Web制作、UIデザイン、ブランディングの相場と費用の考え方
アームにWeb制作 / UIデザイン / ブランディング を受託案件(単発プロジェクト)としてご依頼いただく場合の費用と相場をまとめたページです。サービス別の料金、費用の内訳、保守費用の罠、内製と外注の判断軸まで、分かりやすくお伝えします。
ページ | 内容 |
|---|---|
受託案件の料金(当ページ) | 単発プロジェクト型でご依頼いただく場合の料金と相場 |
仕事観・案件選定基準 |
Web制作・UIデザインの費用に幅がある理由
「Web制作の相場がわからない」「見積もりを見ても、何にいくらかかっているのかわからない」
ご相談前にこうした声を多くいただきます。
率直に書くと、Web制作・UIデザイン・ブランディングの費用に「相場」と呼べる固定値はありません。一社一社、課題も目的もKPIも違うからです。
- 商材・競合環境・KPI・社内リソース、すべてが違う
- Webサイトの目的(採用 / 集客 / ブランディング)によって工数構成が変わる
- プロジェクトの規模・機能要件・運用体制によっても費用は大きく変動する
- 既製品ではないので「Webサイト一律◯◯円」とは言えない
「Web制作の見積もりください」とだけ言われたら、私たちはまず話を聞かせてもらうところから始めます。料金を出し惜しみしているのではなく、聞かないと根拠ある見積もりが出せない、というのが本当のところです。
「制作代行」と「課題解決のためのデザイン」は別物です
このページで料金をご覧になる前に、一つだけ前提を共有させてください。同じ「Web制作 100万円」という見積もりでも、その100万円で何を買っているかは、業者によって全く違います。
「制作代行」型の見積もり
仕様書通りに作る労働の対価として料金が請求されます。
- 「コーポレートサイト 10ページで100万円」
- ページあたりの単価で料金が決まる
- 仕様変更があれば追加料金、要件が固まっていれば追加料金は発生しにくい
- 受発注の関係が明確で、依頼側が決めて、業者が作る
→ 仕様が完全に固まっていて、その通りに作るだけで成果が出るケースでは、この型が最も合理的です。仕様書を書ける社内体制があり、デザインの判断基準も固まっている会社に向いています。
「課題解決のためのデザイン」型の見積もり
事業の課題を解決する手段としてのデザイン業務に、料金が請求されます。
- 「採用応募数を倍にするための Webサイト・採用ブランディング・運用支援 一式で100万円」
- 課題解決のための工数で料金が決まる
- 仕様の正解は依頼側にも業者にも見えていない前提で、対話の中で発見していく
- 受発注ではなく協業の関係。事業の文脈に踏み込む工数が含まれる
→ アームが提供しているのはこちらです。Webサイトを作ること自体が目的ではなく、Webサイト・UIデザイン・ブランディングを通じた事業課題の解決が目的なので、見積もりも「制作」ではなく「課題解決のための時間と知見」への対価という構造になります。
Web制作費用の内訳:何にお金を払っているのか
「100万円の見積もりです」と言われても、その100万円が何に使われているかが見えないと、判断しづらいですよね。アームの見積もりを、ざっくり「考える / 形にする / 動かす」の3工程に分解してご説明します。
1. 考える工程(全体の約50%)
最初の「考える」フェーズで、リサーチ・競合分析・ユーザー理解・ポジショニング設計を行います。料金の半分をここに使うのは、後工程の手戻りリスクを防ぐ最大の手段だからです。アームの経験では、ここを省略したプロジェクトのほぼ全てで、後半に大きなやり直しが発生します。
- 100万円のWeb制作プロジェクトなら、約50万円がこの工程に充てられる計算です
- ここを省略する制作会社・業者は多いですが、その場合「なぜこのデザインなのか」を依頼後に説明できません
- アームの場合、このフェーズで作った要件整理ドキュメントは、納品物の一部としてお渡しします
- 経験上、この工程に十分な費用を払うかどうかが、プロジェクトの成否を最も左右します
2. 形にする工程(全体の約25%)
情報設計、ワイヤーフレーム、UIデザイン、プロトタイプ作成。Webサイトやプロダクトの「何を、どこに、どう見せるか」を決める工程です。デザインの品質と、見積もりに対する納得感は、この工程の透明性で決まります。
- アームの中核業務で、最も工数が読みやすい部分です
- 「考える」工程で言語化された判断基準があるので、デザインフィードバックも「好き/嫌い」ではなく「目的に合っているか」で議論できます
- デザインの品質を担保するため、検証も並行して走らせます
- 工程の中にレビューと修正の時間が組み込まれています
3. 動かす工程(全体の約25%)
コーディング、CMS構築、テスト、運用準備。デザインを実際に動くWebサイトに仕上げる工程です。この工程の品質が、公開後のリスクとサポートコストを大きく左右します。
- 表示確認、セキュリティ対策、パフォーマンス検証、アクセシビリティ確認は、この工程に内包しています
- 「動くだけ」ではなく「公開後に運用される状態」まで持っていくのが、この工程のゴールです
- 品質検証を疎かにすると、公開後に表示不具合・セキュリティリスクが顕在化します
- システム要件によって、ここの料金が大きく変動します
→ 上記の配分は目安で、案件によって変動します。ブランディング案件なら「考える」が60〜70%を占めることもありますし、Studio制作のLPなら「動かす」が10%以下になることもあります。ヒアリング後に、御社のプロジェクトでの配分をお見積もりに明示します。
見積もりは工数ベースでお出しし、内訳を明示します。
「なぜこの料金なのか」を説明できない費用は、請求しません。
サービス別の料金
アームは一人スタジオなので、対応する案件規模を明確にした上で料金をお示しします。以下はアームが受託する代表的な案件タイプと料金です。プロジェクトの内容により、ご相談の上でカスタマイズします。
集客特化型のWebサイト・ホームページ制作の料金
サービス | ページ規模 | 料金(税別) |
|---|---|---|
コーポレートサイト制作 | 10〜15ページ | 100万円〜 |
コーポレートサイト制作 | 20〜30ページ | 180万円〜 |
サービスサイト・LP制作 | 5〜10ページ | 100万円〜 |
LP(ランディングページ)制作 | 1ページ | 60万円〜 |
採用サイト制作 | 5〜10ページ | 要お問い合わせ |
オウンドメディア構築 | 構築+CMS | 要お問い合わせ |
Studio / Framer 制作(LP) | 1ページ | 35万円〜 |
Studio / Framer 制作(小規模Webサイト) | 5ページ前後 | 60万円〜 |
Studio / Framer 制作(中規模Webサイト) | 10〜15ページ | 80万円〜 |
料金に含まれるもの
- 戦略設計・情報設計・ワイヤーフレーム作成
- UIデザイン・プロトタイプ作成
- 実装・CMS構築・公開準備
- 公開後1ヶ月の軽微な修正対応
別途お見積もりになるもの
- 原稿執筆・取材・撮影・素材手配
- 多言語対応・会員機能・決済機能などの追加システム
- 公開後の継続的な運用サポート(月額契約)
→ アームのWeb制作は、戦略設計から伴走するプロジェクトを中心に対応しています。実際の見積もりは要件によって変動するので、お話を聞かせていただいた上でオーダーメイドで作成します。
業務管理システム、アプリのUIUXデザインの料金
サービス | 画面数 | 料金(税別) |
|---|---|---|
業務システムUI/UXデザイン | 10画面前後 | 120万円〜 |
業務システムUI/UXデザイン | 20画面以上 | 250万円〜 |
SaaSプロダクトデザイン | 10画面前後 | 120万円〜 |
SaaSプロダクトデザイン | 20画面以上 | 250万円〜 |
アプリケーションUIデザイン | 10画面前後 | 120万円〜 |
プロダクト改善コンサル | 月額契約 | 要お問い合わせ |
デザインシステム構築 | 単発 | 要お問い合わせ |
料金に含まれるもの
- ユーザー理解・要件整理・情報設計
- UIデザイン・デザインシステム構築
- プロトタイプ作成・ユーザーテスト支援
- エンジニアへのデザイン引き渡し・実装サポート
別途お相談になるもの
- 実装フェーズ(実装はクライアント側でエンジニアアサインをお願いしています。実装パートナーが必要な場合はご紹介します)
- 公開後の継続的な改善支援(月額契約)
→ アームのSaaS / プロダクトUIデザインは、画面数20〜30画面前後の中規模プロダクトを中心に対応しています。50画面以上の大規模プロダクトは、複数デザイナー体制が必要になるため、別途ご相談ください。
戦略から浸透まで、ブランドの一貫設計の料金
サービス | スコープ | 料金(税別) |
|---|---|---|
ブランド戦略設計 | 単発 | 要お問い合わせ |
VI/CI設計 | 単発 | 要お問い合わせ |
ロゴ・シンボル制作 | 単発 | 要お問い合わせ |
ブランドガイドライン制作 | 単発 | 要お問い合わせ |
販促ツール・会社案内制作 | 単発 | 要お問い合わせ |
ブランディング一式(小規模) | ロゴ+簡易ガイドライン+小規模Webサイト | 120万円〜 |
ブランディング一式(中規模) | ロゴ+詳細ガイドライン+Webサイト+ツール類 | 250万円〜 |
料金に含まれるもの
- ブランド戦略設計・コンセプト開発
- ロゴデザイン・ビジュアルアイデンティティ設計
- ブランドガイドライン作成
- Webサイトへのブランド適用
別途お相談になるもの
- 動画・3DCG制作(信頼できるパートナーをご紹介します)
- 紙媒体(パンフレット、名刺など)のデザイン展開
- ネーミング開発(コピーライターと組む形になります)
→ アームのブランディングは、Web中心の事業を持つ企業のブランド構築に特化しています。ロゴ単体での発注も可能ですが、Web制作とセットで設計するほうが運用コスト面で機能しやすく、おすすめです。
見積もりは一社一社のオーダーメイドです
上記の料金は、過去のWeb制作プロジェクトをもとにした「目安レンジ」です。実際のお見積もりは必ず一度お話を聞かせていただいてから、御社の課題と要件に合わせてオーダーメイドでお出しします。
なぜオーダーメイドなのか
「Webサイト一律◯◯円」「コーポレートサイト一式◯◯万円」のようなテンプレート料金を採用しないのには、理由があります。
- 同じ「コーポレートサイト 15ページ」でも、課題によって必要な工数が2〜3倍変わる:採用強化が目的か、集客が目的か、ブランディングが目的かで、戦略設計とコンテンツ設計の深さがまったく異なります
- 商材・競合環境・社内リソースが違う:BtoB SaaSと地域密着サービス業では、必要なリサーチ範囲も情報設計の方針も別物です
- 既存資産の有無で工数が変わる:すでにブランドガイドラインがある会社と、ゼロから作る会社では、デザイン工程の工数が大きく違います
→ テンプレート料金で一律提示すると、御社にとって不要な工程が含まれたり、必要な工程が省かれたりします。それを避けるための「オーダーメイド見積もり」です。
ヒアリングで確認させていただくこと
オーダーメイドの見積もりを作るために、初回ヒアリング(30〜60分/無料)で以下のような点を伺います。
- 事業の現状と課題(なぜ今、Webサイト制作・UIデザイン・ブランディングを検討しているか)
- 期待する役割と目的(採用 / 集客 / ブランディング / プロダクト改善 など)
- 想定するKPIと評価基準
- 既存の素材・コンテンツ・運用体制の有無
- スケジュールと予算感
- 関係する社内ステークホルダーと意思決定プロセス
→ 「予算100万円で何ができるか」「予算300万円ならどこまでできるか」「予算500万円かけるならどんな設計が現実的か」といったご相談ベースで、現実的な提案をお出しします。
お見積もりまでの流れ
- 初回ヒアリング(無料・30〜60分)
- 要件整理ドキュメントの作成:ヒアリング内容を文字化し、認識をすり合わせます
- 見積もりの提出:工数ベースで内訳を明示した見積もりをお出しします(通常3〜7営業日)
- 見積もりレビュー:ご質問・調整があればこの段階で。納得いただけたらご契約へ
→ 見積もりを出した後でも、「この工程は自社でやる」「この機能は今回スコープから外す」といった調整は柔軟にお受けします。例えば100万円の見積もりから機能をスコープアウトして80万円に調整、という相談も可能です。料金を出し惜しみしているのではなく、聞かないと根拠ある見積もりが出せない、というのが本当のところです。
内訳を説明できない費用は、請求しない。これがアームの一貫したスタンスです。
見積もりが膨らむ瞬間
複数社から相見積もりを取ると、同じ要件でも金額に2〜3倍の差が出ることがあります。「なぜそんなに違うのか」という質問もよくいただきます。
差の正体は、ほとんどの場合「見積もり時点で、どれだけ要件が言語化されていたか」です。曖昧さが残っているほど、見積もり側はリスク分のバッファを乗せざるを得ません。アームから見て、見積もりが膨らみやすい3つの瞬間を共有します。
瞬間1:「いい感じに」が初回相談の軸になっているとき
「採用に効くいい感じのサイトが欲しい」「他社と被らないかっこいいサイトにしたい」というご相談は、よくあります。気持ちはとても自然です。
ただ、見積もりを作る側からすると、「いい感じ」の解釈幅が広すぎて、想定工数の上限が見えません。シンプルな1画面構成で済むかもしれないし、フルカスタムで3D表現が必要かもしれない。最大ケースを前提に見積もると、結果として金額が膨らみます。
→ 「採用ターゲット30代女性」「競合のA社・B社と差別化したい」「予算100万円」など、判断基準が一つでも具体化していると、見積もりは20〜30%下がるケースがあります。
瞬間2:「念のため」でページや機能が積み増されるとき
要件定義の段階で「念のため、お知らせページも入れておいてほしい」「採用ページもあったほうがいいですよね」が積み重なると、初期予算より50万円以上膨らむことがあります。
特に会員機能、多言語対応、決済システム、検索機能は、追加した瞬間にデザインだけでなく実装・運用の工数が跳ね上がる項目です。「あったほうがいい」ではなく「今のフェーズで本当に必要か」を一度問うと、見積もりは大きく変わります。
→ アームではヒアリング段階で「Phase1で作るもの/Phase2に回せるもの」を一緒に整理することが多いです。これだけで初期見積もりが100万円単位で下がることがあります。
瞬間3:意思決定者が見積もり段階に登場しないとき
「見積もりは現場担当者がレビューし、最終承認は役員」という構造のとき、見積もりは保守的に膨らみがちです。
理由は、現場担当者は要件を「足す方向」では動けても、「引く方向」では動きにくいから。役員レビューで「これも入っていない」と言われるリスクを避けるため、現場担当者は「念のため全部入れた見積もり」を作る側に依頼することになります。
→ 初回相談に意思決定者が同席するか、せめて「役員確認で増減しそうな項目」を事前に共有してもらえると、見積もりはぐっと現実的なものに近づきます。
何をやって、何をやらないか。何を優先するか。これが言語化されている見積もりは、無駄な費用が減ります。
「安い見積もり」が成立する仕組み
「他社では50万円でできると言われた」「もっと安くならないか」というご相談は、これまでも何度かいただいてきました。アームの経験から見える景色を、業界の構造として分かりやすくお伝えします。
安さは「工数を削る」以外の方法で実現されない
Web制作・UIデザイン・ブランディングは労働集約型のサービスです。料金は、関わる人の時間を金額換算したもので、おおむね工数に比例します。つまり、見積もり金額が下がるとき、削られているのは利益ではなく工数です。
工数を削る方法は、現場で見ている限り3つしかありません。
- 単価の安いメンバーをアサインする(経験の浅い担当者にする)
- 工程そのものを省略する(戦略設計・要件整理・品質検証を飛ばす)
- 既製品で代替する(テンプレート、流用デザイン、既存コードのコピー)
安いから悪い、というつもりはありません。短期で名刺代わりのWebサイトが必要、というご事情なら、テンプレート活用は合理的な選択です。問題は、どの方法で工数が削られているかが、依頼側に開示されていないケースです。費用の透明性が低い業者は、品質面のリスクも見えにくくなります。
アームの経験から見て「危険信号」だと思うサイン
過去のご相談で、後から問題になったプロジェクトを思い返すと、共通する初期サインがいくつかあります。
サイン1:見積もりに「設計」の項目がない
「デザイン費」「コーディング費」「ディレクション費」だけで構成された見積もりは、戦略設計・情報設計の工程が省略されている可能性が高いです。「なぜこの構成なのか」「なぜこのデザインなのか」を後で説明できないWebサイトになりやすく、社内稟議や経営層レビューで詰まる原因になります。設計費用が見積もりにないこと自体が、品質リスクのサインです。
サイン2:窓口と作り手が違う構造
営業担当が見積もりを作り、別のディレクターが進行し、別のデザイナーが作る……という多層構造は、伝言ゲームの工数を見積もりに含めない代わりに、現場で吸収させる前提になっていることがあります。初回相談で出てきた人が、最後まで残らない前提のチームには注意が必要です。担当者の経験値が見積もり段階で開示されないケースもよくあります。
サイン3:「公開後」の話がない
見積もりが「公開日」で完結している場合、その制作会社はWebサイトを「納品物」と捉えていて、「運用される資産」とは捉えていない可能性があります。アームのスタンスでは、Webサイトは公開してからが本番なので、ここはご一緒する相手選びの分岐点になりやすい部分です。サポート期間の有無、運用体制の説明、改修時の費用感まで聞いておくと安心です。
サイン4:判断基準が「好み」だけで進む
「もう少し可愛く」「もう少しかっこよく」という主観のフィードバックだけでデザインが決まる進行は、設計の工数を払っていない結果として起きます。本来は「採用ターゲットが30代女性なので、信頼感より親しみやすさを優先」のように、目的に紐づいた判断ができる状態を作るのが、設計工程の役割です。判断基準が言語化されていないプロジェクトは、品質も成果も再現できません。
安いプロジェクトのトータルコストが高くつく理由
アームに「他社で作ったWebサイトを作り直したい」というご相談をいただく機会も増えています。話を聞くと、共通するパターンがあります。
- 公開後すぐに修正したい箇所が出てきたが、追加見積もりが高額だった
- CMSで自社更新できる設計になっておらず、文字修正のたびに依頼料が発生する
- 検索流入が想定より伸びず、SEO観点での再設計が必要になった
- ブランドガイドラインがないため、運用フェーズでデザインが崩れていった
→ 初期費用50万円のWebサイトが、3年後には改修費用を含めて300万円超のトータルコストになっていた、というケースは珍しくありません。Webサイトの本当のコストは、3〜5年で見ないと判断できないのは、こうした構造的な理由からです。アームの経験では、初期費用を惜しむほど、運用フェーズの費用が膨らむ傾向があります。
「制作費が安く、保守費用で回収する」スキームへの警戒
安い見積もりの構造に関連して、もう一つお伝えしておきたいことがあります。Web制作業界には、初期費用を意図的に低く設定し、月額の保守費用で長期回収するビジネスモデルが広く存在します。一見お得に見える見積もりが、長期的には高くつく構造です。
典型的なスキームの中身
具体例を出します。以下のような見積もりを受け取ったことはありませんか。
- 制作費:20万円(業界相場の1/5以下)
- 保守費用:月額3万円(5年継続契約)
- 解約条件:契約期間内の解約は違約金あり、データ譲渡不可
5年トータルで計算すると、20万円 + 3万円×60ヶ月 = 200万円。通常のWeb制作費用と比べて、結果的に同じか高くつく計算です。さらに以下のような問題が含まれていることがあります。
問題1:保守費用の中身が不透明
「月額3万円の保守」の中で実際に何が行われているか、依頼側に開示されていないケースがあります。
- 月次レポートなし、改善提案なし
- 軽微な修正にも別途料金が発生する
- セキュリティ監視や更新作業が実態として行われていない
問題2:契約解除がしづらい構造
- 5年の長期契約が前提で、中途解約に違約金が発生する
- 「解約したら、Webサイト自体が使えなくなる」構造(独自CMS、独自サーバー、独自ドメイン管理)
- データやデザインソースの譲渡条項がなく、別業者に乗り換えられない
問題3:構造的なロックイン
依頼側がサービス満足度に関わらず、契約を継続せざるを得ない状況になります。これがロックインです。乗り換えコストが高すぎるため、満足度が低くても払い続けるしかない。業者側はこの構造を前提にしているため、品質改善のインセンティブも弱くなります。
「安い制作費」を見たときの確認ポイント
相場より明らかに安いWeb制作の見積もりを受け取ったときは、以下を必ず確認してください。
- 保守契約は必須か任意か:必須なら、その時点で保守込みの実質料金で比較する
- 保守費用の月額と契約期間:5年契約・月額3万円なら、初期費用に180万円を加算した数字が実質コスト
- 解約条件:中途解約の違約金、解約後のWebサイト所有権、データ譲渡可否
- データ譲渡条項:契約終了時にデザインソース・コンテンツ・運用ドキュメントを受け取れるか
- ドメイン・サーバーの所有権:依頼側名義か業者名義か(業者名義だと、解約時に独立できない)
- CMSの汎用性:WordPressやMovable Typeなど一般的なCMSか、業者の独自CMSか
→ 独自CMSは特に注意が必要です。業者を変えた瞬間、そのCMSが使えなくなるため、Webサイトを丸ごと作り直す必要が出てきます。
アームの保守料金の考え方
アームは保守契約を「乗り換えコストで縛らないこと」を原則として設計しています。
- 制作費用は工数ベースで明示し、保守費用とは独立して請求する
- 保守契約は任意。必要なければ単発で終わっても問題なし
- 保守料金は月額固定ではなく、稼働時間ベースで透明化する
- 解約は1ヶ月前通告で自由。違約金なし
- データ・デザインソース・ドメインはすべて依頼側名義/所有
- CMSはWordPress、Studio、Framerなど汎用的なものを採用し、別業者でも引き継げる構造にする
→ アームから離れる選択肢を、契約段階から確保していただくのが基本方針です。「離れたくなる関係」を作らないことが、長期的な信頼関係を作る一番の方法だと考えています。
保守費用で長期ロックインする構造は、短期の利益と引き換えに、依頼側との対等な関係を捨てるビジネスモデルです。アームはこの構造を採用しません。
内製と外注の判断軸(AI時代の選択肢)
ここまで「業者選び」の話をしてきましたが、そもそもの問いとして「外注すべきか、内製すべきか」も大事な検討事項です。AIツールの普及で、内製の選択肢は確実に広がっています。アームから見える「内製と外注の境界線」を共有します。
AI時代に内製の選択肢が広がった
ChatGPT、Figma AI、v0、Studio、Framer、Webflowなどのツールが普及し、専門知識がなくてもWebサイトを形にできる時代になりました。実際、以下のような業務は内製で済むケースが増えています。
- LPの初稿作成・更新
- お知らせ・ブログ記事のCMS更新
- 既存サイトの軽微なデザイン調整
- バナー画像やSNS素材の制作
- 簡易な競合リサーチや市場調査
→ 「Web制作 内製」「ノーコード Web制作」というキーワードで検索する企業が増えているのも、この流れの表れです。
内製で十分なケース
以下の条件が揃うなら、内製で進めることをおすすめします。
- 仮説検証フェーズ:プロダクトやサービスがまだ形になっていない段階で、市場の反応を見たい
- 小規模・短命予定:3ヶ月以内のキャンペーンLP、社内向けツール、検証用プロトタイプ
- 既存ブランドの延長:すでにブランドガイドラインがあり、新規ブランド構築は不要
- 社内リソース十分:デザイン経験者・ライター・更新担当が社内にいる
- 継続更新が前提:頻繁な更新が必要で、外注の都度依頼コストが見合わない
→ こういうケースでは、外注すると逆に効率が悪くなることすらあります。アームへのご相談で「これは内製でやったほうが速いです」とお伝えするケースも一定数あります。
外注すべきケース
一方、以下のような条件が含まれる場合は、外注を検討すべきです。
- 戦略設計が必要:何を作るべきか、誰に届けるべきかが言語化されていない
- ブランド構築フェーズ:会社の「らしさ」をゼロから設計したい
- 長期運用前提の資産化:3〜5年使う基幹サイト、数千万のリードを生む集客装置
- 品質に責任を持てる人がいない:判断基準を作れる人材が社内にいない
- 競合との差別化が事業の生命線:類似品に埋もれない独自性が事業価値そのもの
- 複数領域の統合設計が必要:Web・UI・ブランド・採用・営業資料を一貫設計したい
→ 内製ツールはあくまで「作る」ことを助けるもので、「何を作るべきかを決める」工程は、依然として人間の知見と対話が必要です。ここを内製でやろうとすると、社内リソースを大幅に消費します。
ハイブリッド型という現実解
実務的には、全部を内製、または全部を外注、ではないハイブリッド型が一番効率的なケースが多いです。
フェーズ | 推奨される進め方 |
|---|---|
戦略設計・ブランド構築 | 外注(社内に専門人材がいない限り) |
基幹サイトの初期構築 | 外注 |
日常的な更新・改修 | 内製(更新しやすいCMSを選ぶ前提) |
大規模リニューアル | 外注(3〜5年に一度) |
LP・キャンペーンページ | 内製 or 外注(規模で判断) |
→ アームの場合、外注パートとして関わりつつ、内製化までを設計に組み込むことが多いです。「アームに依存しないと運用できない」状態を意図的に避けています。
「内製してみてダメだった」のコスト
最後に一つだけ。「まず内製でやってみて、ダメなら外注する」という判断は、実は隠れたコストが高いことがあります。
- 内製で半年かけたが、想定の半分しか進まなかった
- できあがったが、品質が低くて公開できない
- 公開したが、成果が出ず、結局作り直しになった
→ こうしたケースで失われるのは、外注費用ではなく時間と機会です。3ヶ月遅れれば、その3ヶ月分の機会損失が積み重なります。
迷ったら、1時間の無料ヒアリングでご相談ください。「これは内製で十分です」「これは外注すべきです」を、課題解決の観点から率直にお伝えします。アームに発注していただくことが目的ではなく、御社の課題解決に最適な選択肢を一緒に見つけることが目的です。
Web制作会社・業者・フリーランスを比較するときの観点
複数のWeb制作会社・業者・フリーランスから見積もりを取る際、「料金の安さ」だけで比較すると見落としやすいポイントがあります。アームから他の業者・制作会社をご紹介することもあるので、その経験から比較の観点をお伝えします。
料金以外で確認しておきたい4つのこと
1. 「実際にプロジェクトを担当する人」の経験
業者全体の創業年数や受注実績ではなく、ご自身のプロジェクトを実際に担当する人の経験を確認するのがポイントです。大手の業者・制作会社でも、新人メンバーがアサインされるケースはあります。「具体的にどなたが担当されますか」「その方の経験と実績を見せてもらえますか」と聞いてみてください。経験豊富なメンバーがアサインされるかは、見積もり金額だけでは判断できません。
2. ヒアリング段階のドキュメント文化
初回ヒアリング後、要件整理ドキュメントを出してくれるかどうか。これは設計に工数を払う文化があるかの試金石になります。口頭の議論だけで見積もりを出してくる業者は、後工程でも認識合わせのドキュメントを残さない傾向があります。プロジェクトの認識ズレリスクを避けたいなら、ここを重視してください。
3. 「やらないこと」を提案できるか
要望を全部受け入れる業者より、「これは今回スコープから外すべきです」「Webサイトより営業資料の改善のほうが効きます」と言える業者のほうが、結果的にプロジェクトの費用対効果は高くなります。断れる相手かどうかを、初回相談で見ておくと良いです。提案リスクを取れない業者は、依頼側の言いなりになりがちで、結果として品質も上がりません。
4. 公開後のサポート設計
見積もりに「公開後◯ヶ月の修正対応」が含まれているか、運用サポートが月額契約で用意されているか。公開日で関係が終わる前提の業者と、運用フェーズまで設計に組み込んでいる業者では、納品されるWebサイトの構造そのものが変わります。長期運用のリスク管理として、サポート体制の有無は必ず確認しましょう。
アームの立ち位置
アームは伊藤一人のスタジオで、信頼できる仲間と案件ごとにチーム編成する形で動いています。業者規模としては小さいので、大規模並走案件は構造的にお請けできません。一方で、上記4つの観点はすべて、アームが日常的に意識している部分です。他の業者と比較する際の材料の一つとしてご検討ください。
費用対効果の考え方
Web制作費用は「コスト」ではなく「投資」
アームのスタンスはこの一文に集約されます。Web制作・UIデザインへの投資が、後々どんなリターンを生むかを順に説明します。
投資としてのWeb制作
- 集客への投資:適切なUX設計は、問い合わせ率・CVRを改善します。Webサイトからの新規商談が増えれば、初期の投資金額は中期で回収できます
- ブランドへの投資:ブランド資産は、採用や営業など多方面に波及します。良いWebサイトは、求人広告費の削減にもつながる投資です
- 運用コスト削減への投資:長く使える設計は、運用・改修の費用を下げます。3年で大規模改修が必要なWebサイトと、5年使える設計の投資効率は大きく異なります
初期金額だけで判断しない
Web制作の見積もり金額を比較するときは、初期金額だけでなく以下の金額もあわせて検討してください。
- 公開後の運用・保守費用
- 改修・リニューアルが必要になったときの金額
- 内製で運用するための学習・教育コスト
→ 初期金額が安くても、トータルの投資金額で見ると高くつくケースは少なくありません。3年後・5年後のトータルコストでWeb制作費用を考えることをおすすめしています。
アームのWeb制作・UIデザイン受託と相性が良い方
- 戦略設計から一緒に考えてほしい方
- Web制作・UIデザイン・ブランディングを「線」で設計したい方
- リリース後の運用・改善まで、プロジェクト全体を伴走してほしい方
- 「言われた通りに作る」関係よりも、対話を重ねたい方
- 内訳のない「一式◯◯円」ではなく、根拠のある見積もりを受け取りたい方
- プロジェクト途中の要件変更リスクを、事前にすり合わせておきたい方
- 公開後のサポート体制まで含めて、安心して任せられるプロジェクトを希望する方
別のWeb制作業者が合うケース
こんなご要望なら | こちらが合います |
|---|---|
とにかく安く・早く Webサイトが欲しい | テンプレート型/格安フリーランス |
仕様が固まっていて、その通りに作ってほしい | 作業特化のWeb制作会社 |
丸投げで完成品が欲しい | ディレクター付きの大手代理店 |
表現の独自性・作家性を求めたい | クリエイティブブティック |
「好み」だけで判断したい | 感性の合うフリーランス |
依頼先選びはご事業のフェーズや目的により変わるものなので、ご状況に合った選択肢が見つかれば嬉しく思います。
アームの受託案件 費用観
- 「Webサイト制作 一律◯◯円」とは言わない
- 内訳を説明できない費用は請求しない
- 「安さの構造」も、分かりやすく説明する
- 単価調整ではなく、スコープ調整でご相談する
- 保守費用でロックインしない契約構造を採る
- 内製で済むなら、その旨を正直にお伝えする
- 予算に合う選択肢が他にあれば、そちらをご紹介する
- Web制作・UIデザイン・ブランディングは「コスト」ではなく「課題解決への投資」と捉える
まずはお話を聞かせてください(Web制作・UIデザインの無料見積もり相談)
カジュアルなご相談から歓迎です。
- 「予算100万円で何ができますか?」
- 「予算300万円ならどこまでできますか?」
- 「他社の見積もりが妥当か、相談に乗ってほしい」
- 「Webサイト制作の相場が知りたい」
- 「UIデザインの料金感を教えてほしい」
- 「ブランディングの料金がイメージできない」
- 「公開後の運用サポート費用も含めて、トータルコストを把握したい」
- 「プロジェクト途中で要件が変わるリスクを、どう抑えればいいか相談したい」
ご予算をお伝えいただくほど、現実的な提案がしやすくなります。「予算100万円で何ができるか」「予算500万円かけるならどんな設計が現実的か」を一緒に考えるところから始めましょう。サポート範囲の擦り合わせも、初回相談で分かりやすくお伝えします。
「この予算では難しそうです」と感じた場合は、その理由と、合いそうな依頼先候補を含めて正直にお伝えします。
プロダクトの売上を最大化させるUI・UXデザインならアームにお任せください

代表
伊藤 悠希
愛媛出身、東京在住。複数の制作会社でオンスクリーン領域のデザインを経験後、屋号「aaam(アーム)」で独立。スタートアップを中心にデザイン支援を行う。
1
総プロジェクト数
100
+
業種・規模を問わず100件以上のプロジェクトを経験。初めての業界でも、過去の知見から最適な設計を提案できます。
※数字は、アームとして独立する前の期間も含めています。
2
業界歴
9
年
Web制作・UIデザイン領域で9年の実務経験。設計だけでなく、公開後の運用・改善まで見据えた提案ができます。
※数字は、アームとして独立する前の期間も含めています。
3
伝言ゲーム
0
回
ディレクター不在の一気通貫体制。課題を直接聞いたデザイナーが設計・制作するため、要件のズレや手戻りが起きません。