
アーム代表の伊藤です。アームのFramerでのLP制作は40万円〜で、配分はリサーチや設計など「考える」が約50%、デザインが約25%、実装が約25%です(税別・2026年7月時点)。ノーコードだから安いのではなく、実装の工数が小さいぶん価格が下がっている。この記事では、その40万円の中身を工程の順番と時間配分ごと公開します。
前提:40万円の配分は「考える」が約半分
最初に全体像からです。アームの制作費は「考える(リサーチ・戦略設計・情報設計)約50%」「形にする(デザイン)約25%」「動かす(実装)約25%」という配分を目安にしています。FramerのLP制作が40万円〜でできるのは、この配分のうち「動かす」の工数がコーディングより大幅に小さいからです。品質を落としているのではなく、実装の手段が変わったことで、浮いた工数のぶん価格が下がっている。これがノーコードLPの価格の正体です。
つまり、40万円の半分は画面に見えない「考える」工程に使われています。ここからは、その工程を順番に開きます。
工程1:ヒアリングと「売れる理由」の因数分解
最初にやるのはデザインではなく、事業の話を聞くことです。誰に売りたいのか、その人は今どんな選択肢と比べているのか、選ばれるときは何が決め手なのか。初回のヒアリングでここを掘り下げて、LPの訴求の軸を決めます。
このとき、アームは「いい感じにかっこよく」という要望をそのまま受け取りません。かっこよさは手段であって、LPの仕事は「読んだ人の行動が変わること」だからです。ヒアリング後には要件を文書にして、認識を揃えてから先に進みます。ここで作った文書が、以降のすべての判断基準になります。
工程2:集客チャネルとファネルの設計に一番時間をかける
訴求の軸が決まったら、次は「売れる流れ」を設計します。どの広告・チャネルから、どんな温度感の人が来るのか。その人はどんな順番で不安が解消されれば行動に至るのか。ファーストビューで何を言い切るか、お客様の声や実績をどこに置くか、CTAをどこに何回置くか。これらはすべて、事業理解と集客ファネルからの逆算で決まります。ワイヤーフレームはこの議論を目に見える形にするための道具であって、ここではまだFramerもデザインも開きません。
経験上、LPの成果はこの設計でほぼ決まります。ワイヤーフレーム自体は今やAIが数秒で出力できますが、「この事業の、この流入元の、この読者に効く順番」は事業理解なしには決まりません。逆に、この設計を飛ばしてデザインから入ると、後から「やっぱり順番を変えたい」が必ず起きて、手戻りで時間と費用が溶けます。地味な工程ですが、40万円の中で一番価値のある部分はここだと考えています。
工程3:Framerでデザインと実装を同時に進める
設計が固まってから、はじめてFramerに入ります。Framerの利点は、デザインツールとほぼ同じ感覚で作りながら、それがそのまま本番のLPになることです。デザインカンプを作ってから別工程でコーディングする従来の流れと比べて、「デザインと実装のあいだの伝言」が消えます。
- デザインの確認は、画像ではなく実際に動くページで行えます。スマホでの見え方も、その場で本物を確認できます
- アニメーションや細かい動きも、Framer上で直接調整します
- 修正のサイクルが速く、「確認→修正→再確認」が日単位で回ります
ノーコードへの「簡易的では」という心配に答えるなら、表現の自由度でLPに必要な水準を下回る場面は、実務ではほとんどありません。一方で、会員機能や複雑なシステム連携が要る案件はFramerの守備範囲を超えるので、その場合は最初の段階で別の手段を提案します。Framerというツール自体の特徴はFramerとは?できること・日本語対応・使い方に詳しくまとめています。
工程4:公開準備と、引き渡しの設計
公開前には、表示速度・スマホ表示・フォームの動作・計測設定を確認します。そして、アームが大切にしているのが引き渡しの設計です。テキストの差し替えや画像の変更を、お客様が自分でできる状態にして渡します。
LPは公開後に文言を調整して育てるものなので、「直すたびに制作会社に依頼して数日待つ」構造にしてしまうと、改善が止まります。広告を回しながら「この見出しを変えたい」と思ったその日に自分で直せる。ノーコードで作るLPの本当の価値は、制作費の安さよりも、この改善サイクルの速さだと考えています。公開後1ヶ月の軽微な修正対応も制作費に含めています。
正直に書く:Framer LPに向かない場合
実録として、向かない場合も書いておきます。
- 会員機能・決済・複雑な検索など、システム開発が必要な要件
- 数十ページ規模のサイト全体を作りたい場合(LPではなくサイト設計の話になります)
- 「原稿も構成も全部決まっていて、1円でも安く実装だけしてほしい」場合。アームの40万円には設計が含まれているので、実装だけならフリーランスへの依頼のほうが安く済みます
このあたりの、費用相場全体の考え方や依頼先の選び方はLP制作の費用相場にまとめました。あわせて読んでもらうと、自社に合う依頼先が判断しやすくなるはずです。
まとめ|「1ページ40万円」の中身は、半分が設計
FramerでのLP制作の実際を工程から公開しました。要点は3つです。40万円の半分は、画面に見えない「考える」工程に使われていること。LPの成果は事業理解と集客ファネルの設計でほぼ決まるので、そこに一番時間をかけていること。そしてノーコードの本当の価値は安さではなく、公開後に自分で直せる改善サイクルの速さにあること。LP制作の見積もりを比較するときは、金額の裏でこの工程がどう扱われているかを聞いてみてください。中身の説明を求められて困る依頼先なら、選ばないほうが安全です。
「うちの商材でもノーコードで足りるか」という確認からで構いません。




