
アーム代表の伊藤です。Framerは、デザインツールの操作感のままWebサイトの制作から公開・運用までを1つで完結できるノーコードのサイトビルダーです。操作画面は標準では英語ですが、日本語サイトの制作・公開は問題なくできます(アームの実案件でも日本語サイトを運用中です)。この記事では、できることと日本語対応、始め方の4ステップを、Framer/Studioでの制作支援を行う実務の目線で整理します。
こんな方におすすめのコラムです
- 「Framerとは何か、何ができるノーコードツールなのかを短時間で掴みたい」という方
- 「FigmaやStudioと何が違うのか、整理できていない」という方
- 「操作画面が英語と聞いて、日本語のWebサイト制作に使えるのか不安」という方
- 「Framerの使い方・始め方を、最初の一歩から知りたい」という方
- 「自社サイトの制作ツールとしてFramerを検討している」という方
Framerとは
Framerとは、コードを書かずにWebサイトのデザイン・公開・運用までを1つで完結できる、オランダ発のノーコードWebサイトビルダーです。読み方は「フレーマー」です。
Figmaに近い自由なキャンバスでデザインし、公開ボタンを押せばそのままホスティング(※サーバーにサイトを設置して公開する仕組み)までFramerが担ってくれます。サーバー契約もコーディングも不要で、デザインの完成がほぼそのままサイトの完成になります。この距離の近さがFramer最大の特徴です。
近年はAI機能の拡張が非常に速く、AIエージェントによるページ生成・編集も組み込まれています。機能アップデートも活発で、2026年に入ってからもLogo Shaders(4月)、Spectrum・Crystal(5月)、フォームのスパム判定(6月。AI判定はPro以上)と、表現系・運用系の機能が毎月のように追加されています(出典: Framer公式 Updates)。
Figmaや「Framer Motion」との違い
よく混同される2つを整理しておきます。
名前 | 正体 | Framer(サイトビルダー)との関係 |
|---|---|---|
Figma | デザインツール。設計図を作る | FigmaのデザインをFramerに読み込んで公開する、という分業が王道 |
Framer Motion | React用のアニメーションライブラリ(現在は「Motion」) | もともとFramer社が開発した開発者向けライブラリで、本記事のFramerとは別物 |
Figmaが「設計図を描く場所」だとすると、Framerは「設計図から実際に建てて、住めるようにする場所」です。設計と施工が同じ操作感でつながっているため、Figmaを使えるデザイナーなら学習コストはかなり低く済みます。
Studioとの違い
日本では国産ノーコードツールのStudioとよく比較されます。ざっくり言えば、デザイン表現力とAI機能のFramer、日本語UIと組織運用のStudioという棲み分けです。詳しくはFramerとStudioはどっちを選ぶ?料金・機能・更新体制で比べる判断基準で判断基準まで整理しているので、選定段階の方はそちらをご覧ください。
Framerでできること。5つの特徴
実案件で使っていて価値を感じる機能を5つに絞って紹介します。
1. デザインとアニメーションの自由度が高い
スクロール連動アニメーション、パララックス、3D表現、シェーダーなど、通常はコードが必要な動きのある表現を、エディタ上の設定だけで実装できます。ブランドの世界観を動きで伝えたいサイトで、Framerが選ばれる一番の理由です。
2. AIでサイトの生成・編集ができる
プロンプトからページを生成したり、AIエージェントにエディタ操作を任せたりできます。各プランにはAI機能用のクレジットが含まれており(Freeは500クレジットの試用枠、Basicで月1,000、Proで月3,000)、たたき台の生成やラフの量産が速くなります。生成結果をそのまま公開するというより、初稿を出す速度を上げる道具と捉えるのが実務的です。
3. CMSでブログやお知らせを運用できる
CMS(※記事やお知らせなどのコンテンツを管理・更新する仕組み)が組み込まれており、ブログ・実績・お知らせのような繰り返しコンテンツを管理画面から更新できます。コレクション数やアイテム数の上限はプランによって異なります。本格的なメディア運用よりも、コーポレートサイトに付随するCMS運用に向いた設計です。
4. AI翻訳で多言語対応サイトを作れる
アドオン(1言語あたり月$20、最大20言語)でサイトをAI翻訳し、多言語対応を1つのプロジェクトで完結できます。海外向けサイトをこの手軽さで運用できるのは、国産ツールにはない明確な強みです。
5. 公開・ホスティング・SEO基本機能まで一体
公開ボタンひとつでグローバルCDN(※世界各地のサーバーから配信して表示を速くする仕組み)から配信されます。配信拠点数はプランで異なり、2026年7月時点の公式料金ページではFreeとBasicが20拠点、Proが300拠点以上です。タイトル・ディスクリプション設定やサイトマップなどのSEOの基本にも標準で対応しています。サーバー保守という概念自体がなくなるのは、公開後の運用コストに効いてきます。
Framerは日本語で使える?
操作画面は標準では英語ですが、日本語のWebサイトを制作・公開することは問題なくできます。アームの実案件でも、日本語サイトをFramerで制作・運用しています。
エディタの表示は、Chrome拡張で日本語にできる
Framer公式によるUIの日本語対応は提供されていません。ただし、エディタの表示を日本語に置き換えるChrome拡張が公開されています。「Framer Japanese Localization」で、説明によればワークスペース、デザインキャンバス、CMS、プロジェクト設定などをリアルタイムに翻訳します(出典: Chrome ウェブストア「Framer Japanese Localization」・v1.0.1・2026年3月1日更新)。
提供者はFumito Kikuchi氏で、連絡先にFramer社のドメインが使われています。ただしストア上の表記は個人提供で、Framer公式の拡張とは明示されていません。ユーザー数もまだ多くないため、導入は自己判断で行ってください。そのうえで、英語のエディタで手が止まっている段階なら、「どこに何があるか」を掴むまでの時間はかなり短くなります。
本当のつまずきは、ツールの言語より情報の言語
公式の学習リソース(Framer Academy)やコミュニティは英語中心なので、調べ物の効率は英語ツールに慣れているかどうかで変わります。逆に言えば、操作自体はビジュアル中心なので、英語の長文を読む場面は思ったより多くありません。日本語の情報を探すなら、Framer Japan Communityのような有志のコミュニティも立ち上がっています。
Framerの使い方・始め方(4ステップ)
初めて触る場合の最短ルートです。
ステップ1: 無料アカウントを作成する
ユーザー登録は無料で、Freeプランのままエディタ機能をひと通り試せます。クレジットカードの登録も不要です。
ステップ2: テンプレートかAIで土台を作る
ゼロから作るより、公式マーケットプレイスのテンプレートを流用するか、AIにたたき台を生成させるのが速いです。構造ができた状態から編集を始められるので、エディタの学習も兼ねられます。
ステップ3: Framerのエディタで編集する
テキスト・画像の差し替え、レイアウト調整、レスポンシブ設定(※画面サイズごとの表示調整)を行います。Figma経験者なら、キャンバスの操作感はすぐに馴染みます。
ステップ4: 公開する
公開ボタンを押せば、Freeプランでもサブドメインで公開できます。独自ドメインを接続するには有料プラン(Basic以上)が必要です(出典: Framer公式 Pricing・2026年8月時点)。
おすすめは、いきなり本番サイトを作り込まず、1ページだけでも公開まで一度通すことです。料理と同じで、一皿を最後まで作ってみて初めて段取りの全体像がつかめます。Framerの使い方の細部は、触りながら覚えるのが結局いちばん速いです。
Framerの料金の概要
有料プランはBasic(月$10)・Pro(月$30)・Enterpriseの3種類で、企業サイトの実運用ではProが基準線になります(2026年8月時点・年払い時の月額換算)。無料のFreeプランでもエディタ機能はひと通り試せますが、独自ドメインの接続には有料プランが必要です。
注意したいのは、編集メンバーの追加課金(月$10〜20/人)やアドオンなど「月額の外側」の費用です。プランごとの上限値、円換算での実額、総額の見積もり方はFramerの料金プラン|無料と有料の違いと、月額の外側にかかる費用で詳しく整理しています。
よくある誤解: 「FramerはFigmaの代わりになるデザインツール」
これは半分誤解です。実際のFramerは、デザインツールではなく、公開と運用まで担うWebサイトビルダーです。
画面設計やUIデザインの検討そのものはFigmaのほうが向いており、FramerはFigmaで固めたデザインを「動くWebサイト」にする出口として使うのが実務的です。デザインの検討段階からFramerだけで完結させようとすると、かえって遠回りになることが多いです。役割の違いを理解して使い分けることが、両ツールを活かす近道です。
Framerが向いているケース・向かないケース
正直に、向き不向きの両方を書きます。
向いているケース | 向かないケース |
|---|---|
デザイン表現がブランド価値に直結するサイト | 日本語UI・日本語サポートが公式に必須の組織運用 |
スタートアップのサービスサイト・LP | 更新に関わる人数が多い体制(人数課金が積み上がる) |
海外向け・多言語展開を視野に入れたサイト | 会員機能・決済など大規模なシステム要件 |
デザイナーが制作から公開まで一気通貫で担う案件 | WordPress級の深いCMSカスタマイズが必要なメディア |
向かないケースの多くは、Studioや従来型の開発が受け皿になります。ツールありきではなく、要件から逆算して選ぶことをおすすめします。
アームのFramer活用の考え方
FigmaからFramerへ、設計と実装を一気通貫にする
アームでは、事業の課題整理とFigmaでの情報設計を先に固め、Framerで実装・公開する流れを基本にしています。設計と実装を同じデザイナーが通しで担当するので、「デザインカンプと実物が違う」という古典的な事故が起きません。
まず1ページ、公開まで通してから広げる
Framerは小さく始められることが最大の利点です。LPや採用ページ単体で公開します。更新の感触を確かめてからサイト全体へ広げてください。この段階的な進め方なら、ツール選定の失敗コストを最小化できます。ノーコードでの段階的なサイト構築はアームのFramer/Studio制作支援でも詳しく紹介しています。
アップデートが速い前提で、運用側の体制を作る
Framerは毎月のように機能が増えるツールです。作って終わりではなく、新機能を定期的に確認して取り込む運用ができると、サイトの表現と効率は公開後も伸び続けます。本記事の料金は2026年8月時点で公式ページと照合していますが、導入判断の際は公式サイトで最新情報を確認してください。
よくある質問
Framerとは何ですか?
コードを書かずにWebサイトのデザイン・公開・運用までを1つで行える、オランダ発のノーコードWebサイトビルダーです。デザインの自由度とAI機能の進化の速さが特徴で、デザイン性を重視するサイトで採用が広がっています。
Framerの読み方は?
「フレーマー」と読みます。
Framerは無料で使えますか?
使えます。ユーザー登録は無料で、Freeプランでもエディタ機能をひと通り試せ、Framerのサブドメインでの公開も可能です。独自ドメインでの公開はBasicプラン(月$10・年払い時)以上が必要です。
Framerは日本語に対応していますか?
操作画面(UI)の公式な日本語対応はありませんが、日本語のWebサイトの制作・公開は問題なくできます。エディタの表示については、非公式のChrome拡張「Framer Japanese Localization」を入れると日本語で使えます。公式の日本語UIと日本語サポートが必要な場合は、国産のStudioが比較対象になります。
Framer Motionとは違うものですか?
別物です。Framer Motion(現在は「Motion」)はReact用のアニメーションライブラリで、エンジニアがコードで使う開発ツールです。本記事のFramerは、ノーコードでWebサイトを作るサイトビルダーを指します。
Framerで作られたサイトの実例はどこで見られますか?
公式のギャラリーで世界中の事例を閲覧できます。テイストや業種で眺めていくと、Framerの表現の幅が具体的につかめます。
Framerのまとめ
Framerは、デザインツールの操作感でWebサイトの制作から公開・運用までを完結できるノーコードのサイトビルダーです。デザイン表現の自由度、AI機能、多言語対応が強みで、操作画面が標準では英語である点と人数課金の料金構造が主な注意点です。前者は非公式のChrome拡張で日本語表示にできます。
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