
アーム代表の伊藤です。
制作会社に「FramerとStudio、どちらにしますか」と聞かれた。比較記事を何本読んでも決まらない。決めたあとで広報のメンバーが画面を開いて固まったり、半年後に「やっぱり」が作り直しになったりしたら、困るのは自分です。
FramerとStudioの選定は、機能の優劣ではなく誰がどれくらいの頻度で何を更新するかで決まります。両方を実案件で使ってきた立場でその決め方を渡します。決めたあとに乗り換える道は作り直ししかなく、抜け道が1つできたのは2026年9月のことです。
FramerとStudioはどっちを選ぶか。誰が更新するかで決まる
- 海外向け多言語ならFramerが一択
- 更新者が多いならStudioが有利
- 1人運用なら料金差は月数百円
比較表を眺める前に、自分の状況に合う行を見つけてください。迷うなら「誰が更新するか」だけで決めて構いません。
状況 | 選ぶほう |
|---|---|
動きのある表現で選ばれたい | Framer |
海外向け・多言語で出す | Framer |
更新する人が多い・増える | Studio |
非デザイナーが更新する | Studio |
1人で堅実に発信する | どちらでも |
理由は料金・機能・更新体制の3つに畳めます。料金は1人なら月900円の差で、編集者が増えるほど開きます。機能はFramerが3D・シェーダーとAI翻訳の対応範囲で広い。Studioはサイトプランに人数課金がなく、操作画面からサポートまで公式の日本語。アクセスの波が読めないサイトもStudioが安全です(Framerは帯域幅に上限、Studioは2026年7月に上限を廃止)。両公式ページの機能差と料金(2026年9月18日確認)をもとにしたアームの判断です。
行が決まらないなら、次の3つの質問に順に答えてください。比較表を眺めるより確実に決まります。
公開後にエディタを開くのは誰か
決めるのはデザイナーなのに毎週触るのは広報です。Framerの操作画面は標準では英語で、デザイナーなら慣れの問題ですが、非デザイナーには英語というだけで心理的な壁になります。
エディタの表示を日本語にするChrome拡張「Framer Japanese Localization」はあります(Chrome ウェブストア「Framer Japanese Localization」・v1.0.1・2026年3月1日更新)。ただし個人提供で公式の拡張とは明示されておらず、訳すのはエディタの表示まで。ヘルプやサポートまで日本語が要るなら、公式に日本語で完結するStudioです。
更新を触る人 | Framer | Studio |
|---|---|---|
デザイナーだけ | 慣れの問題 | 公式に日本語 |
広報・人事も触る | 英語UIが壁 | 公式に日本語 |
サポートも日本語 | 拡張は画面まで | 日本語で完結 |
ノーコードでも覚える時間は要ります。公開されている相談には、Studioで深夜まで苦戦して教えてくれる人を探す声があります。本業の合間にしか触れない人に任せると、習得の途中で更新が止まります。
月1回か週数回か
月1回のお知らせ程度ならどちらでも回ります。週数回ブログを書く、採用情報を頻繁に入れ替えるなど更新が事業の一部なら、日本語のCMSと人数無制限のStudioが有利です。
CMSは両方にあります。上限はFramer Proがコレクション10・アイテム2,500、Studio Businessがモデル10・公開アイテム5,000。動的な見せ方の自由度はFramerが上回ります。
更新の頻度 | 向くほう |
|---|---|
月1回のお知らせ | どちらでも |
週数回のブログ・採用 | Studio |
多言語を同時に更新 | Framer |
動きで差をつける必要があるか
動きで選ばれたいならFramerです。プロトタイピング由来のツールなので、細部までコードなしで作り込めます。情報が整理されて伝わることが最優先なら、どちらでも実現でき、コストと運用のしやすさで決めれば足ります。
ただし差は縮まっています。Studioは2026年4月9日の「Scroll Effect」でパララックスとスクロール連動が標準機能になりました(Studio公式 What's New「Scroll Effect」)。Framerも2026年4〜5月にLogo Shaders・Spectrum・Crystalと表現系の機能を出し続けています(Framer公式 Updates・2026年8月時点)。
作りたい表現 | Framer | Studio |
|---|---|---|
情報を整理して伝える | 実現できる | 実現できる |
スクロール連動 | 得意領域 | 2026年4月〜 |
3D・シェーダー | 対応範囲が広い | 標準では難しい |
3つに答えてもまだ決まらないなら、要件がまだ言葉になっていないサインです。その状態でツールを先に決めると、乗り換えで払い直します。月額の差は1人なら月900円ですが、編集者を1人招待した瞬間に、その差はひっくり返ります。
FramerとStudioの料金差。1人なら月900円、人数が増えると開く
- 編集者が増えるほどStudioが有利
- Framerの返金は7日・Studioは返金なし
- AI翻訳の多言語運用はFramerだけ
月額の数字より契約したあとに開く差です。自分の状況に関係ない項目は飛ばして構いません。
この記事の料金表記について
金額は2026年9月18日確認時点の両公式料金ページによる年払い時の月額です。Framerは日本からアクセスしたときに表示される円建て額で、ドル価格の102.7倍で固定された実勢レートではない数字ですが、請求も同じ円額で立ちます(決済画面で確認・2026年9月18日)。
編集者が増えるほど差が開く
1人なら差は月900円です。法人サイトの実務ラインでFramer Proは月3,081円、Studio Businessは月3,980円。ところがFramerは編集者を招待した瞬間から1人ごとに月1,027〜2,054円が乗り、Studioはサイトプラン側に人数課金がありません。
複数人で編集する土台は、Framerが無料ワークスペースなら3名まで無料、StudioはワークスペースのTeamプランが1名月1,450円・最低3名から。比べるのは月額ではなく、1年分の運用体制です。
編集者が増えたら | Framer | Studio |
|---|---|---|
人数ぶんの追加費用 | 月1,027円〜/人 | 人数課金なし |
編集の土台 | 無料で3名まで | Team月1,450円〜 |
アクセスが跳ねたときとやめたいとき
採用ページがSNSで跳ねた月に、請求が変わるのはFramerです。月間帯域幅はBasic 50GB・Pro 100GBで、超過は1ヶ月の猶予のあと上位プランか従量課金。Studioは2026年7月2日に全プランで月間アクセス数の上限を廃止しました(公式What's New)。
返金は正反対です。Framerは購入から7日以内(EU・トルコは14日)なら返金対象、Studioは誤ってアップグレードしても返金に応じません(Framer公式ヘルプ「Refund policy」・2026年9月18日確認)。アドオンの単価や解約手順まで含めた総額は、Framerの料金プラン│表に載らない5つの罠と、貴社に合うプランの選び方とStudioの料金プラン│公式の表に載らない8つの落とし穴と、損しない選び方にまとめています。
起きたこと | Framer | Studio |
|---|---|---|
アクセスが上限超え | 上位プランか従量 | 上限なし |
契約直後にやめたい | 7日以内は返金 | 返金なし |
多言語をAI翻訳で回せるのはFramerだけ
英語圏を狙う多言語サイトをAI翻訳で運用できるのは、現時点でFramerだけです。AIエージェントによるページ生成・編集も速く、Proには月3,000クレジットが含まれます。
Studioも止まっていません。Editor 5.0の発表で画像編集・文章生成・レスポンシブ補完・レイヤー名の一括変更の4機能を正式提供(2025年11月25日)。設計を支えるStudio.Assistantは2025年12月にベータ版として発表され、2026年9月7日に正式版へ移行しました(Starter月19,800円〜の有料アドオン・本体とは別契約)。AI機能は変化が速いので、重視するなら契約前に両公式サイトで最新情報を確かめてください。
AI活用 | Framer | Studio |
|---|---|---|
ページの生成・編集 | AIエージェント | Editor5.0で4機能 |
AI翻訳で多言語運用 | Framerだけ | 標準では非対応 |
設計を支えるAI | 専用機能未確認 | Assistant正式版 |
FramerとStudio比較表
- Framerは編集者ごとに月額が増える
- Studioは月3,980円で人数課金なし
- 多言語はFramerのみアドオンで対応
法人サイトでよく比較されるプラン帯(Framer Pro・Studio Business)を並べています。表現とAIと多言語のFramer、公式日本語と人数課金なしのStudioに集約されます。
比較項目 | Framer | Studio |
|---|---|---|
操作画面 | 英語(拡張で日本語化) | 日本語(公式) |
料金(年払い) | 月3,081円+人数課金 | 月3,980円・人数課金なし |
多言語対応 | AI翻訳アドオン | 標準では非対応 |
アクセス上限 | 帯域幅50GB〜 | なし(2026年7月〜) |
サポート | 英語中心 | 日本語チャット |
「合わなければ乗り換えればいい」は半分誤解
- 移行機能はなく乗り換えは作り直し
- Studio.Dropは189ページを12分で複製
- 離れるときは検索登録も引き継ぎ対象
FramerとStudioのどちらにも、プロジェクトを相手のツールへ読み込む移行機能はありません(2026年8月時点・両公式サイトの機能情報より)。アームの実案件でも、乗り換えはテキストと画像を流用しながらの作り直しです。ツール選定は「賃貸の引っ越し」ではなく「注文住宅の建築」に近い。更地にして建て直せますが費用も時間もかかります。いまのサイトを社内で触れない、名義が分からないという理由で乗り換えを考えているなら、作り直さずにFramer・StudioのSEO対策で済むことがあります。
前提を一部変えたのは2026年9月1日、Studioが公開済みサイトをURLから読み込んで複製する別プロダクト「Studio.Drop」を発表したことです。プロジェクトの移行ではなく、運用中のサイトをURLから取り込む仕組みです。いまは招待制のクローズドベータですが、作ったサイトをDropへ移して運用を続ける第三の道が生まれつつあります。アームの自社サイトは189ページが約12分で複製できました。FramerとStudio本体の間で相互に読み込めないこと自体は、変わっていません(2026年9月時点)。
どちらかのツールから完全に離れるときは、検索エンジンへの登録状態も引き継ぎ対象です。公開されている相談には、ノーコードツールから別の基盤へ移してSearch Consoleのインデックス登録が外れた報告があります。URLの構造やタグの実装が変わると、Googleに再度認識されるまで時間がかかります。公開前にURLの一覧とmetaタグの差分を確かめてください。
迷ったときの進め方
- 要件は目的・体制・予算から逆算
- まず1ページで公開し更新を体感
- 乗り換えの失敗コストを最小化
要件から逆算して選ぶ
「Framerで作りたい」というご相談でも、要件を聞いた結果Studioをご提案することがあり、逆もあります。目的・更新体制・予算から逆算すれば、ツールはほぼ自動的に決まります。決まらないときは要件のほうを先に固めます。
小さく検証して広げる
どちらも小さく始められます。迷っているなら、まず1ページのLPや採用ページ単体で作って公開し、更新のしやすさを体感してからサイト全体に広げてください。
よくある質問
SEO対策はどちらでもできますか?
できます。どちらもタイトル・ディスクリプション・OGP・サイトマップの基本機能を備え、Studioは2026年6月11日に公開サイトの基盤を刷新して表示速度と読み取りやすさを改善しています(Studio公式 What's New・2026年6月11日)。新基盤は発表日以降の新規プロジェクトへ自動適用。既存プロジェクトは自動では切り替わらず、設定からいつでも切り替えられます(旧基盤へ戻せるのは2027年1月末までの予定)。検索順位を決めるのはコンテンツと情報設計で、ツール差は決定打になりません。
ノーコードツールは、経験がなくても本当に自分で更新できますか?
基本操作は覚えられますが、習得には一定の時間がかかります。最初の1〜2ページは時間を確保できる人が触り、慣れてから他のメンバーに広げる進め方が安全です。
制作会社に依頼する場合、どちらのツールを指定すべきですか?
指定しないほうが良い結果になります。目的・更新体制・予算・表現レベルを伝えたうえで、制作会社に提案してもらってください。複数ツールを比較して提案できる会社のほうが、選定の納得感も高いです。
FramerとStudioの選定は、機能でなく更新体制が決めます
- 機能でなく誰がどの頻度で何を更新するかで選ぶ
- 動き・多言語ならFramer/非デザイナーが更新するならStudio
- 決める前に更新する人へ両方を1時間ずつ触ってもらう




