる範囲を先に揃える
同じ月額1万円でも、サーバー管理・セキュリティ更新・修正対応まで含む1万円と、実態のない「安心料」の1万円があります。業界共通の定価は存在しません。相場表と見比べるより、次の6項目のどれが含まれているかを見ます。
項目 | 手間 |
|---|---|
サーバー・ドメイン管理 | 固定・少額 |
CMS・プラグイン更新 | 定期作業 |
セキュリティ・SSL更新 | 定期・監視 |
バックアップ | 自動化できる |
修正・更新代行 | 工数しだい |
障害対応 | 突発 |
上の4つは仕組み化すればほとんど手間がかかりません。工数がかかるのは修正・更新代行と障害対応です。つまり保守費用の妥当性は、工数がかかる作業がどれだけ含まれているかで決まります。
制作費と合わせて3〜5年の総額で見る
月2万円の保守費用は3年で72万円です。小さなサイトなら、制作費そのものに並ぶか上回る金額です。毎月の小さな数字ではなく、制作費と同じ桁の投資です。制作費が異様に安く、保守が高めで長期契約という組み合わせは、保守で回収する型の可能性があります。
「自分だけ高いのでは」と思ったら比べる範囲を揃える
相場を調べる動機の多くは、金額そのものより「自分だけ損な契約をしていないか」という不安です。同業者と金額だけを比べると、「足元を見られているのでは」という気持ちが先に立ちます。比べるときは含まれる作業の範囲を先に揃えてください。範囲が同じなら金額の差は交渉材料になり、範囲が違うなら比較の対象になりません。
解約するとサイトが消える契約は、法律の原則ではなく特約で作られている
- 保守契約の多くは準委任で解除は自由が原則
- 長期縛りと違約金は原則を上書きした特約
- 名義が自社にあれば会社を替えてもサイトは残る
ホームページの保守契約の多くは、何かを完成させて納める請負契約ではなく、継続して事務を行う準委任契約にあたります。民法は委任契約についてこう定めています。「委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる」(出典: e-Gov法令検索「民法」(明治二十九年法律第八十九号)第651条。2026年9月18日確認。準委任への準用は同法第656条)。
原則はいつでも解約できる側にある
数年単位の契約期間や高額な違約金は、この原則を契約書の特約で上書きしたものです。特約自体は有効で、契約書に解約条項があればそちらが優先されます。同条2項は、相手方に不利な時期の解除には損害賠償が生じうるとも定めています(やむを得ない事情があればこの限りではありません)。解約条件の法的な判断は弁護士に確認するのが確実です。ここで言えるのは、縛りと違約金が契約で足された条件だということだけです。
ロックインを外から確認する3点
- ドメインの登録者名義は自社になっているか
- サーバーの契約者は自社になっているか
- 使っているCMSは他社でも扱える汎用のものか
この3つが自社側にあれば、保守会社を変えてもサイトは残ります。業者名義のまま何年も運用しているなら、名義変更ができるかを今の保守会社に確認してください。所有権を取り戻す考え方は制作会社を替えたい。でもサイトもドメインも自分たちのものではなかったで整理しています。
アームの月額は1ヶ月前の通告で解約でき、違約金はありません(サイトのリニューアルやUIの新規設計を含む場合のみ最低3ヶ月)。月額は相談7万円・代行22万円・強化40万円(税別)、ドメイン・サーバー・データはお客様の名義です。CMSはStudio、Framer、WordPressなど汎用のものを使い、他社でも引き継げる構造にします。離れられるのに選ばれ続ける。それが保守の対価だと考えています。
自社で抑えられる部分
- 日常更新はStudio等の汎用CMSで内製化
- 静的なサイトは保守の対象が少ない
- セキュリティ更新とバックアップは削らない
ノーコードで更新を内製
お知らせの掲載やテキストの差し替えは、StudioやFramer、WordPressなどの汎用CMSで作られたホームページなら自社で完結できます。更新のたびに依頼料を払う構造から抜けるだけで、保守費用の変動部分は大きく減ります。アームの制作でも、公開後の日常更新はお客様自身ができる状態で引き渡すことを基本にしています。線引きはStudioならホームページの更新は自分でできる│更新代行に頼む範囲と内製化の線引きに、体制づくりは更新のたびに外注。費用も時間もかかり、結局サイトが止まっているにまとめています。
静的サイトは保守が軽い
問い合わせフォームと数ページで構成されたシンプルなサイトなら、保守で行う作業は多くありません。サイトの構造をシンプルに保つことが、それ自体で保守費用の削減になります。
安全とバックアップ維持
CMSやプラグインの更新を止めると、改ざんや不正アクセスの入り口になります。放置されたホームページが攻撃を受けると、復旧費用は毎月の保守費用より高くつきます。信頼の損失はさらに大きい。中小企業のセキュリティ対策の考え方は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン(第4.0版・2026年3月公開)が参考になります。
削ってよい | 残す |
|---|---|
使っていない更新枠 | セキュリティ更新 |
仕組み化できる管理 | バックアップ |
ホームページの保守費用についてよくある質問
ホームページの保守は必要ですか?
CMSを使っているなら、セキュリティ更新とバックアップは必須です。誰がやるかは選べますがやらない選択肢はありません。
保守契約をしないとどうなりますか?
すぐには何も起きませんが、CMSの更新が止まるとセキュリティの穴が蓄積し、トラブル時に頼る先もなくなります。契約しない場合も、更新とバックアップを自社で回す体制は用意してください。
保守費用の勘定科目は何ですか?
契約内容によって扱いが変わるため、顧問税理士や会計士に確認するのが確実です。保守会社に作業内訳を出してもらうと、稟議や決算報告でも話が早く進みます。
保守費用が妥当かは、内訳を説明できるかと抜けられるかで決まる
- 妥当かは内訳を説明できるかといつでも抜けられるかで決まる
- ドメインとサーバーの名義が自社かを今の保守会社に確かめる
- 日常更新は内製に回しセキュリティ更新とバックアップは削らない



