
アーム代表の伊藤です。
スタートアップから大手企業まで幅広い規模の案件に携わりながら、サイト制作からプロダクトUI、ブランディングまで包括的に支援しています。
先日、Studio seedを運営している原さんがStudio.Assistantを先行で触り、感想を聞かせてくれました。「Studio.Assistantは使いどころを選べば実務で有用」。その話に私自身の視点を重ねてまとめます。
Studio.Assistantの使用感、向いている案件と向いていない案件、生成クオリティの実態まで、実務者の目線で整理しました。「Studio.Assistantって実際どうなの?」に、この記事で答えます。
こんな方におすすめのコラムです
- Studio.Assistantの使用感・評価を、導入前に実務者の目線で知りたい方
- 検証LPやMVPサイトを、最短で形にする方法を探している方
- 一人で複数領域を担当するフリーランス・一人目デザイナーの方
- AIに任せていい案件と、人が作るべき案件の線引きを知りたい方
- Studio.Assistantの生成物が、そのまま納品できるレベルか気になる方
Studio.Assistantの結論だけ、先に置いておきます。
導入前に知りたいこと | この記事の結論 | 前提 |
|---|---|---|
何ができるのか | ヒアリングから情報設計・デザイン生成まで進め、最後はStudioエディタにエクスポートする | 対象はシングルページ。複数ページとCMS連携は未対応 |
どれくらい速いのか | 慣れれば70%まで10分弱。公式サイトの表記は「平均制作時間20分」 | 業種が単純なら10分、採用サイトの事例は45分 |
そのまま納品できるか | できない。残り30%はデザイナーが手を入れる前提 | コンテンツ差し替え・情報設計・トンマナ・レイアウトの細部 |
いくらかかるのか | Beta版のため料金は非公開。毎月かかるのはStudio本体の料金プラン | LP1枚ならMini(年払いで月額590円)でも公開できる |
ただし、Studio.Assistantの評価は案件の性質で反転します。速度が正解になる場面と、いまはまだ人が引き取るべき案件の線引きを、ここから順に見ていきます。
この記事の時点情報について
公開から半年が経ったため、Studio.Assistantの提供状況・機能・料金を2026年8月2日に公式サイトで確認し直し、本文に反映しています。Beta版のため、料金や機能は今後変わる可能性があります。
Studio.Assistantとは?料金・導入方法
Studio.Assistantは、Studioが提供するAI搭載の制作支援ツールです。公式の位置づけは「AI搭載のWeb制作OS」。
Studio.Assistantはヒアリング情報をもとに情報設計を提案し、ワイヤーフレームとデザインを自動生成して、最後はStudioエディタにエクスポートします。
Studio.Assistantのサイトにはこうあります。「それっぽいものなら、誰でも作れる時代に、あなたはAIと共に、ホンモノを作ってください」
AIが下地を作り、人間が仕上げる。Studio.Assistantの設計思想がそのまま出ている一文です。
2026年8月時点で公開されている機能
公式サイトに掲載されている機能を、制作の流れの順に並べておきます(2026年8月2日閲覧)。
- ヒアリング: チャットまたはフォームでの要件整理、ヒアリングシートのCSVエクスポートとインポート
- ドラフト作成: 自然言語とフォーム形式でのドラフト作成、ワイヤーフレームの作成、セクションの追加と再生成
- コンテンツ準備: 文言入力シートのCSVエクスポートとインポート、Magic Rewriteによる文言の編集・拡張・短縮
- デザイン調整: デザインプリセット、Style Syncによるトーン&マナーの一括調整、カラー・フォントの一括置換、余白やサイズの一括調整
- 仕上げ: Studioへのエクスポート
Studio.Assistantの機能で目を引くのは、レビューで触れていないCSVの入出力とMagic Rewriteです。生成そのものより、お客様やチームと文言を往復させる工程が効率化されています。
料金・プランについて
Studio.Assistantは2025年12月23日にBeta版としてリリースされ、いまもBeta版のままです。
公式サイトの「料金について」の欄に金額はなく、「お気軽にお問い合わせください」とだけ書かれています(出典: Studio.Assistant公式サイト、2026年8月2日閲覧)。
リリース告知には「ベータ版につき、全プランで利用可能」とあり、プランによる利用可否の線引きは今のところありません(出典: Studio「Studio.Assistant (Beta)が新登場」、2025年12月23日)。
毎月かかるのは、Studio本体の料金プラン
ただし、Studio.Assistantで生成したものはStudioにエクスポートして公開します。つまり毎月かかるのはStudio本体の料金プランで、公式料金は以下のとおりです。
プラン | 月額(年払い/月払い) | ページ数上限 |
|---|---|---|
Free | 0円 | 50ページ |
Mini | 590円/1,290円 | 2ページ+404ページ |
Personal | 1,190円/1,720円 | 150ページ |
Business | 3,980円/5,460円 | 300ページ |
Business Plus | 9,980円/12,900円 | 300ページ |
Enterprise | お問い合わせ | 無制限 |
Studio.Assistantが対象にしているシングルページなら、Miniプラン(年払いで月額590円)でも公開できます。公式も「LP・シングルページでの利用におすすめ」と説明しているプランです。
無料のFreeプランでも公開自体はできますが、独自ドメインでの接続・公開はMini以上です(出典: Studio料金プラン)。
StudioとFramerの比較はFramerとStudioはどっちを選ぶ?料金・機能・更新体制で比べる判断基準へ。
導入方法
公式には「現在、先行ユーザー向けに提供しています」と書かれており、利用にはお問い合わせが必要です。
導線は2つ。公式サイトの「導入のご相談」と、リリース告知の「Early Accessに応募」です。
制作会社の受託制作、事業会社の自社サイト、フリーランスの案件対応など、目的と体制に応じて案内が行われます(出典: Studio「Studio.Assistant (Beta)が新登場」)。
Studio.Assistantはリリースから8か月が経ってもBetaのまま、料金も非公開のままです。裏を返せば、正式版の価格が決まる前に試せる期間がまだ続いています。
なお2026年9月1日には、公開中のサイトを引き継いでAIとの対話で運用する姉妹サービス「Studio.Drop」も発表されました。Studio.Assistantが「作る前」を速くするAIだとすれば、Studio.Dropは「公開後」を止めないAIです。発表当日に189ページを移行した実測はStudio.Dropとは?189ページのサイトを発表当日に移行して分かったことへ。
Studio.Assistantの使用感レビュー|70%を10分は本当か
原さんのStudio.Assistantに対する総評はこうでした。
「Studio.Assistantと壁打ちしながら70%くらいまで持っていって、残り30%をデザイナーが仕上げる感じ。慣れればStudio.Assistantで70%まで10分弱でいける」
実際に原さんがStudio.Assistantで10分ほどで作ったナチュラルカフェのモックサイトがこちらです。
公式が公表している制作時間と突き合わせる
この10分が妥当なのかを、公式の数字と並べます。Studio.Assistantの公式サイトには「平均制作時間20分。」と明記され、業種別の構築事例には初稿作成の時間まで載っています(出典: Studio.Assistant公式サイト)。
公式の構築事例 | 初稿作成の時間 |
|---|---|
店舗・小売 | 10分 |
病院 | 15分 |
カフェショップ | 25分 |
イベント | 25分 |
内装デザイン | 30分 |
ジム・フィットネス | 35分 |
採用サイト | 45分 |
原さんがStudio.Assistantで作ったのはカフェのモックですが、公式の事例ではカフェショップは25分。10分弱という体感は、公式の中でも最短の店舗・小売と並びます。
業種が単純で情報量が少なければ10分、採用サイトのように情報が増えれば45分。「70%を10分」は条件が揃ったときの数字です。
Studio.Assistantの評価まとめ|何が使えて、何が足りないか
Studio.Assistantの良かった点・気になった点を、原さんと私で整理しました。以下、項目ごとに評価をまとめます。
項目 | 評価 | ポイント |
|---|---|---|
再生成の柔軟性 | 使える | セクション単位で何度でも再生成可能 |
デザインプリセット | 使える | 業種・トーンに合わせて即切り替え |
ワイヤーフレームモード | 使える | 初期提案での期待値コントロールに有効 |
レスポンシブ対応 | 使える | 生成時点でモバイル対応済み |
アニメーション自動付与 | 使える | エクスポート後に自動適用 |
レイアウトの独自性 | 人の手が必要 | 似た構成に収束しがち |
情報設計の深さ | 条件付きで使える | 汎用的、ニッチ業種は弱い |
複数ページ対応 | 現状は不可 | シングルページのみ。公式も対象範囲をシングルページと明記 |
細部のクオリティ | 人の手が必要 | 仕上げは人の手が必要 |
この表の見方と作り方
記号は3段階です。◎=そのまま使える、○=条件つきで使える、×=人の手が必要。
原さんの先行利用の所感と、私が公式サイトと公式の構築事例で確認した内容を突き合わせて、項目ごとに整理しました(2026年8月2日時点)。
「完成度より速度」が正解になるケースとは
先行ユーザー(原さん)の視点
原さんが挙げていたStudio.Assistantの活用シーンは以下のようなケースです。
融資や補助金の審査用
事業の実態証明としてURLがあればいい場面。デザインの完成度より「サイトが存在すること」に意味がある。
新規事業の検証LP
作り込む前にユーザーの反応を見たいフェーズ。MVPとしてのランディングページを最速で立ち上げ、反応を見てから本格制作に移行する使い方。
社内提案用のプロトタイプ
企画段階でイメージを共有するための叩き台。PowerPointのモックよりもリアルな見た目で説得力が出る。
イベントやポップアップの告知
短期間で公開し、イベント終了とともに役目を終えるサイト。制作に時間をかける費用対効果が合わない場面。
共通しているのは「完成度より速度」が優先される場面ということです。Studio.Assistantを使えば、通常数時間〜数日かかる工程を10分程度に圧縮できます。
一人で全部やるフリーランスにとっての武器になるか
ここからは私自身の視点です。私は普段、フリーランスとしてスタートアップの一人目デザイナーを務め、サイトを含め包括的に支援する形で仕事をしています。
この立場だと、サイト制作だけに時間をかけていられません。プロダクトのUI、営業資料、採用ページ、ピッチ資料。やるべきことは無限に湧いてくるのに、リソースは足りない。
「Webサイトも必要だが、今はそこに工数を割けない」。これが頻繁に起きます。
そういうときにStudio.Assistantで叩き台を生成し、素材だけ差し替える。完璧でなくていい、まず形にして世に出す。このスピードは一人目デザイナーやフリーランスの武器になります。
具体的にStudio.Assistantが活きそうな実務場面を挙げると、
プロダクト開発に集中したいとき
サイトは最低限でいいから早く作りたい。プロダクトのUI改善やユーザーテストに工数を割きたいフェーズでは、サイト制作の優先度は下がる。Studio.Assistantで初動を圧縮できれば、本来注力すべき領域にリソースを回せます。
資金調達フェーズ
投資家向けにURLは必要だが、今はピッチとプロダクトが優先。「サイトがない」ことで機会損失が起きるのは避けたいが、そこに何日もかけるわけにはいかない場面です。
採用強化のタイミング
カジュアル面談ページを急ぎで立ち上げたい。採用の波が来たときに「ページがまだない」では機会を逃す。Studio.Assistantで最低限の採用ページを即座に公開し、後から磨く運用ができます。
ピボット後の情報更新
事業内容が変わったのでサイトも早く差し替えたい。ピボット直後は事業の方向性自体がまだ固まりきっていないことも多く、作り込んでも無駄になるリスクがある。暫定版を素早く出せるStudio.Assistantとの相性は良いです。
「やることが多すぎて、サイトは後回しにしたいけど無いと困る」。フリーランスや一人目デザイナーなら覚えのある状況だと思います。Studio.Assistantは、こういう場面で有効な選択肢です。
[PR]自分で触る時間もないなら、Studio×AIを前提にした制作者に任せる選択肢もある

ここまで書いておいてなんですが、「Studio.Assistantの有用性はわかった。けれど、その70%を生成して30%を仕上げる時間すら確保できない」という方も一定数いるはずです。
資金調達の直前、ピボット直後、採用の波が来ている最中。そういう「サイトに時間を割けないけれど、サイトがないと困る」タイミングは、往々にしてツールを学ぶ余裕すらありません。
そんなときの選択肢として、冒頭でも触れた原さんのStudio seedが提供しているseed+(シードプラス)を紹介しておきます。
通常30万円以上が、10万円・最短1週間
Studio公式認定のStudio Experts × 最先端AIを前提にしたLP制作代行サービスです。
項目 | seed+ |
|---|---|
料金 | 10万円(通常は30万円以上) |
期間 | 最短1週間 |
対象 | LP1ページ |
体制 | Studio公式認定のStudio Experts × AI |
根拠と時点
いずれも税抜。2026年8月2日にseed+のサイトで確認しています。
AIが70%、人が30%をそのままサービスにしている
このサービスが面白いのは、本記事で論じてきた「AIが70%、人が30%を仕上げる」という構図をそのままサービス化している点です。
進め方 | 自分がやること | 費用 |
|---|---|---|
自分でStudio.Assistantを使う | 70%まで10分+残り30%の仕上げ | Studio本体の月額 |
seed+に任せる | 依頼と確認 | 10万円(税抜)+Studio本体の月額 |
AIに構成・ライティングを任せて工数を削り、事業理解やトンマナ調整といった「判断」の比重が大きい残り30%の部分を、Studio認定エキスパートが担当する。
LP1枚に絞られたスコープ
記事の中で触れたStudio.Assistantの"シングルページ限定"という現状の制約とも綺麗に噛み合うスコープ(LP1ページ特化)です。
本記事で挙げた用途 | LP1枚で足りるか |
|---|---|
検証LP | 足りる |
資金調達フェーズのURL | 足りる |
採用のカジュアル面談ページ | 足りる |
10ページ以上のコーポレートサイト | 対象外。ここはseed+のスコープ外 |
本記事で挙げたような「検証LP」「資金調達フェーズのURL」「採用のカジュアル面談ページ」といった用途とも相性が良いはずです。
「まずLPだけ最速で形にしたい。でも安っぽくは見せたくない」という場面で、選択肢に入れておく価値はあります。
いまはまだ人が引き取る案件の特徴
一方で、いまはStudio.Assistantに任せられない案件もあります。AI全般でどこまでできるかの境界はAIでホームページ作成はどこまでできる?プロに頼む境界と失敗しない判断基準へ。
案件の種類 | Studio.Assistantに任せられる範囲 | 人が引き取る理由 |
|---|---|---|
スペシャルコンテンツ | ほぼ無い | 「それっぽい構成」では表現の独自性が出せない |
ブランディング | ほぼ無い | ガイドラインと生成物が合わないことが大半 |
中〜大規模サイト | 対象外 | 公式が対象をシングルページと明記、CMS連携も無い |
サービスサイト | 叩き台まで | CVまでの導線設計はデザイナーの判断が要る |
スペシャルコンテンツ案件
オリジナリティや表現の独自性が求められる場面で、Studio.Assistantが生成する「それっぽい構成」では対応できません。キャンペーンサイトやブランドストーリーを語るような案件は、ゼロからの設計が必要です。
ブランディング案件
世界観を緻密に作り込む案件では、Studio.Assistantの生成物を叩き台に使う余地がほとんどありません。ブランドガイドラインが厳密な企業では、AIの提案がガイドラインと合わないことが大半です。
そのガイドラインが現場で守られる形かどうかはブランドガイドラインとは?現場で守られる作り方と、飾りで終わる理由へ。
中〜大規模なサイト制作
Studio.Assistantが対象にしているのはシングルページです。公式も「現時点ではシングルページの制作を対象としています」と明記し、機能一覧にCMS連携はありません。
10ページ以上のコーポレートサイトや、ブログ・お知らせのような動的コンテンツを含むサイトを任せるのは時期尚早です。
複数ページのStudioサイトを外に頼むときの費用感はStudio制作会社の選び方|費用相場・代行の範囲・プラン別の機能差へ。
導線設計が複雑なサービスサイト
CVまでのユーザー心理を設計する案件では、Studio.Assistantが生成する構成では足りません。ファネルの段階に応じた情報提示や、離脱ポイントを踏まえた設計はデザイナーの判断です。
ファネルの段階ごとの考え方はTOFU・MOFU・BOFUとは?意味と違い、見込み客がどの段で止まるかの見つけ方へ。
「判断」の比重が大きい案件にはStudio.Assistantは向いていません。ここは引き続きデザイナーの領域です。
そのまま納品できるか?正直、まだ難しい
率直に言うと、Studio.Assistantの生成物をそのまま納品できるかというと、それは難しいです。
Studio.Assistantで「それっぽい」形にはなりますが、以下の部分はデザイナーが手を入れる必要があります。
写真やテキストなどのコンテンツ差し替え
生成されるのはダミーコンテンツなので、実際の写真・テキスト・ロゴへの差し替えは必須です。この作業自体はシンプルですが、素材の選定にはセンスと判断が伴います。
情報設計・導線設計の見直し
「何をどの順番で見せるか」「どこでCTAを置くか」といった設計の根幹部分は、AIの提案をそのまま受け入れるのではなく、お客様の事業理解に基づいて再構成する必要があります。
トンマナの微調整
フォントサイズ、カラーの濃淡、余白のバランスなど、ブランドのトーンに合わせた細部の調整はStudio.Assistantでは完結しません。
レイアウトの細部
前述のとおり、Studio.Assistantは似たようなパターンに収束しがちです。競合サイトと差別化するためのレイアウトの工夫は、デザイナーの手で入れる必要があります。
「残り30%」で何をしているのか
残り30%の中身 | 作業か、判断か |
|---|---|
写真・テキスト・ロゴの差し替え | 作業。ただし素材の選定にはセンスと判断が伴う |
情報設計・導線設計の見直し | 判断。お客様の事業理解に基づいて再構成する |
トンマナの微調整 | 作業と判断の中間。ブランドのトーンに合わせて詰める |
レイアウトの細部 | 判断。競合と差別化するための工夫を入れる |
Studio.Assistantは「叩き台としては可能性を感じるが、そのまま公開できるものではない」。これが現時点での評価です。
それでも「ゼロからすべて手作業で作る」のと比べれば、初動は圧倒的に速い。その速さを活かせる案件かどうかが、Studio.Assistantを使うかどうかの判断基準になります。
残り30%で実際に何をやっているのかはFramerのLP制作で実際にやっていること|40万円の中身を工程から公開へ。
次のアップデートで期待したい3つのこと
原さんが挙げていたStudio.Assistantへの今後の期待は3つです。
複数ページ展開とCMS対応
現時点ではシングルページ限定ですが、コーポレートサイトのように複数ページで構成されるサイトへの対応が実現すれば、活用範囲は大幅に広がります。
生成できるセクションのバリエーション拡張
現状ではセクションの構成パターンに偏りがあり、再生成しても似たレイアウトに収束しがちです。FAQ、比較表、タイムライン、チーム紹介など、より多様なセクションテンプレートが追加されることで、対応できる案件の幅が広がります。
ニッチな事業ドメインへのヒアリング精度向上
一般的な業種(カフェ、コーポレートなど)では良い提案が出る一方、専門性の高い事業ドメインではヒアリングの深度が不足しがちです。業種別のヒアリングテンプレートや、過去の生成事例を学習する仕組みがあると、より実用的になります。
この3つは、公式の方向性ともほぼ重なります。リリース告知の「今後の展望」にはこうあります。
「今後は、複数ページ構成への対応、より柔軟な情報設計、ブランド表現の再現性向上など、実制作で求められる要件を段階的に拡張予定です」(出典: Studio「Studio.Assistant (Beta)が新登場」、2025年12月23日)
現場が足りないと感じた3点を、公式も拡張予定に並べています。
個人的に期待しているのはStyle Syncの精度です。既存のブランドガイドラインを読み込ませ、トンマナを正確に再現できるようになれば、叩き台の精度は一段上がります。
現状はブランドカラーやフォントの反映に限界があります。ここが上がれば、Studio.Assistantの「残り30%」の工数も縮みます。
ツールが便利になるほど、差がつかなくなる
Studio.Assistantが自動化しているのは「技術的障壁の代行」と「時間の代行」の部分です。レイアウトを組む、レスポンシブを設定する、アニメーションをつける。これらは「作業」に近い領域で、Studio.Assistantによってここが削られていきます。
一方で「意思決定の代行」は人間に残ります。このお客様の、この事業の、このターゲットに何をどう伝えるか。情報の優先順位をどうつけるか。どこで感情を動かすか。
「正解がない問い」は、Studio.Assistantでは代替しにくい。この線引きの考え方はAIブランディングとは|語源から考える、AI時代に埋もれないブランドのつくり方へ。
これはStudio.Assistantに限らず、AI制作ツール全般の話です。「作る速度」は上がりますが、「何を作るべきか」の判断は人間に残ります。
作業単価が下がるなかでデザイナーが価値を出し続けられるかは、この「判断」にどれだけ投資できるかで決まります。
原さんの言葉を借りれば「Studio.Assistantを使ってAIと併走し、オリジナルのデザインを作る未来が見えた」とのこと。私も同様の見解です。Studio.Assistantで70%を生成し、人間が30%を磨く。その30%に、関係性と文脈と審美眼を込める。
ツールが便利になればなるほど「便利さでは差がつかない」という状況が加速します。Studio.Assistantで70%が10分で作れる時代に、残り30%で何を表現するか。フリーランスも一人目デザイナーも、そこが問われています。
まとめ
Studio.Assistantは「ゼロからサイトを作る」工程の初動を劇的に速くするツールです。ただし万能ではなく、向いている案件と向いていない案件が明確に存在します。
Studio.Assistantが有効な場面
完成度より速度が優先される案件。検証用LP、社内プロトタイプ、短期イベントサイト、融資・補助金の審査用サイトなど。一人で複数領域をカバーするフリーランスや一人目デザイナーとの相性も良い。
Studio.Assistantが不向きな場面
ブランディング案件、スペシャルコンテンツ、複数ページのコーポレートサイト、導線設計が複雑なサービスサイトなど、「判断」の比重が大きい案件。
現時点でのクオリティ
70%を10分で作れるが、そのまま納品はできない。残り30%にはデザイナーの判断と手作業が必要。それでもゼロから作るより大幅に速い。
Studio.Assistantの登場によってデザイナーの仕事がなくなるわけではなく、「作業」の部分が圧縮されることで「判断」の価値がより問われるようになる。それが現時点での結論です。
「まず形にする」も「仕上げる」も、まるごと任せたいなら
Studio.Assistantのようなツールが進化しても、事業の文脈を読み解いて情報を設計し、ブランドに合ったトンマナで仕上げる工程は残り続けます。むしろ、AIが「それっぽいもの」を量産できるようになるほど、その先の判断の価値は上がっていきます。
アームは、事業の一人目デザイナーとして、サイトだけでなくプロダクトUI・採用・ブランディングまで見ています。
「AIで叩き台は作れたけど、ここから先がわからない」「サイトもプロダクトも見てほしいが、複数の外注先を管理する余裕がない」。そういう方はお気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Studio.Assistantの料金はいくらですか?
Studio.AssistantはBeta版のため、料金は公開されていません。公式サイトの料金欄は「お気軽にお問い合わせください」という案内のみです。ただし公開先のStudio本体には月額がかかります。最新情報はStudio.Assistantのサイトをご確認ください。
Studio.Assistantは複数ページのサイトに対応していますか?
2026年8月2日時点では未対応で、公式も対象を「シングルページの制作」と明記しています。ただし今後の展望として、複数ページ構成への対応を段階的に拡張予定であることが公表されています。
Studio.Assistantで生成したサイトはそのまま公開できますか?
テスト公開や検証用であればそのまま使えるケースもありますが、本番サイトとして納品するにはコンテンツの差し替え、情報設計の見直し、トンマナの調整など、デザイナーによる仕上げが必要です。
デザイナーでなくてもStudio.Assistantは使えますか?
生成自体はデザイナーでなくても可能です。ただし、生成物を実用レベルに仕上げるにはデザインの判断力が必要です。ディレクターや事業担当者が叩き台として使い、デザイナーが仕上げるという分業が現実的です。




