
アーム代表の伊藤です。
月2万円の請求書が届いた。今月やってもらったのはお知らせの差し替えが1本。これに意味があるのか分からない。でも、やめたら誰がホームページの運用を見るのかも分からない。
ホームページの運用という言葉が、2つの別の仕事を1つに見せています。ホームページの運用は「作業」と「判断」の2つで、止まって困るのは判断のほうです。判断を誰が持つかで、頼む相手も月額も決まります。実際に2社へ月12万円を払いながら、年間の売上は10万円ほどだった相談も受けています。
ホームページの運用は、作業と判断の2つに分かれる
- 作業は手順があれば誰でもできる
- 判断は事業目的と数字を見られる人の仕事
- 更新代行は月1〜5万円、判断は伴走月額になる
「役に立っているか」に答えられないのは、数字を見ていないからではありません。見ている数字が「作業の数字」だからです。更新した回数、アクセスの増減、保守の月額。どれも、今月このホームページの運用で何を試したかを語ってくれません。
作業 | 判断 | |
|---|---|---|
何をするか | 差し替え・更新・確認 | 続ける・やめるを決める |
誰ができるか | 手順があれば誰でも | 目的と数字を見る人 |
止まると | 情報が古くなる | 更新だけ続き変わらない |
相場 | 月1〜5万円 | 相場なし・伴走の月額 |
作業は文言や画像の差し替え、お知らせの追加、サーバーやドメインの更新、フォームの動作確認、解析の数字出しで、AIとノーコードで年々安く速くなっています。判断は、今月このホームページの運用で何を試すかを決め、数字を見て続ける・やめる・直すを決めることです。
検索して出てくるのは、左の列だけだ
ホームページの運用代行を検索して出てくる記事は、ほぼ左の列の話です。作業の一覧と、その相場。「頼んでいるのに何も変わらない」という悩みは、右の列が空いているときに起きます。自社のホームページ運用で、右の列を誰が持っているか。名前が1人出てこないなら、外注先を探す前にこの先を読んでください。
担当は、詳しい人に押し付けられていませんか
右の列が空いた組織で実際に起きるのは、たまたまPCに詳しい人へ、ホームページ運用の判断ごと押し付けられることです。公開されている相談にも、「詳しい人が上から頼まれて渋々やっている感じで、だから更新がなかなか進まない」という趣旨の声があります。
この形の担当者は事業の目的を背負っていないので、続ける・やめるを決める権限もモチベーションもありません。作業だけが積み上がり、右の列は誰も座っていないのと同じ状態です。渋々やらされている側に、悪気はありません。
判断の席が空いているかは、契約を変える前でも見えてきます。57本のコラムを書いても検索から来ていたのは推定2本という例もあれば、毎日更新して2ヶ月で更新が止まった例もあります。
体制は4つ。費用と、起きやすい失敗が違います
- 伴走は実装込みで月20万円(税別)
- 保守は中身が不明で更新が止まる
- 月額でなく今月の変化で比べる
判断を誰が持つかで、体制は4つに分かれます。月額の安い順ではなく、判断の席に誰が座るかの順で並べました。
「社内でやれば無料」は、判断する人が辞めた月に終わる
ツール代しかかからない代わりに、判断する人が異動や退職でいなくなると、更新だけが残ります。数字を見る人が社内にいるうちは、いちばん軽い形です。
項目 | 自社で回す |
|---|---|
作業・判断 | 両方自社 |
月の費用 | ツール代のみ |
向く状況 | 更新は文言と画像だけ |
起きやすい失敗 | 異動で判断が消える |
手が足りないだけなら、いちばん安く済む
何を直すかが決まっていて、手が足りないだけなら向いています。落とし穴は依頼の手間で、依頼が面倒になり、小さな改善が後回しになる。何も起きない月にも固定費だけが出ていきます。
項目 | 更新代行 |
|---|---|
作業・判断 | 作業だけ外注 |
月の費用 | 月1〜5万円 |
向く状況 | 何を直すか決まっている |
起きやすい失敗 | 依頼が面倒で止まる |
「払っているのに一度しか更新してくれない」が起きる形
公開後の不具合対応と、年数回の軽微な更新には合っています。ただ保守の中身が見えないまま、判断の席が空席になりがちで、公開されている相談で最も不満が多いのはこの形です。
項目 | 制作会社の保守 |
|---|---|
作業・判断 | 作業は外注・判断は空席 |
月の費用 | 月1〜3万円 |
向く状況 | 不具合対応と年数回の更新 |
起きやすい失敗 | 払う中身が見えない |
月20万円は、比べる相手が保守の月額なら高く見える
問い合わせや採用など、数字で追う目的があるときの形です。「何をしてくれるか」を決めずに始めると作業代行に戻るので、毎月何を見て何を決めるかを先に文章にします。
項目 | 伴走 |
|---|---|
作業・判断 | 判断を一緒に持つ |
月の費用 | 月20万円(税別・実装込み) |
向く状況 | 問い合わせや採用を数字で追う |
起きやすい失敗 | 中身を決めず作業代行に戻る |
この記事の費用表記について
ツール代の目安は、Studio 3,980円〜、Framer Pro 3,081円〜、microCMS Team 4,900円〜(いずれも月額)です。伴走はアームの場合、計測と改善提案から実装まで含めて月20万円(税別)の1プランです。
出どころは、ツールが各公式料金ページ、更新代行と保守の帯が次のコラムで整理した範囲、伴走がアームの料金表です(2026年10月時点)。
月額だけで選ばないでください。月2万円の保守で1年間何も変わらなければ、それは年24万円の固定費です。月20万円の伴走で問い合わせが月1件増え、その1件が商談になるなら、それは投資です。比べるのは「今月何が変わったか」を誰が言えるかです。
自社の現在地を30秒で判定する3つの質問
- 今月、このホームページで何を試したかを、誰が言えますか。 言える人がいれば、判断の置き場所はあります。いなければ、外注先を探す前にこの席を誰が座るかを決めます
- 先月の問い合わせの数と、その前の月の数を、見ずに言えますか。 言えないなら、数字が判断の材料になっていません。月1回数字を見る場を先に作ります
- いまの相手に「やめたい施策」を伝えたことがありますか。 一度もないなら、相手は作業者として扱われています。判断を一緒にする相手なら、やめる提案も向こうから来ます
3つとも「いいえ」なら、足りないのは判断の相手です。数字を見て続ける・やめるを一緒に決める相手を探すなら、月20万円(税別・実装込み)のWeb担当の月額代行で判断の席を引き受けます。3つとも「はい」なら自社で回すか更新代行で足りて、伴走は要りません。自社で回せると分かることも、答えの1つです。
「今月何が変わったか」を積み重ねた先に何が育つかは、こちらのコラムで整理しています。
制作会社との付き合い方を変えたいときの順番
いまの相手を替える前に、試せることがあります。替えても判断の席が空いたままなら、次の相手にも同じ不満を持つからです。
- 依頼の形を変える。 毎回メールで依頼する形をやめ、月1回30分の定例にして、その場で「今月やること」を決めて渡す。依頼が面倒という不満の大半はここで消えます
- 判断を要求する。 「アクセスが増えました」の報告に対して、「では来月は何をやめますか」と聞く。答えが返ってくる相手なら、その相手と続けられます
- それでも変わらなければ、名義を確認してから替える。 ドメイン・アカウント・データが自社名義かを確かめ、次の相手を決めてから伝えます。順番を逆にするとサイトが止まる期間が生まれます。確認の手順はFramerやStudioのサイトは制作会社を変更しても引き継げるかに、連絡自体が取れない場合は制作会社と連絡が取れないときに確認することにまとめています
正体は判断の不在
- 2026年8月の相談は不満3つとも判断の話
- 2社で月12万円、年間売上は10万円
- 払っている中身が分からない不満が多い
替えたくなる瞬間は、作業が遅いときではなく、「これで合っているのか」に誰も答えてくれないと気づいたときです。
2026年8月に受けた相談
2026年8月に受けた、Framerで作られたサービスサイトの運用体制の相談で、相談者がいまの担当者に感じていた不満は3つでした。扱っているサービスに興味が薄い、言われた修正はやるがその先を提案しない、やり取りの違和感を改善の機会に変えない。どれも作業の速さや品質の話ではありません。
公開された発注側の声
- 「月の管理料が15,000円しているのに、たった一度しか更新をしてくれない」
- 「保守管理費を払っているのでサーバーも見てくれていると思っていたが、別なのかもしれない」
- 「ホームページの修正や更新はプロに任せたいけれど、毎回の依頼が面倒」
- 「2社で毎月12万円かけているのに、ホームページからくる売上は年間で10万円程度」
- 「月1回程度のブログ更新は効果があるのか。更新まで制作会社に依頼できるのか」
最初の2つは作業の不満に見えて、よく読むと「払っている金額の中身が分からない」という判断材料の不在です。3つ目は依頼の設計の問題、4つ目と5つ目は、数字を見て続けるかやめるかを決める人がいない状態です。
月1回更新に効果はあるか
- 57本中、検索経由は推定2本のみ
- 毎日更新でも2ヶ月で更新が止まった
- 量産でなく判断できる人の有無で決まる
「月1回のブログ更新は効果があるのか」という問いには、更新頻度では答えられません。答えは、その1本で誰に何を起こしたいかが決まっているかどうかです。
アームと相談企業の実測
アームの自社サイトは、2026年8月に公開から1ヶ月以上たったコラムを対象に、検索に出ているか、読まれているか、問い合わせにつながっているかを毎週機械的に測る仕組みを入れました。
直近28日で深く読まれたと言える記事は1本だけで、公開直後の数字の多くは新着の一時的な露出でした。57本のコラムのうち、検索から人が来ていたのは推定で2本ほどでした。毎日更新して2ヶ月で止まった会社の相談も受けています。
量産は判断の代わりになりません。月1回でも、「この1本で誰に何を起こすか」を決めて書き、翌月に数字を見る人がいれば、それはホームページの運用です。毎日更新しても、見る人がいなければ作業です。
よくある質問
ブログの更新まで制作会社に頼めますか?
頼めます。ただし「書くこと」だけを頼むと記事が増えるだけになります。「何を書くかを一緒に決める」ところまで含めて頼んでください。
Web担当が自分ひとりです。何から手をつければいいですか?
月1回、問い合わせの数と、その月に試したことを1行で書く場を作ってください。それだけで判断の席ができます。作業の手が足りないなら更新代行、判断の相手が欲しいなら伴走、の順で外に頼みます。
詳しいからという理由でホームページ担当にされました。どうすればいいですか?
「続ける・やめるを決めていいのか」「予算はいくらまで動かせるのか」を上司や経営者に確認してください。答えがなければ、あなたは作業係であって判断係ではありません。権限を渡されないまま責任だけを負っているなら、権限をもらうか、判断を上司や伴走先に戻すかを早めに切り分けてください。
ホームページを作ったあと誰と回すかは、「今月何が変わったか」を言えるかで決まる
ホームページの運用は作業と判断の2つに分かれ、成果を止めるのは判断を持つ人がいないことです。体制は自社・更新代行・制作会社の保守・伴走の4つで、月額ではなく「今月何が変わったか」を誰が言えるかで選びます。替える前に、依頼の形を定例に変え、「来月は何をやめますか」と聞いてみてください。
請求書の横に、1行書けるようになったら
来月も月2万円の請求書は届きます。変わるのは、その横に「今月はお知らせを止めて、料金ページの導線を直した」と1行書けるかどうかです。その1行が書ける月から、同じ2万円が固定費ではなくなります。書けない月が続くなら、替えるべきは相手ではなく判断の席の空き方です。






