
アーム代表の伊藤です。Studioで作ったホームページなら、お知らせの追加やテキスト修正といった日常の更新は自分でできます。鍵は、頻度の高い作業を自社に、設計判断を伴う作業をプロに残す線引きです。
この記事は、その線引きの表を先に見せ、内製化後に残る費用と、成功の条件3つを整理します。
こんな方におすすめのコラムです
- お知らせ1本のために、依頼と数日の待ち時間が発生している
- 更新のたびに費用がかかる運用を、どうにかしたい
- 自分で触って壊してしまわないか不安
- 保守費用を見直したいが、どこまで自社でやれるか分からない
先に結論。自分でできる更新と、プロに残す部分
Studioはノーコードでホームページを制作・更新できるツールで、公開後の編集に専門知識を必要としません。お知らせの追加、営業時間や料金の変更、写真の差し替え、実績の掲載。
こうした日常の更新は、CMSとして設計されたStudioのサイトなら、Wordやブログを書ける方であれば自分で完結できます。管理画面から編集して公開ボタンを押すだけで、その場で本番に反映されます。
区分 | 具体例 | 担当 |
|---|---|---|
日常更新 | お知らせ・ブログ追加、テキスト修正、画像差し替え、実績追加 | 自社でできる |
定型の追加 | CMSに設計済みのページ追加(実績詳細・メンバー紹介など) | 自社でできる |
構造の変更 | ページ構成の変更、新セクションの設計、導線の見直し | プロに相談 |
デザイン改修 | トーンの刷新、レイアウトの再設計 | プロに相談 |
集客の改善 | SEO・LLMOの設計、コンテンツ戦略 | プロに相談 |
ポイントは、頻度の高い作業ほど自社側に、頻度が低く設計判断を伴う作業ほどプロ側に置くことです。日常更新は月に何度も発生しますが、構造の変更は年に数回です。頻度の高い作業を内製化するだけで、依頼のやり取りはほとんど消えます。
逆に、設計判断を伴う変更まで自己流でやると、作った時の意図が崩れてサイト全体がちぐはぐになっていきます。
「ノーコードは簡易的」という誤解について
作り込みの品質と、更新のしやすさは両立します。
アームの標準メニューでの扱い
「ノーコードは簡易的」という印象を持たれることもありますが、これは誤解です。アームはStudioやFramerでの制作を標準メニューにしており、戦略設計から作り込んだうえで、更新は自社で回せる状態で引き渡しています。
作り込みの品質と、更新のしやすさは両立します。Studioというツール自体の全体像はStudio制作会社の選び方でも解説しています。
内製化すると、毎月の費用はどうなるか
更新を内製化した場合に残る費用は、かなりシンプルになります。
- Studioの利用料。プランによって変わるため、最新の料金はStudioの公式サイトで確認してください。サーバー管理が利用料に含まれる構造なので、別途サーバー保守を契約する必要がありません
- ドメインの更新費。年に1回、数千円程度の固定費です
- スポットの相談・改修費。構造変更や改善をしたくなったときだけ、都度発生します
つまり、従来の「月額保守費用」の大部分を占めていた更新代行とサーバー管理が、内製化と利用料にそれぞれ吸収されます。
アームの保守も月額固定ではなく稼働時間ベースの任意契約にしているのは、この構造なら「毎月必ず発生する作業」がほとんど残らないからです。保守費用全体の考え方はホームページの保守費用の記事で詳しく整理しています。
内製化を成功させる3つの条件
Studioにすれば自動的に内製化が回る、というわけではありません。アームが引き渡しの実務で大切にしている条件が3つあります。
1. 更新する場所を「CMS」として設計しておく
自社で触る場所が、管理画面から迷わず編集できるように設計されているかが決定的に重要です。お知らせ・実績・よくある質問など、更新頻度の高いコンテンツをCMS化しておけば、編集はフォーム入力とほぼ同じ感覚になります。
ここが設計されていないサイトは、ノーコードでも編集のハードルが高くなります。
2. 「誰が・何を・いつ」を決めてから引き渡す
更新が止まる一番の原因は、ツールではなく担当の不在です。誰がお知らせを書くのか、実績は何をきっかけに追加するのか。運用の役割を決めてから引き渡すと、公開後もサイトが動き続けます。
3. 困ったときに聞ける相手を残しておく
内製化は「制作会社と縁を切ること」ではありません。操作で詰まったときや、構造を変えたくなったときに相談できる相手がいると、内製化は長続きします。アームは引き渡し後も、必要なときだけ稼働時間ベースで相談を受ける形にしています。囲い込まず、しかし放置もしない距離感が、内製化には一番合っています。
移行・導入時の注意点
これから内製化を進める方向けに、注意点も正直に書いておきます。
- 既存サイトからの移行は「作り直し」になる。WordPressや他ツールからStudioへの移行は、データ移行ではなくサイトの再構築です。リニューアルのタイミングと合わせるのが現実的です
- ツールの制約はある。会員機能や複雑な検索など、要件によってはStudioでは実現できないものがあります。要件次第ではWordPressなど他のCMSが適することもあり、アームでも要件を聞いたうえでツールを選び分けています
- 属人化に注意。1人だけが更新方法を知っている状態は、その人の退職や異動で更新が止まります。操作手順は簡単にでも記録しておくのがおすすめです
よくある質問
パソコンが得意でなくても、本当に自分で更新できますか?
日常更新の範囲なら、ブログサービスを使える程度の操作感覚でできます。編集する場所をCMSとして設計してあることが前提なので、制作を依頼する段階で「自社で更新する前提で作ってほしい」と伝えてください。
自分で更新して、サイトを壊してしまいませんか?
CMS化された範囲の編集なら、レイアウトを壊す心配はほとんどありません。構造やデザインの編集権限に触らない運用にしておけば、リスクはさらに下げられます。壊れたと感じたときに相談できる相手を残しておくと安心です。
保守契約は不要になりますか?
サーバー管理と更新作業についてはほぼ不要になります。ただし、構造の変更や集客の改善はプロの領域として残るので、必要なときだけ相談できるスポット型の関係を残すのがおすすめです。
FramerでもStudioと同じことができますか?
FramerもCMS機能を持ち、日常更新の内製化という点では同じ考え方が使えます。ツールの違いはFramerとStudioはどっちを選ぶ?で比較しています。
まとめ。更新の内製化は「線引き」と「設計」で決まる
Studioで作ったホームページなら、日常の更新は自分でできます。成功の鍵はツールではなく、頻度の高い作業を自社に、設計判断を伴う作業をプロに置く線引きと、更新箇所をCMSとして設計してから引き渡すことです。
更新の内製化が回り始めると、保守費用が下がるだけでなく、サイトが「止まっている資産」から「動いている資産」に変わります。
今の運用が「更新のたびに依頼と待ち時間」になっているなら、次のリニューアルは内製化を前提に設計してみてください。
今のサイトの構造で内製化できるかどうかの診断からで構いません。



