
アーム代表の伊藤です。「ホームページ、効いてるの?」。社長にそう聞かれて答えに詰まった担当者の話を、今年だけで何度も聞きました。更新はしている。月2万円も払っている。それでも「効いているか」に答える言葉がない。
怠慢ではありません。運用という言葉が、2つの別の仕事を1つに見せているからです。運用は「作業」と「判断」の2つで、止まって困るのは判断のほうです。作業は自社でも代行でも回せますが、今月何を試すかを決める人がいない運用は、月2万円でも月20万円でも成果が止まります。
この記事では、運用を2つに分けて、体制の4類型と費用、起きやすい失敗、そして自社の現在地を30秒で判定する3つの質問を渡します。
こんな方におすすめのコラムです
- 社長の「効いてるの?」に、今月も答えられない
- 月2万円の保守費が、何に対する2万円か分からない
- 毎回の依頼が面倒で、気づくと3ヶ月放置している
- 月額を払っているのに、売上につながる実感がない
先に結論。ホームページの運用は、作業と判断の2つに分かれます
社長の「効いてるの?」に答えられないのは、数字を見ていないからではありません。見ている数字が「作業の数字」だからです。更新した回数、アクセスの増減、保守の月額。どれも、今月このサイトで何を試したかを語ってくれません。
運用という言葉がひとつなのが、話をこじらせています。中身は2つです。
作業 | 判断 | |
|---|---|---|
何をするか | 文言や画像の差し替え、お知らせの追加、サーバーやドメインの更新、フォームの動作確認、アクセス解析の数字を出す | 今月このサイトで何を試すか決める。数字を見て、続ける・やめる・直すを決める。次に作るページを決める |
誰でもできるか | 手順があればできる。AIとノーコードで年々安く速くなっている | 事業の目的と数字を両方見られる人にしかできない |
止まるとどうなるか | 情報が古くなる。問い合わせが来ても気づかない | 更新だけが続き、何も変わらない |
相場の出どころ | 更新代行は月1〜5万円の帯が多い | 月額の相場は立ちにくい。人件費か、伴走契約の月額になる |
運用代行を検索して出てくる記事は、ほぼ左の列の話です。作業の一覧と、その相場。それ自体は正しいのですが、「頼んでいるのに何も変わらない」という悩みは、右の列が空いているときに起きます。
自社の運用で、右の列を誰が持っているか。名前が1人出てこないなら、外注先を探す前に、この記事の残りを読んでください。
判断の置き場所から一緒に決めたい場合は、集客・グロース支援のページからご相談ください。いまの契約を解約する前提でなくて構いません。
「替えたい」と思う瞬間は、作業ではなく判断の不在から来ています
替えたくなる瞬間は、作業が遅いときではなく、「これで合っているのか」に誰も答えてくれないと気づいたときです。 作業の外注先を替えても、判断の置き場所が空いたままなら、次の相手にも同じ不満を持ちます。
2026年8月に受けた、実際の相談
2026年8月に受けた、Framerで作られたサービスサイトの運用体制の相談で、相談者がいまの担当者に感じていた不満は3つでした。
扱っているサービスに興味が薄い、言われた修正はやるがその先を提案しない、やり取りの違和感を改善の機会に変えない。どれも作業の速さや品質の話ではありません。
公開されている相談や投稿にある、発注する側の声
発注する側の声を、公開されている相談や投稿から集めました。
- 「月の管理料が15,000円しているのに、たった一度しか更新をしてくれない」
- 「保守管理費を払っているのでサーバーも見てくれていると思っていたが、別なのかもしれない」
- 「ホームページの修正や更新はプロに任せたいけれど、毎回の依頼が面倒」
- 「2社で毎月12万円かけているのに、ホームページからくる売上は年間で10万円程度」
- 「月1回程度のブログ更新は効果があるのか。更新まで制作会社に依頼できるのか」
最初の2つは作業の不満に見えますが、よく読むと「払っている金額の中身が分からない」という判断材料の不在です。3つ目は依頼の設計の問題で、4つ目と5つ目は、数字を見て続けるかやめるかを決める人がいない状態です。
体制は4つ。費用と、起きやすい失敗が違います
判断を誰が持つかで、体制は4類型に分かれます。まず、作業と判断をそれぞれ誰が持つのかです。
作業と判断を、それぞれ誰が持つか
体制 | 作業 | 判断 |
|---|---|---|
自社で回す | 自社 | 自社 |
更新代行 | 外注 | 自社 |
制作会社の保守 | 外注 | 空席になりがち |
伴走 | 自社か外注 | 外注と一緒に持つ |
月の費用感と、向いている状況
体制 | 月の費用感 | 向いている状況 |
|---|---|---|
自社で回す | ツール代のみ | 更新は文言と画像だけ。数字を見る人が社内にいる |
更新代行 | 月1〜5万円 | 手が足りないだけで、何を直すかは決まっている |
制作会社の保守 | 月1〜3万円 | 公開直後の不具合対応と、年数回の軽微な更新 |
伴走 | 月12万円〜 | 問い合わせや採用など、数字で追う目的がある |
体制ごとに、起きやすい失敗
- 自社で回す:判断する人が異動や退職でいなくなると、更新だけが残ります
- 更新代行:依頼が面倒になり、小さな改善が後回しになります。「何も起きない月」にも固定費だけが出ていきます
- 制作会社の保守:保守の中身が見えず、「払っているのに一度しか更新していない」になります
- 伴走:「何をしてくれるか」を決めずに始めると、作業代行に戻ります
この記事の費用表記について
ツール代の目安は、Studio 3,980円〜、Framer Pro 3,081円〜、microCMS Team 4,900円〜(いずれも月額)です。伴走はアームの場合、計測と改善提案が月12万円〜、実行まで含むと月30万円〜になります。
出どころは、ツールが各公式料金ページ、更新代行と保守の帯がホームページ更新代行の料金相場|頼む前に決めたい内製化との線引きとホームページの保守費用|内訳と適正価格、払いすぎの見分け方で整理した範囲、伴走がアームの費用と相場の考え方です(2026年8月時点)。
表を見て、月額だけで選ばないでください。月2万円の保守で1年間何も変わらなければ、それは年24万円の固定費です。月12万円の伴走で問い合わせが月1件増え、その1件が商談になるなら、それは投資です。比べるのは金額ではなく、「今月何が変わったか」を誰が言えるかです。
自社の現在地を30秒で判定する3つの質問
- 今月、このサイトで何を試したかを、誰が言えますか。 言える人がいれば、判断の置き場所はあります。いなければ、外注先を探す前に、この席を誰が座るかを決めます
- 先月の問い合わせの数と、その前の月の数を、見ずに言えますか。 言えないなら、数字が判断の材料になっていません。作業の前に、月1回数字を見る場を作ります
- いまの相手に「やめたい施策」を伝えたことがありますか。 一度もないなら、相手は作業者として扱われています。判断を一緒にする相手なら、やめる提案も向こうから来ます
3つとも「いいえ」なら、不足しているのは作業の手ではなく判断の相手です。3つとも「はい」なら、自社で回すか更新代行で十分で、伴走は要りません。
更新頻度より先に決めること
「月1回のブログ更新は効果があるのか」という問いには、更新頻度では答えられません。答えは、その1本で誰に何を起こしたいかが決まっているかどうかです。
アームの自社サイトと、相談を受けた会社の実測
アームの自社サイトは、2026年8月に公開から1ヶ月以上たったコラムを対象に、検索に出ているか、読まれているか、問い合わせにつながっているかを毎週機械的に測る仕組みを入れました。
その結果、直近28日で深く読まれたと言える記事は1本だけで、公開直後の数字の多くは新着の一時的な露出でした。毎日更新して2ヶ月で止まった会社の相談も受けています。57本のコラムのうち、検索から人が来ていたのは推定で2本ほどでした。
量産は判断の代わりになりません。月1回でも、「この1本で誰に何を起こすか」を決めて書き、翌月に数字を見る人がいれば、それは運用です。毎日更新しても、見る人がいなければ作業です。
更新まで制作会社に頼めるか
更新を制作会社に頼めるかという問いには、頼めます、と答えます。ただし頼むのは「書くこと」ではなく「何を書くかを一緒に決めること」まで含めないと、納品された記事が増えるだけで終わります。
制作会社との付き合い方を変えたいときの順番
いまの相手を替える前に、試せることがあります。
- 依頼の形を変える。 毎回メールで依頼する形をやめ、月1回30分の定例にして、その場で「今月やること」を決めて渡す。依頼が面倒という不満の大半はここで消えます
- 判断を要求する。 「アクセスが増えました」の報告に対して、「では来月は何をやめますか」と聞く。答えが返ってくる相手なら、その相手と続けられます
- それでも変わらなければ、名義を確認してから替える。 ドメイン・アカウント・データが自社名義かを確かめ、次の相手を決めてから伝えます。順番を逆にするとサイトが止まる期間が生まれます。確認の手順はFramerやStudioで作ったサイトは、別の会社に引き継げるのかにまとめています
アームの、運用体制の考え方
作業は圧縮し、判断に時間を寄せます
アームは考える時間と手を動かす時間を7対3に置いています。更新や実装はAIとノーコードで圧縮し、空いた時間を計測と判断に使います。自社サイトも同じやり方で運用していて、毎週の計測結果から次の一手を決めています。
月額の中身を、先に決めます
伴走の契約では、最初に「毎月何を見て、何を決めるか」を文章にします。計測する数字、定例で決めること、やらないこと。中身が決まっていない月額は、作業代行に戻るからです。
頼まない判断も、判断です
3つの質問に全部「はい」と答えられる会社に、伴走は要りません。自社で回せると分かることも、相談の成果だと考えています。
いまの契約を解約する前提でなくて構いません。作業と判断を分けて、どこが空いているかを一緒に見るところから始めます。集客・グロース支援か、お問い合わせからお声がけください。ヒアリングは無料で、追客はしません。
よくある質問
ホームページの運用は、何をすればいいですか?
作業と判断の2つに分けて考えてください。作業は更新・保守・計測で、手順があれば誰でもできます。判断は「今月何を試すか」「数字を見て続けるかやめるか」を決めることで、事業の目的と数字の両方を見られる人にしかできません。止まって困るのは判断のほうです。
ホームページの運用代行の費用はいくらですか?
更新代行は月1〜5万円、制作会社の保守は月1〜3万円の帯が多く、どちらも作業の費用です。判断まで一緒に持つ伴走型は、アームの場合で月12万円〜です。金額よりも、その月額で「今月何が変わったか」を誰が言えるかで比べてください。
月1回のブログ更新に効果はありますか?
頻度では決まりません。その1本で誰に何を起こしたいかが決まっていて、翌月に数字を見る人がいれば、月1回でも運用として機能します。毎日更新しても、数字を見る人がいなければ作業で終わります。
ブログの更新まで制作会社に頼めますか?
頼めます。ただし「書くこと」だけを頼むと記事が増えるだけになります。「何を書くかを一緒に決める」ところまで含めて頼んでください。
Web担当が自分ひとりです。何から手をつければいいですか?
月1回、問い合わせの数と、その月に試したことを1行で書く場を作ってください。それだけで判断の席ができます。作業の手が足りないなら更新代行、判断の相手が欲しいなら伴走、という順で外に頼みます。
いまの制作会社を替えるべきか迷っています。
替える前に、依頼の形を月1回の定例に変え、「来月は何をやめるか」を聞いてみてください。答えが返ってくるなら続けられます。返ってこないなら、ドメインとアカウントの名義を確認してから、次の相手を決めて伝えます。
まとめ
ホームページの運用は、作業と判断の2つに分かれます。作業は自社でも代行でも回せて、成果を止めるのは判断を持つ人がいないことです。
体制は自社・更新代行・制作会社の保守・伴走の4類型で、月額ではなく「今月何が変わったか」を誰が言えるかで選んでみてください。運用体制の相談は、お問い合わせからいつでも受け付けています。
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