アーム代表:伊藤 悠希について
伊藤 悠希
Yuki Ito / アーム代表
愛媛出身、東京在住。1996年生まれ。制作会社3社でオンスクリーン領域のデザインに約7年間携わり、2024年6月に独立。屋号「アーム(英名:aaam)」でデザインスタジオを営んでいます。
得意なのは、事業の因数分解とデザインへの翻訳。苦手なのは、アート性の追求です。
これまでの歩み
Web制作会社を数社経験したのち、2024年6月にアームとして独立しました。途中で関わったシステム開発の現場で「制作して終わり」から「制作してからが始まり」へ仕事観が変わった経験が、いまのアームの根底にあります。
屋号「アーム(英名:aaam)」は深い意味があるわけではなく、夜遅くに屋号を考えていたら大きなあくびが出て、その時の擬声語をそのまま採用しただけです。悩んでいる暇があるなら動こう、という意思が結果的に込められた気がします。
デザインに対する考え方
派手な見た目を作ることに興味がありません。受賞を狙うサイトより長く機能するサイトが好きですし、表層的に綺麗なプロダクトよりユーザーが迷わず目的にたどり着けるプロダクトが好きです。
得意なのは、事業の因数分解とデザインへの翻訳です。学生時代は数学が苦手で期末テストは毎回赤点でしたが、三角形の合同証明だけは妙に得意でした。バラバラの条件から共通項を見つけて、構造化して、論理を積み上げて結論を出す。あの作業の手触りが、いまのデザインの仕事と地続きだと感じています。
一方で、機能や意味の裏付けがない、見た目だけの美しさには興味が湧きません。ただし機能美には強く惹かれます。よく整備された地下鉄の路線図、品質管理の行き届いた工場、無駄のない手術用具……あれらの美しさと、デザインの仕事は同じ系譜だと思っています。
「選ばれ続ける」体験価値を創る
ここからは、これからやっていきたいことを書きます。まずは、デザインの仕事のスタンスについて。
「納品したら関係が切れる」のが、制作業界の標準モデルです。私はこのモデルを採らないと決めています。今まで議論した内容はすべて「仮説」に過ぎないからです。仮説がすべて正しいのなら、この世に「事業失敗」という言葉は存在しません。それが実証されるまで伴走するのが、デザインのあるべき姿だと思っています。
リリース時点を「ゴール」と思わない
リリース時点でわかっているのは、「自分たちが正しいと信じた仮説」だけです。それが正しかったかどうかは、ユーザーが触り始めてから初めてわかります。
たとえば、過去に関わったSaaSプロダクトのケース。リリース直後はオンボーディング完了率が想定を大きく下回りました。要因を探ると、初期設定画面の「業種を選択」のステップで離脱が集中していた。業種マスタが20種類以上あり、自分の事業がどこに入るかをユーザーが判断できなかったのです。リサーチ段階では見えなかった盲点でした。
ヒアリングで「カテゴリ分けが粗すぎる」というユーザーの声を拾い、業種マスタを再設計し、選択UI自体も「最も近いものを2つ選んでください」という形式に変えたところ、完了率は大きく改善しました。リリース時点ではこの修正は誰も思いついていなかった、というのがポイントです。
数字が出ない時こそ、デザインの仕事が始まる
この体験以降、「リリースして数字が出ない時こそ、本当の意味でデザインの仕事が始まる」という感覚を強く持つようになりました。数字は時に残酷な現実を突きつけてきますが、その現実と向き合い続ける姿勢こそが、長期で機能するプロダクト・サイトを作るために必要だと思っています。
中長期で事業に伴走し、数字を動かすところまで責任を持つ。そういう関係を結べる仕事を、これからも増やしていきたいです。
集客とプロダクト体験を、ひとつの設計で繋ぐ
アームではWebサイトとプロダクトの両方を請けています。これは器用貧乏なのではなく、明確な意図があります。
集客とプロダクト体験を分離して考える方が、むしろ不自然だと思っているからです。Webサイトでリードを集めて、プロダクトで使い続けてもらう。この一連の流れを「ユーザーが課題を解決できているか」という同じ評価軸で設計できる人は、まだそれほど多くありません。
業界の構造を見ると、Webサイト制作会社とプロダクトデザイン会社は、別の業界として分かれていることが多いです。前者はマーケティング起点、後者はエンジニアリング起点で、文化も評価指標も違います。両方を地続きで見られる立場は、AI時代にこそ価値が増していくと考えています。リサーチや実装の作業はAIで効率化できる時代になりましたが「集客から継続利用までを一貫して設計する」という統合的な思考は、AIには代替されにくい領域だからです。
ここを強みとして育てていきたいです。
業界の流れに対する、自分なりの応答
これからやりたいことの話ばかりではなく、これからもこうしないと決めていることもあります。業界の流れの中で違和感を覚えていることをいくつか書きます。賛同を求めるものではなく、自分なりのスタンス表明です。
「派手さ」が成果と混同される風潮
Webデザインの業界では、アワード受賞や派手な演出が「良いデザイン」の指標として語られがちです。これらが事業成果に繋がる場合もあれば、繋がらない場合もある、というのが正確だと考えています。
派手な演出は、サービスの世界観を伝える有効な手段になることもあります。ただ、それを「デザイナーの腕の見せ所」として最優先する文化には違和感があります。実際、自分のサイト(aaam.jp)の数字を毎日眺めていると、制作者が力を入れがちな要素と、ユーザーが反応している要素には明確な乖離があります。派手な演出は思われているほど見られていません。ユーザーは情報を探しに来ている、あるいは目的を果たしに来ている。
私は、ユーザーの目的が最短距離で達成されることのほうを優先します。装飾を増やすより、減らす方向で考えるほうが好きです。
「AIで安く・早く」の単純化
AI普及で、業界には「AIで従来の半額」「AIで工数削減」を訴求する流れが出ています。作業時間が短くなったのは事実です。アームでも、ワイヤーフレームの叩き台、競合リサーチの一次整理、ライティングの初稿……こうした作業は確実に時短されています。
ただ、それを「料金を下げる材料」として使うかどうかは別の話です。アームでは、AIで短縮された時間を対話と深掘りに再投下しています。お客様へのヒアリングを長く取る、ユーザー検証の回数を増やす、デザインレビューの議論時間を増やす。AIで早く形にできるからこそ、「何を作るかを考える時間」にAIで生まれた時間を全部使う、という方針です。
AIは時短のための道具ではなく、より深く考えるための時間を作る道具です。
「制作して終わり」のビジネスモデル
業界には、初期費用を低く設定し、月額の保守費用で長期回収するビジネスモデルが広く存在します。データ譲渡条項がない、独自CMSで乗り換えられない、解約に違約金がかかる……いわゆるロックイン構造です。
アームはこの構造を採りません。長期で機能する契約構造を、お客様の事業特性に合わせて都度擦り合わせることを基本にしています。「縛らない」「途中で他社にも乗り換えられる」を契約段階から確保しておくのが、アームの方針です。
縛らないからこそ、選ばれ続ける。これが目指したい関係です。
個人スタジオという働き方の、これから
最後にアームという働き方そのものについて。
スケールアップを目的にしない
組織を大きくすると、案件を回すための仕事が増えます。営業、採用、マネジメント。それぞれが大事な仕事なのは理解しているつもりですが、自分がプレイヤーとして手を動かす時間は確実に減ります。それは独立する前から、自分の望む未来ではないと決めていました。
スタジオを大きくすれば、抱えられる案件は増えます。ただし、その分だけ一案件あたりの解像度は下がりますし、お客様との距離も遠くなります。私が大切にしている「事業の文脈に踏み込む」「数字に責任を持つ」という関わり方は、規模が大きくなるほど維持しづらくなるのが現実です。
スケールアップではなく、スケールディープへ
代わりに目指したいのは、深く関わる仕事の解像度を上げ続けることです。同じ案件数でも、5年前より2倍深く関われているかどうか。同じお客様でも、毎年新しい角度で貢献できているかどうか。これがアームの成長指標だと思っています。
横に広げるのではなく、縦に深める。「スケールアップ(拡張)」ではなく、「スケールディープ(深化)」と呼んでもいいかもしれません。
信頼できるパートナーと、その都度組む
ただ、一人で全てを抱えるつもりもありません。動画、3DCG、ライティング、エンジニアリング……アームの守備範囲を超える領域は、信頼できるパートナーと案件ごとに組みます。
組織として固定メンバーを抱えるのではなく、プロジェクトごとに最適なチームを編成するやり方です。これはAI時代の個人スタジオの、現実的な働き方の一つの形だと思っています。それぞれが自分の専門領域を深めながら、必要に応じて集合する。固定費を抱えない、関係性に縛られない、それぞれの成長を阻害しない働き方です。
今後もやらないこと
最後に、変わらず「やらないこと」も並べておきます。
- 人を増やすことを目的にした採用:必要な人と組むことはあっても、組織拡大を目標にはしません
- テンプレート型の量産受注:ページあたり単価で機械的に作る案件は、アームの提供価値と合いません
- 下請け・多重代理業界での再従事:自分のデザインがどう届いたかが見えない構造には、もう戻りません
- 「とりあえず作る」案件:何のために作るかが言語化される前に手を動かすと、後で必ず作り直しになります
- 派手さだけが評価軸の案件:成果に繋がらないアワード狙いの仕事は、優先順位が低いです
結局のところ、何をしている人なのか
ここまで長く書きましたが、結局アームの伊藤がやっているのは「お客様の事業の課題を、デザインで解く」この一点のみです。
Webサイトやプロダクトは手段で、目的は事業課題の解決です。だから関わる期間は短期では終わらず、リリース後の数字に向き合うところまで含めて仕事だと思っていますし、表現の派手さよりも構造の正しさを優先します。
派手な装飾よりも、構造を。短期の納品よりも、長期の伴走を。スケールアップよりも、スケールディープを。これがアームのこれからのあり方です。
プロダクトの売上を最大化させるUI・UXデザインならアームにお任せください

代表
伊藤 悠希
愛媛出身、東京在住。複数の制作会社でオンスクリーン領域のデザインを経験後、屋号「aaam(アーム)」で独立。スタートアップを中心にデザイン支援を行う。
1
総プロジェクト数
100
+
業種・規模を問わず100件以上のプロジェクトを経験。初めての業界でも、過去の知見から最適な設計を提案できます。
※数字は、アームとして独立する前の期間も含めています。
2
業界歴
9
年
Web制作・UIデザイン領域で9年の実務経験。設計だけでなく、公開後の運用・改善まで見据えた提案ができます。
※数字は、アームとして独立する前の期間も含めています。
3
伝言ゲーム
0
回
ディレクター不在の一気通貫体制。課題を直接聞いたデザイナーが設計・制作するため、要件のズレや手戻りが起きません。