コーポレートサイト制作
信頼が伝わる、コーポレートサイト制作。
アーム代表の伊藤です。何の会社か伝わらない原因は、コピーやデザインではなく、事業を横並びに並べる情報設計にあります。立て直しの軸は、中核事業を決めて階層をつくり、読者を3層に絞って動線を分け、何の会社かを15〜30字の1文で言い切ることです。このページでは、訴求が散らかる4つの典型パターンと、情報設計からサイト構造に落とし込む4ステップを整理します。
訴求の散らかりは、表面的なコピーやデザインの問題ではなく、サイト全体の情報設計に起因することがほとんどです。複数事業を持つBtoB企業で頻発する4つの典型パターンを整理します。
トップページや事業紹介ページに、複数の事業がフラットに並んでいるパターンです。読み手は「どれが主力で、どれが派生事業なのか」が分からず、会社の輪郭がぼやけます。
事業ABCを並べるのは社内の公平性としては自然ですが、外部の読み手にとっては「結局何の会社か」が見えなくなる構造です。中核事業と関連事業の階層構造を情報設計で再定義しないかぎり、訴求は散らかったままになります。
事業部や部署ごとにページを追加していった結果、サイトが組織図のレプリカになっているパターンです。事業部Aのページ、事業部Bのページ、新規事業のページがそれぞれ独立して並び、全体最適がされていません。
社内では「うちの会社は事業ごとに独立性が高い」と認識されていても、外部の読み手は会社全体を1つの主体として見ています。組織内の論理と読み手の認知のあいだに大きなギャップが生まれ、コーポレートサイト全体の訴求が伝わらない状態になります。
BtoB企業のコーポレートサイトには、見込み顧客、採用候補者、株主・投資家、メディア、既存パートナーなど、複数の読者が訪れます。それぞれ知りたいことは異なるはずですが、動線が分岐していないと、すべての読者に同じトップページを読ませることになります。
結果として「どの読者に向けても中途半端なページ」ができあがり、誰の心にも刺さらない訴求になります。誰に何を伝えるかを情報設計で切り分けることが、散らかりを解消する出発点です。
「何の会社か」を社内の誰に聞いても1文で同じ答えが返ってこない状態だと、Webサイトの訴求も自然に散らかります。経営層、営業、エンジニア、デザイナーで会社の説明が揃っていないなら、サイトに反映する以前の問題です。
BtoB ブランディングはWebサイトの仕事ではなく、サイトに反映する前段階の言語化の作業です。この前段階が抜けたままWeb制作に入ると、いくらデザインを刷新しても訴求が散らかった状態は再生産されます。
訴求の散らかりは、デザインのリフレッシュではなく情報設計のやり直しで解決します。コーポレートサイトを「何の会社か」が伝わる構造に変える4つのステップです。
最初に、自社の事業群を「中核事業」「中核を支える事業」「派生・実験的な事業」の階層で再分類します。複数の事業を持っていても、必ずどれか1つは会社のアイデンティティを担う中核があるはずです。それを社内で合意することが情報設計のスタートです。
たとえば、複数のレストランを運営する飲食企業を考えてみます。それぞれの店舗を均等に並べるサイトと、「私たちは○○を軸とした外食企業で、その理念のもとに各店舗を運営している」という構造で見せるサイトでは、印象がまるで変わります。階層構造を明示することは、ブランドの輪郭を明示することと同義です。
中核を決めると、サイトのファーストビューで何を語るか、ナビゲーションの順序、トップページのスクロール体験まで自動的に方向が定まります。逆に中核が決まらないまま設計を進めると、後工程で何度もやり直しが発生し、コーポレートサイトリニューアルの工期が延びる原因になります。
次に、サイトに訪れる読者を3層程度まで絞り込み、それぞれの動線を設計します。BtoB企業の場合、見込み顧客・採用候補者・既存ステークホルダーが代表的な3層です。
動線を切り分けるとは、各読者が「2クリック以内で自分向けのページに到達できる」状態を作ることです。トップページに「事業について」「採用情報」「投資家情報」といった入口を明確に置く、ファーストビューの直下に主要動線のリンクを配置するなど、具体策はいくつかあります。
ここで重要なのは、すべての読者に同じトップページを読ませようとしないことです。デパートのフロアガイドが「婦人服4階」「メンズ5階」と最初に提示するように、コーポレートサイトも入口で読者を分岐させる構造が、訴求の散らかりを防ぎます。
階層構造とターゲット動線が見えたら、「何の会社か」を1文で言い切るコアメッセージを作ります。ここがBtoB ブランディングの中核で、Web制作の前に決めておくべき項目です。
良いコアメッセージは「主語+誰のために+何を提供する+差別化の要素」の4要素を15〜30字程度で含みます。たとえば「私たちは○○業界の中堅企業のために、データドリブンな意思決定の基盤を提供する会社です」のような形です。
このコアメッセージは社内の経営層・営業・現場・新入社員の全員が同じ内容で説明できる状態を目指します。社内で揃わないままサイトに載せると、読み手にも揃って伝わりません。訴求の整理は、まず社内の言葉を整えるところから始まります。
ここまでの3ステップが揃って、ようやくコーポレートサイトの実装設計に入ります。サイトマップ、ナビゲーション、ファーストビュー、各ページの見出し構造を、これまでに整理した階層・動線・コアメッセージに沿って組み立てます。
このとき大事なのは、ページを「足し算」で増やすのではなく、「中核から派生させる」設計にすることです。新規事業や新しい採用情報を追加するとき、既存のサイト構造に組み込みやすい形で設計しておかないと、数年後にまた散らかります。
なお、コーポレートサイトとホームページの違いについては、ホームページが企業の総合的な案内を指すのに対して、コーポレートサイトは「企業そのもの」を伝える役割に特化したWebサイトを指すのが一般的です。情報設計の起点は「何の会社か」を伝えることなので、コーポレートサイトの方がこの記事の主題に近い概念だと考えてください。
情報設計の前後で、コーポレートサイトの構造はどう変わるか。代表的な観点で比較します。
観点 | 散らかったサイト | 整理されたサイト |
|---|---|---|
事業の見せ方 | 事業ABCをフラットに並列 | 中核事業を明示し、関連事業を従属配置 |
ターゲット | 全方位に同じトップページを見せる | 読者ごとに動線を分岐 |
ファーストビュー | 抽象的なビジュアルとキャッチコピー | 「何の会社か」を1文で明示 |
更新の主体 | 部門ごとにバラバラに追加 | 中央で情報設計を維持 |
「私たちについて」 | 沿革・代表挨拶・事業所一覧 | 何の会社で、誰のために、何を提供するかを冒頭で言い切る |
拡張性 | 新規事業のたびにメニューが肥大 | 既存構造に組み込める形で追加 |
情報設計はデザインの工程ではなく、デザインに入る前の「共通の地図づくり」です。この地図がないまま見た目だけリニューアルしても、訴求の散らかりは解消されません。
情報設計を起点にコーポレートサイトリニューアルを進める前に、社内で確認しておくべき項目をチェックリスト形式でまとめます。これらが揃っていないと、いざ制作に入ってから差し戻しが頻発します。
特に1番目と3番目は、情報設計の前提となる項目です。社内合意が取れていない状態で外部のWeb制作会社に発注すると、何度も方向性が揺れて、結果的に「散らかったままの新サイト」が出来上がります。発注前の社内整理に十分な時間を取ることが、訴求の整理されたコーポレートサイトに到達する近道です。
アームでは、コーポレートサイト構築の入口として、まず情報設計のワークから始めることが多いです。デザインに入る前に、中核事業の言語化、ターゲット動線の設計、コアメッセージの合意形成までを社内のキーパーソンと一緒に進めます。
複数事業を持つBtoB企業のコーポレートサイトリニューアルは、新築の家を建てる作業ではなく、既存の街区を再開発する作業に近いと考えています。既存の事業・既存の社内組織・既存のステークホルダーがすべて動いている状態で、サイトという「街の中心地」だけ整えるには、地形を読み解く力が要ります。アームは大規模な案件で複数事業の整理を経験してきた強みを活かして、組織の論理と読み手の認知のあいだに橋を架ける情報設計をご提供します。
サイトマップはサイトに含まれるページの一覧表のような成果物で、情報設計の最終アウトプットの1つです。情報設計はその前段にある考え方の枠組みで、「何を中核に置き、誰に向けて、どんな順序で伝えるか」を決める作業を指します。サイトマップだけ作っても、情報設計の意図がなければ訴求は整理されません。
ホームページは広い意味で企業の総合案内Webサイト全般を指す言葉として使われます。コーポレートサイトはその中でも「企業そのもの」を伝える役割に特化したサイトの呼び方です。サービスサイトや採用サイトと並列の位置づけで、企業の中核を表現する場所だと考えてください。訴求の整理を考える上では、コーポレートサイトの概念で議論する方が論点が明確になります。
BtoB ブランディングはより広い概念で、「自社が何者か」を社内外に伝えるすべての活動を含みます。ロゴ、トーン&マナー、社員のコミュニケーション、採用、広報なども含まれます。情報設計はその中で、特にWebサイトを起点とした情報の構造化・優先順位付けを担う領域です。BtoB ブランディングが先にあって、その一部としてWebの情報設計が機能するという順序で考えると整理しやすいです。
中規模のコーポレートサイトで、情報設計から公開まで3〜6ヶ月が目安です。情報設計の前段で社内合意が必要な場合、その期間を別に1〜2ヶ月見込んでおくと安全です。短期間でリニューアルしたい場合でも、情報設計の工程だけは省略せず、社内で握れている部分から順に着手することをおすすめします。
可能です。既存サイトのトップページとファーストビューだけを情報設計の見直し結果に沿って改修する、部分リニューアルというアプローチがあります。フルリニューアルに比べて期間とコストを抑えられる一方、サイト全体の構造的な散らかりが残る可能性はあります。短期で効果を出したい場合の選択肢として有効です。
無理に1回のミーティングで決めようとせず、複数のキーパーソンに対するインタビューを起点に、第三者がコアメッセージのドラフトを作成する方法をおすすめします。社内の関係性のなかでは言いづらい論点も、外部の情報設計担当者が間に入ることで言語化できることがあります。アームでも、まず複数のキーパーソンへのヒアリングからスタートするケースが多いです。
可能です。アームでは、情報設計だけ、ワイヤーフレームまで、デザイン込み、実装込みなど、フェーズごとの分割発注に対応しています。社内のWeb担当者がデザインや実装を内製している場合、情報設計だけを外部に依頼して、その後は内製で進める形も多くあります。
訴求が散らかったコーポレートサイトを「何の会社か」が伝わる状態に立て直すには、情報設計から見直すことが近道です。アームでは情報設計、コーポレートサイトリニューアル、BtoB ブランディングのご相談を承っています。