
アーム代表の伊藤です。
LLMO対策は、Google検索に関する限りSEOの延長線上にあります。生成AI機能はコアな検索ランキングに根ざしているとGoogle自身が公式ガイドに明記しており(2026年7月更新)、延長線上にないのはGoogle以外のAIと効果の測り方の2つだけです。この記事では、その線引きを一次情報で確認したうえで、LLMO対策会社を選ぶ5つの判断基準と費用相場の見方を整理します。
こんな方におすすめのコラムです
- 「これ、要するにSEOの話では」という方
- 「提案の金額と中身が妥当か判断できない」という方
- 「SEOとLLMOを二重に契約すべきか迷っている」という方
- 「費用相場がいくらなのか知りたい」という方
- 「外注する前に、自社でできる範囲を知りたい」という方
LLMO対策は、Google検索に関してはSEOの延長線上にある
LLMO対策がSEOの延長線上にあるかどうかは、推測で語る必要がありません。Googleが2026年に生成AI向けの公式ガイドを新設し、そこで直接答えているからです。
The best practices for SEO continue to be relevant because our generative AI features on Google Search are rooted in our core Search ranking and quality systems.(SEOのベストプラクティスは引き続き有効です。Google検索の生成AI機能は、当社のコアな検索ランキングおよび品質システムに根ざしているためです)
出典: Google 検索セントラル「AI features and your website」(2026年7月10日更新)
根ざしている、という表現がすべてです。AIによる概要もAIモードも、別のエンジンが別の基準で動いているわけではありません。同じランキングシステムの上に、回答の見せ方を変えた層が乗っている。だから土台を良くする行為、つまりSEOがそのまま効く、という構造になっています。
そして同じガイドと関連ドキュメントで、LLMO商材の定番メニューが名指しで否定されています。ここは営業提案を読むときの物差しになるので、表にまとめます。
よく提案される施策 | Google公式の見解(原文の要旨) |
|---|---|
llms.txtの設置 | 新しい機械可読ファイル、AIテキストファイル、マークアップ、Markdownを作成する必要はない。Google検索自体がそれらを使用していないため |
構造化データの追加 | 生成AI検索に構造化データは必須ではなく、追加すべき特別なschema.orgマークアップも存在しない |
コンテンツの細分化(チャンク化) | AIが理解しやすいようにコンテンツを細切れにする必要はない。Googleのシステムは1ページ内の複数トピックの機微を理解し、関連する部分をユーザーに示せる |
AI向けの書き分け | 生成AI検索のためだけに特定の書き方をする必要はない。AIは同義語や求められている意味を理解できる |
AI表示のための追加最適化 | AIによる概要やAIモードに表示されるための追加要件はなく、他に特別な最適化も必要ない |
出典: 前掲のAI features and your website(2026年7月10日更新)、およびAI features and your website(appearance)(2025年12月10日更新)
さらに、FAQリッチリザルトは2026年5月7日をもって検索結果への表示が終了しています(出典: Google 検索セントラル「What is new in Search」)。FAQスキーマを実装してAI引用を増やす、という提案は、もう前提が変わっています。
LLMO対策として売られている施策の多くは、Googleが公式に不要と書いたものです。この事実だけで、提案書の半分は評価できます。
LLMO対策で延長線上でない部分は、2つだけ残っている
ではLLMOという言葉に意味がないかというと、そうではありません。SEOと完全には重ならない領域が2つあります。逆に言えば、この2つ以外をLLMO専用の施策として売られたら、それはSEOの再パッケージです。
1つめは、Google以外のAIです。ここまでの公式見解は、すべてGoogleが自社の検索について語ったものです。ChatGPTやPerplexityが何を引用元に選んでいるかのロジックは公開されていません。だからGoogleがこう言っているからChatGPTでも同じ、とは言い切れない。ここは正直に不明と書くべき領域です。
ただし、注意してほしいことがあります。公開されていないということは、専門会社が知っているという意味でもありません。ロジックが非公開である以上、外部の誰かが確実な攻略法を持っている可能性は低い。非公開領域だから専門家が必要、という論法は、最も商材化しやすい形をしています。
2つめは、効果の測り方です。検索順位のようなわかりやすい指標がまだありません。ここについては公式の手段が1つだけ用意されています。Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートで、AIによる概要・AIモード・Discoverの表示回数を確認できます(2026年6月導入)。
一方でGoogleは、第三者のツールについて明確に注意を促しています。
Google doesn't evaluate third-party services, so be wary of such claims and those making them.(Googleは第三者のサービスを評価していません。そうした主張や、主張する者には注意してください)
出典: Google 検索セントラル「Third-party SEO tools, services, and advice」(2026年6月5日更新)
この注意喚起は、AI体験での改善を約束するツール、いわゆるAEO・GEOツールを名指しで挙げた文脈で書かれています。独自スコアでAI可視性を測って報告してくる会社があれば、その指標をGoogleは保証していないと理解してください。
それでも、LLMO対策会社にお金を払う意味はどこにあるのか
実質はSEOなら、LLMO対策の費用は無駄なのか。ここが本題です。
私の見解は、無駄ではないが、買っているものを取り違えないほうがいい、というものです。あなたが本当に買うべきなのはAI専用の特別な技術ではなく、SEOとして正しいことを、AIが読む前提の優先順位でやり切ってくれる実行力です。
具体的には、誰が何をいくらで提供しているかがページ上で明文化されている。用語が定義されている。質問に端的に答える記述がある。サイトの構造が整理されている。この地味な整備は、人にとってもAIにとっても読みやすさに直結します。そして多くの会社のサイトは、実はここができていません。だから外注の価値が生まれます。
その意味で、LLMOは新しい技術というより、SEOの優先順位が組み替わっただけと捉えるのが実務的です。
LLMO対策への投資割合は、国内の専門家でも見解が割れている
どのくらい投資すべきかについては、国内でも意見が一致していません。煍られないために、温度差そのものを知っておくと役に立ちます。
発言者 | 投資配分についての見解 |
|---|---|
辻正浩氏(so.la) | AI検索対応はSEO予算の数パーセントが妥当。サイテーションを評価指標にするのは現段階では無意味 |
木村賢氏(サイバーエージェント) | 2割以上を割くべき |
紺野俊介氏 | 焦りによる過剰投資に警告。やらなくても事業が成立するなら対応は不要 |
出典: Web担当者Forum「辻正浩×木村賢 9の質問の判定」「紺野俊介×辻正浩」(2026年4月)
数パーセントから2割以上まで開きがあります。ただし両氏が一致している点もあって、構造化データはAI検索対応としては効かない、長文記事を避けるべきという説も誤り、という2点です。ここは公式見解とも整合しています。
今すぐ大型投資を、という論調は英語圏のベンダー発が多い点も踏まえておいてください。国内の実態とは温度が違います。
LLMO・AIO・GEO・AEO、呼び名の違い
営業資料でよく見かける用語ですが、指している中身はほぼ同じです。
用語 | 正式名称 | 意味 |
|---|---|---|
LLMO | Large Language Model Optimization | 大規模言語モデル(生成AI)への最適化 |
AIO | AI Optimization | AI最適化。LLMOとほぼ同義で使われる |
GEO | Generative Engine Optimization | 生成エンジン最適化。海外で使われる呼び名 |
AEO | Answer Engine Optimization | 回答エンジン最適化。AIの回答に載ることを重視した呼び名 |
どの用語を使っているかでLLMO対策会社の優劣は決まりません。呼び名が違うだけで、やることは共通していると理解しておけば十分です。前述のとおり、GoogleはAEO・GEOを名乗るツールの効果主張に注意を促しています。
なぜ今、LLMO対策の話が増えているのか
背景には生成AI利用の拡大があります。総務省の令和8年版 情報通信白書によると、2025年度調査で何らかの生成AIサービスを使っている(過去使ったことがある)と回答した人の割合は、15歳以上を母数にして58.8%でした。前年度との比較は、調査対象がそろう20歳以上の値で見る必要があります。20歳以上でみると2024年度の26.7%から2025年度は52.2%で、1年で25.5ポイントの上昇です。一方で、ほぼ毎日利用する人は猄3割にとどまります(出典: 総務省「令和8年版 情報通信白書」)。
使ったことはあるが、毎日は使っていない。この温度感が重要です。検索がAIに置き換わったのではなく、置き換わりつつある途中にある。だから今すぐ全部を切り替えないと手遅れという煍りも、まだ関係ないという無視も、どちらも実態からずれています。
LLMO対策会社に依頼する前に、社内で決めておくこと
LLMO対策会社選びを始める前に、次の3点だけは自社で言語化しておくことをおすすめします。ここが曖昧なまま提案を受けると、比較の軸がなく、営業の上手な会社に流されます。
- 目的: 何のためにLLMO対策をするのか(指名検索を増やしたい、比較検討で名前が挙がるようにしたい、など)
- 範囲: どの生成AIを重視するか。AIによる概要が主戦場なら、それはSEOの話です。ChatGPTでの露出が主目的なら、前述のとおり不確実性が高い領域だと理解したうえで予算を決めます
- 予算と期間: いくらまで、どのくらいの期間で判断するか
LLMO対策会社の選び方。5つの判断基準
基準1: SEOの実績と土台があるか
LLMO対策の土台はSEOと重なっています。SEOの実績がない会社がLLMO専門を名乗っている場合、土台のない上物を売っている可能性があります。過去のSEO支援実績と対応範囲、その会社自身のサイトが検索やAIの回答で露出しているかを確認してください。自社メディアがAIに引用されていない会社に、引用される技術を教わるのは順序が逆です。
基準2: Googleの公式見解を正確に知っているか
これがいちばん速い見分け方です。次の質問をぶつけてみてください。
- llms.txtは効果がありますか
- 構造化データを入れればAIに引用されやすくなりますか
- AI向けに文章を書き分ける必要はありますか
Googleはこの3つすべてに不要と公式に答えています。これらを主要な施策として提案してくる会社は、公式ドキュメントを読んでいないか、読んだうえで売っています。どちらにせよ、その提案書の中身は信頼しづらくなります。
逆に、Googleに関してはSEOと同じです、と最初に言う会社は正直です。そのうえで何を提案してくるかを見てください。
基準3: 施策の中身が工程で示されているか
AIに最適化します、だけでは何も言っていないのと同じです。調査・分析(現状どの生成AIにどう言及されているか)、サイト内の情報整理、コンテンツ制作、効果測定といった工程を、どこまで支援範囲に含むのかが具体的に示されているかを見ます。工程が示せない提案は、中身がない提案だと考えてよいです。
基準4: 効果測定の方法が明確か
何をどう測って報告するのかを事前に確認します。公式の手段はSearch Consoleの生成AIパフォーマンスレポートです。独自スコアでAI可視性を測る第三者ツールを使う場合は、その指標が何を根拠にしているかを説明できるかを確かめてください。前述のとおり、Googleは第三者ツールの効果主張に注意を促しています。
基準5: 煍らず、確約しないか
今すぐやらないと手遅れになります、と煍る会社。必ずChatGPTの回答に載せます、と確約する会社。どちらも避けてください。AIの回答に何を載せるかはAI側が決めることで、外部から確約できる性質のものではありません。これは誠実さの問題であると同時に、そのLLMO対策会社が仕組みを正しく理解しているかを映す鏡でもあります。
LLMO対策の費用相場をどう見るか
LLMO対策の費用について、出典を示せる公的な相場データは存在しません。ネット上には月額いくらが相場という記事が多くありますが、その多くはLLMO対策を売る会社自身が根拠を示さずに書いたものです。数字だけが独り歩きしているので、相場を探すより見積もりの構造を理解するほうが実用的です。
各社の料金体系は、おおむね次の3つの型に分かれます。
型 | 内容 | 向いているケース |
|---|---|---|
スポット診断型 | 現状のAIへの言及状況を調査・診断し、改善方針を提案 | まず現在地を知りたい。社内で実行できる体制がある |
月額コンサル型 | 診断から施策実行の伴走、効果測定までを継続支援 | 社内にリソースがなく、継続的に任せたい |
制作組み込み型 | サイト制作・リニューアルの中にLLMO対応を組み込む | サイト自体を作り直すタイミングにある |
見積もりを受け取ったら、金額の大小より先に何にいくらかかっているのかを見てください。工事の見積もりで一式としか書かれていなければ不安になるはずです。それと同じで、調査、実装、コンテンツ、測定のどこにどれだけ乗っているかが読み取れない見積もりは、比較のしようがありません。
もう1つ、契約前に確認してほしいことがあります。SEOの契約とLLMOの契約を別建てで提案されている場合、その2つの作業内容がどれだけ重なっているかです。土台が同じである以上、重複は必ず発生します。重複分を二重に払う契約になっていないかを、工程表で確認してください。
参考までに、アームは3つめの制作組み込み型です。LLMO対策を単体の商品として売らず、Webサイト制作・リニューアルの情報設計に組み込んで提供しています。内訳の考え方も含めてアームの料金ガイドで公開しているので、他社の見積もりと構造を見比べる物差しとしても使ってください。
よくある誤解: LLMO対策には専用の技術が必要
これは誤解です。ここまで見てきたとおり、Googleは専用ファイルもマークアップも書き分けも不要だと明言しています。
LLMO対策の実体は、AIにも人にも分かりやすいサイトの土台づくりです。誰が・何を・いくらで提供しているかが明確に書かれている。用語が定義されている。質問に端的に答える記述がある。サイトの構造が整理されている。こうした地道な整備こそが、引用される側に回るための本体です。
特別な魔法を売り込まれたときほど、この原則に立ち返ってください。
外注の前に。自社でできるLLMO対策
LLMO対策の初手は、外注しなくても打てます。
- 自社名・サービス名でChatGPTやGeminiに質問し、現状どう言及されているか記録する(無料でできる現状診断です)
- Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートで、AIによる概要・AIモードでの表示回数を確認する
- サービス内容・料金・実績など、AIが引用しやすい基本情報をサイト上に明文化する
- 用語の定義を一文で言い切る文と、よくある質問への端的な回答を各ページに置く
この初手の具体的な進め方は、LLMO対策のやり方。自分でできる6ステップで手順まで解説しています。
一方で、サイト全体の情報設計と、引用されやすいコンテンツを継続して出し続けることは、専門知識と工数が必要な領域です。線引きとしては、書けば済むことは自社で、設計と継続が絡むことは専門家とが現実的だと考えています。
アームのLLMO対策の考え方
SEOとLLMOを分けない
Googleが公式に示しているとおり、AI検索対応の土台は従来のSEOと同じです。SEOは古い、これからはLLMO、という売り文句は、両者を別物として二重に課金するための区切りに見えることがあります。アームでは、検索エンジンにもAIにも人にも伝わる一つのサイトを作る、という考え方で両者をまとめて扱います。
情報設計から見直す。LLMO対策の後付けはしない
AIに引用されにくいサイトの多くは、そもそも人にとっても分かりにくいサイトです。何をしている会社か、どこに書いてあるか分からない。ページ同士のつながりが整理されていない。この状態で表面的なLLMO施策を足しても、穴の空いたバケツに水を注ぐようなものです。アームはデザインと情報設計を一体で見直すことから始めます。
公式が不要と言っていることは、売らない
llms.txtの設置も、AI向けの構造化データも、アームは商品にしていません。公式に不要と書かれているものを工数として計上すれば、それはお客様の予算を減らすだけです。売らないと決めることも、提案の一部だと考えています。
LLMO対策のよくある質問
LLMO対策は、結局SEO対策と同じですか?
Google検索に関してはほぼ同じです。Googleは公式に、生成AI機能はコアな検索ランキングおよび品質システムに根ざしていると明記しています。異なるのは、Google以外のAI(ChatGPTなど)への対応と、効果の測り方の2点です。
LLMO対策の費用相場はいくらですか?
出典を示せる公的な相場データはありません。料金はスポット診断型、月額コンサル型、制作組み込み型に大きく分かれます。金額の大小より、見積もりの内訳が明示されているか、SEOの契約と作業が重複していないかで判断することをおすすめします。
llms.txtは必須ですか?
必須ではありません。Googleは、新しい機械可読ファイルやAIテキストファイル、マークアップを作成する必要はない、Google検索自体がそれらを使用していないため、と公式に明記しています。設置すること自体に害はありませんが、費用を払って実装するものではありません。
構造化データを入れればAIに引用されやすくなりますか?
Googleは、生成AI検索に構造化データは必須ではなく、追加すべき特別なschema.orgマークアップも存在しない、と明記しています。リッチリザルトを狙う目的での構造化データは引き続き有効ですが、AI引用を目的にした実装は根拠が確認できません。
LLMO対策の効果はいつ頃から出ますか?
即効性のある施策ではありません。サイトの改善がAIの回答に反映されるまでには時間がかかり、数か月単位で見る必要があります。だからこそ、途中経過を公式の手段で測定・報告してくれる会社を選ぶことが大切です。
中小企業や個人事業でもLLMO対策をする意味はありますか?
あります。生成AIの利用経験率は、調査対象がそろう20歳以上でみて、2024年度の26.7%から2025年度は52.2%へ上昇しました(出典: 総務省「令和8年版 情報通信白書」)。ただし優先順位の話として、まだ検索からの流入が主戦場である事業なら、SEOの土台を整えることがそのままAI対応になります。別枠の投資として急ぐ必要はありません。
LLMO対策会社の選び方のまとめ
LLMO対策は、Google検索に関する限りSEOの延長線上にあります。これはGoogle自身が公式に述べていることで、推測ではありません。延長線上にないのは、Google以外のAIへの対応と、効果の測り方の2点だけです。
だからLLMO対策会社選びの判断基準は、SEOの実績と土台があるか、Googleの公式見解を正確に知っているか、施策が工程で示されているか、効果測定が明確か、煍らず確約しないか、の5つになります。費用は相場の数字を探すより、見積もりの内訳と、SEO契約との重複で比較するほうが確実です。
そして、この判断がPLのどこに効くかも書いておきます。LLMO対策の月額契約は、いったん始めると固定費になります。効果が測れない指標で3年払い続ければ、金額は制作費を超えます。逆に、公式が不要と言っている施策を外して、SEOとして正しいことに予算を寄せれば、同じ支出で商談につながる流入を取りにいけます。判断すべきはLLMO対策をやるかやらないかではなく、その見積もりのどこが実際に読者に届く工程か、です。
まずは自社名をChatGPTやAIによる概要で調べて、現状を確認するところから始めてみてください。その結果を持って相談すれば、どのLLMO対策会社と話すときも、提案の妥当性をずっと判断しやすくなります。
