Studio制作会社の選び方|費用相場と4つの判断基準、依頼の流れ
アーム代表の伊藤です。
ここ数年、Web制作の現場で「Studioで作ってほしい」というご相談が目に見えて増えました。ノーコードツールとしてStudioが広く知られるようになった一方で、「Studio対応」を掲げる制作会社も急増しています。その結果、発注する側には「どの制作会社に頼めばいいのか分からない」という新しい悩みが生まれています。
結論から先に。Studio制作会社選びで最初に決めるべきは、金額の比較ではなく「設計から任せるか、構築だけを頼むか」です。この記事では、Studio制作会社の探し方と費用相場、依頼から公開までの流れ、そして失敗しないための判断基準を、Studioを実案件で使い続けているデザインスタジオの立場から整理します。
こんな方におすすめのコラムです
- StudioでのWebサイト制作を制作会社に依頼したいが、選び方が分からない方
- Studio制作会社の費用相場を知ってから外注を検討したい方
- ノーコードでのサイト制作を、自社で作るか制作会社に代行してもらうか迷っている方
- 過去にWeb制作の外注で「思っていたものと違う」と失敗した経験がある方
- 公開後の更新や運用まで見据えて、Studioでのサイト構築を考えている方
Studio制作会社とは
Studio制作会社とは、ノーコードWeb制作ツール「Studio」を使ったWebサイト制作を代行する会社のことです。
Studio(※日本発のノーコードWeb制作プラットフォーム。コードを書かずにWebサイトのデザイン・公開・運用ができる)は、自分でも触れることが魅力のツールですが、実務レベルのサイトを作るには情報設計・デザイン・ライティングの知識が必要です。そこで「ツールはStudioを使いつつ、設計と制作はプロに任せる」という依頼の形が広がっています。
Studioは、東京商工リサーチの調査で「ノーコードCMS 国内利用数No.1」になったと公式発表されており(出典: Studio公式 What's New(2026年4月))、大企業や官公庁のWebサイトにも採用が広がっています。ツールとしての信頼性を心配する段階は、もう過ぎたと言ってよいでしょう。StudioのAI機能を実際の制作で検証した一次情報は、Studio.Assistantの実力と限界 デザイナー2人の本音レビューにまとめています。
またStudioの運営元は「Studio Experts」という公式のパートナー制度を用意しており、審査を通過したWeb制作代行会社・フリーランスをStudio Expertsの公式ページから探せます。公式ページによると、加盟事業者は200社以上、Expertsによる制作実績は3,000件、平均顧客満足度は4.9/5.0(2026年7月時点)。予算感・納期・得意業種で絞り込めるので、Studio制作会社の候補探しの起点として便利です。
通常のWeb制作会社と何が違うのか
大きな違いは、制作物が「コード」ではなく「Studio上のプロジェクト」として納品される点です。公開後の文言修正や画像差し替えを、発注側が管理画面から直接行えるのが特徴です。
従来型のWeb制作会社 | Studio制作会社 | |
|---|---|---|
納品物 | HTML/CSS等のコード一式 | Studioプロジェクト |
公開後の軽微な更新 | 制作会社に都度依頼が基本 | 自社で直接編集できる |
サーバー・保守 | 別途契約・保守費が必要な場合が多い | Studioのプラン費用に含まれる |
制作期間 | 比較的長め | 比較的短め |
向いているケース | 大規模・特殊要件のサイト | コーポレート・採用・LP等の中小規模サイト |
「コーディング費用がかからない分だけ安く・早く作れる代わりに、Studioの機能の範囲内で作る」というトレードオフを理解しておくと、後のStudio制作会社選びがぶれません。
Studio制作会社の費用相場
Studioの制作代行にかかる費用は「どこまで任せるか」でほぼ決まります。先にお断りしておくと、この領域には業界共通の定価や公的な統計が存在しません。正確な金額を知る唯一の方法は、要件を固めて複数のStudio制作会社から見積もりを取ることです。
参考として、アームが公開しているWeb制作の料金ガイドから、戦略設計・情報設計込みでStudio/Framer制作を依頼した場合の公式料金を示します。
依頼内容(Studio/Framer制作) | ページ規模 | 料金(税別) |
|---|---|---|
LP制作 | 1ページ | 35万円〜 |
小規模Webサイト制作 | 5ページ前後 | 60万円〜 |
中規模Webサイト制作 | 10〜15ページ | 80万円〜 |
この金額には、戦略設計・情報設計・ワイヤーフレーム作成、UIデザイン、実装・CMS構築、公開後1ヶ月の軽微な修正対応までが含まれます(原稿執筆・撮影・多言語対応などは別途)。
市場にはこれより安い見積もりも高い見積もりも存在しますが、価格差の正体は多くの場合、手抜きかどうかではなく「設計にどれだけ時間をかけるか」の差です。テンプレートを活用して構築だけを依頼すれば安くなり、事業を理解した設計から任せれば高くなります。ページ構成やテキストを発注側が用意するのかどうかでも、工数は数倍変わります。
また、制作費とは別にStudioのプラン利用料がかかります。法人サイトであれば月額3,980円(Businessプラン・年払い時)からが目安で、詳細はStudio公式の料金プラン(2026年7月時点)で確認できます。従来型の制作で発生しがちなサーバー保守費と比べると、ランニングコストが見通しやすいのはStudioの利点です。2026年7月には全プランで月間アクセス数の上限が廃止されたため(出典: Studio公式 What's New(2026年7月))、アクセス増による想定外の追加費用も心配ありません。
自社の要件だと費用がどのくらいになりそうか、見積もりを取る前に当たりをつけたい方は、要件の整理からで構いませんのでStudio制作の費用感について相談するからお気軽にどうぞ。
Studio制作会社の選び方。4つの判断基準
Studio制作会社選びはここが本題です。安さや実績数だけで選ぶと失敗しやすいので、次の4つの判断基準を順に確認することをおすすめします。
基準1: 実績を「見た目」ではなく「何を解決したのか」で見る
実績ページを見るとき、デザインの美しさだけで判断しないことをおすすめします。見た目のテイストは確認事項のひとつに過ぎません。注目すべきは、各実績に「どんな課題があり、なぜこの設計にしたのか」という意図の説明があるかどうかです。戦略や成果への言及がある会社は、デザインを目的ではなく手段として扱える会社です。逆に、美しいWebサイトが並んでいるだけのポートフォリオからは、事業の成果につながる設計力までは読み取れません。業種の近い実績があれば、業界理解の面でもスムーズです。
基準2: 情報設計から任せられるか、構築だけの会社か
Studio制作会社には、大きく「戦略・情報設計から伴走するタイプ」と「支給されたデザインを構築するタイプ」があります。どちらが上という話ではなく、依頼側の状態次第です。サイトの目的や構成がすでに固まっているなら構築型で十分ですし、「問い合わせを増やしたいが何を載せるべきか分からない」段階なら、設計から考えてくれるStudio制作会社を選ばないと、きれいなだけで成果の出ないサイトになります。
基準3: 公開後の運用・更新を設計してくれるか
Studioの最大の利点は、公開後に自社で更新できることです。ところが、その利点を活かせる作りになっているかは制作会社の設計力に依存します。CMS(※ブログやお知らせなどのコンテンツを管理・更新する仕組み)の構造が実際の更新フローに合っているか、更新マニュアルやレクチャーが提供されるか、公開して終わりではなく改善の相談ができるか。見積もり段階で「公開後、誰がどこを更新する想定ですか」と聞いてみると、そのStudio制作会社の運用への意識がよく分かります。
基準4: 誰が作るのか、体制を確認する
見落とされがちですが、実際に手を動かす人が誰かは品質を左右します。営業とディレクターとデザイナーが分かれている体制では、要望が伝言ゲームのように伝わる過程で少しずつずれていきます。担当デザイナーと直接話せるか、打ち合わせに制作者本人が出てくるかは、確認しておいて損がありません。
Studio制作会社への依頼から公開までの流れ
Studioでのホームページ制作を依頼した場合の、一般的な流れです。
ステップ1: 問い合わせ・要件のヒアリング
Webサイトの目的、想定ページ数、参考サイト、予算感、希望時期を伝えます。この段階で目的(例: 採用応募を増やしたい、問い合わせを増やしたい)を共有できると、提案の精度が上がります。
問い合わせの時点で次の5つが整理されていると、見積もりが速く正確になります。すべて埋まっていなくても、「決まっていない」と伝えること自体に価値があります。
伝える項目 | なぜ必要か |
|---|---|
サイトの目的(何を増やしたいか) | 構成・導線の提案の起点になる |
想定ページ数・必要な機能 | 費用の大枠が決まる最大要因 |
テキスト・写真素材の有無 | 制作範囲と期間を左右する |
予算の上限目安 | 提案の選択肢を現実的な範囲に絞れる |
公開希望時期 | 逆算スケジュールの実現性を判断できる |
ステップ2: 見積もり・提案の比較
Studio制作会社2〜3社から提案と見積もりをもらい、金額だけでなく「何を根拠にこの構成を提案しているか」を比べます。ヒアリングが浅いまま出てきた見積もりは、後から追加費用が発生しがちです。
ステップ3: 設計・デザイン・Studioでの構築
サイトマップとワイヤーフレーム(※ページの設計図。どこに何を配置するかの骨組み)で構成を固め、デザインを経てStudio上で構築します。中間段階でプレビューURLを共有してもらえるのがStudioの利点で、実際の動きを見ながら修正できます。
ステップ4: 公開・運用レクチャー
独自ドメインを接続して公開し、更新方法のレクチャーを受けます。ここで更新手順を確認しておかないと、「自社で更新できるはずが、結局触れない」という本末転倒が起きます。
Studio制作会社選びでよくある失敗
金額の安さだけで選んでしまう
Studio案件は価格の幅が広いため、最安値の制作会社に流れがちです。ただ、安い見積もりは多くの場合「設計工程を含まない」金額です。テキストも構成も自社で用意する前提だったと後から気づき、結局進まなくなるケースをよく見かけます。
テンプレートありきの制作だと知らずに契約する
テンプレートをベースにした制作自体は、速度と費用の面で合理的な選択肢です。問題は、オリジナルデザインだと思っていたらテンプレート流用だった、という認識のずれです。契約前に制作方法を確認しましょう。
公開がゴールになってしまう
Webサイトは公開してからが本番です。公開後の更新体制を決めないまま納品されると、情報が古いまま放置され、せっかくの投資が数年で陳腐化します。
よくある誤解: 「Studioなら誰に頼んでも安く同じものができる」
これは誤解です。実際には、同じStudioというツールを使っても、成果物の品質は設計者の力量で大きく変わります。
Studioはあくまで道具です。包丁が同じでも作る人で料理が変わるのと同じで、ツールが制作の質を保証してくれるわけではありません。特に情報設計と導線設計、つまり「誰に、何を、どの順番で見せて、どこに誘導するか」は、ツールの機能とは無関係の専門領域です。Studioをはじめとするノーコードの制作会社を比較するときは、ツールの習熟度よりも、この設計力を見ることをおすすめします。
アームのStudio制作の考え方
アームもStudioを実案件で使い続けている立場なので、私たちの考え方を参考までに書いておきます。
ツールの選定から中立に考える
アームはStudioとFramerの両方を実案件で扱っており、案件の要件によってはStudio以外を提案することもあります。更新頻度・多言語対応・アニメーション要件などを聞いたうえで、Studioが最適ならStudioを使う、という順番です。2つのツールの選び分けは、FramerとStudioはどっちを選ぶ?料金・機能・更新体制で比べる判断基準で詳しく整理しています。ツールが先に決まっている場合も、その前提で最適な設計を組みます。詳しくはアームのStudio/Framer制作サービスをご覧ください。
デザインと情報設計を一体で見る
見た目のデザインだけを差し替えても成果は変わりません。事業の強みを因数分解し、ページ構成と導線に翻訳したうえでデザインに落とす。アームはこの一連を1人のデザイナーが通しで担当します。ディレクター不在の一気通貫体制なので、要件が伝言ゲームでずれることがありません。
公開後に育てられる形で納品する
Studioの価値は公開後にこそ出ます。CMSの構造を実際の更新担当者のリテラシーに合わせて設計し、どこを触ればいいかが分かる状態で納品する。「渡して終わり」にしないことを大切にしています。
よくある質問
Q. Studioでのホームページ制作にはどんなデメリットがありますか?
Studioの機能の範囲内でしか作れないため、大規模なシステム連携や特殊な機能実装には向きません。また、サイトのデータはStudio上にあるため、他の環境へそのまま移転することはできません。コーポレートサイトや採用サイトなど、情報発信が主目的のサイトであれば、デメリットより制作スピードと運用のしやすさの利点が上回るケースが多いです。
Q. Studio制作会社への依頼費用はいくらくらいですか?
設計から任せる場合、アームの公式料金ではLP1ページで35万円〜、5ページ前後の小規模サイトで60万円〜、10〜15ページの中規模サイトで80万円〜です(税別)。依頼範囲や会社によって変わるため、複数社での見積もり比較をおすすめします。別途、Studioのプラン利用料(法人サイトは月額3,980円・年払い時〜)がかかります。
Q. 制作期間はどのくらいかかりますか?
LPで2週間〜1ヶ月、コーポレートサイトで1〜3ヶ月程度が一般的です。コーディング工程がない分、従来型の制作より短く済む傾向があります。素材やテキストの準備がボトルネックになりやすいので、早めに着手するのがおすすめです。
Q. 公開後は自分たちで更新できますか?
できます。Studioは管理画面からテキストや画像を直接編集でき、お知らせやブログはCMSで追加できます。ただし更新しやすさは制作時の設計に依存するため、依頼時に「公開後に自社で更新したい」と伝えておくことが重要です。
Q. Studio Expertsとは何ですか?
Studio公式の制作パートナー認定制度です。制作実績などの審査を通過した制作会社・フリーランスが加盟しており、公式サイトから予算感や得意領域で検索できます。候補探しの起点として有用ですが、最終的には実績の中身(課題解決の意図)や設計力を個別に確認して選ぶことをおすすめします。
Q. 自社で作るか外注するか迷っています。判断基準はありますか?
「サイトに求める成果の大きさ」で判断するのがおすすめです。名刺代わりのシンプルなWebサイトで良ければ、ノーコードのテンプレートを使って自社で作るのも合理的です。採用や問い合わせ獲得など事業成果を求めるなら、情報設計の専門性が効くためStudio制作会社に外注する価値があります。
Studio制作会社の選び方のまとめ
Studio制作会社選びの要点を整理します。費用相場は依頼範囲で大きく変わるため、金額の比較より先に「設計から任せるのか、構築だけを頼むのか」を自社の中で決めること。そのうえで、実績から読み取れる課題解決の意図、情報設計力、公開後の運用設計、制作体制の4つの判断基準で候補のStudio制作会社を比べることです。
Studioは優れたツールですが、Webサイトの成果を決めるのは設計する人です。まずは候補のStudio制作会社に「公開後、誰がどこを更新する想定か」と聞くところから始めてみてください。その回答に、各社の実力がよく表れます。
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代表
伊藤 悠希
愛媛出身、東京在住。複数の制作会社でオンスクリーン領域のデザインを経験後、屋号「aaam(アーム)」で独立。スタートアップを中心にデザイン支援を行う。
1
総プロジェクト数
100
+
業種・規模を問わず100件以上のプロジェクトを経験。初めての業界でも、過去の知見から最適な設計を提案できます。
※数字は、アームとして独立する前の期間も含めています。
2
業界歴
9
年
Web制作・UIデザイン領域で9年の実務経験。設計だけでなく、公開後の運用・改善まで見据えた提案ができます。
※数字は、アームとして独立する前の期間も含めています。
3
伝言ゲーム
0
回
ディレクター不在の一気通貫体制。課題を直接聞いたデザイナーが設計・制作するため、要件のズレや手戻りが起きません。