
アーム代表の伊藤です。
オウンドメディア運用代行の費用は、金額より、解約した日に何が残るかで比べます。
月10万円と月50万円が同じ「記事制作」の名前で届きます。安いほうを選んで解約した日に記事もデータも残らなければ、払った分はまるごと消えます。
オウンドメディア運用代行の契約前に見る3つの範囲
- 著作権と名義が貴社側にあるか
- レポートが商談まで届くか
- 12ヶ月縛りに気づかず払い続けない
相場より安い契約でも、次の3つが欠けていると解約時にゼロから作り直しになります。どれも契約書のドラフト段階で、この表を持って読み合わせれば分かります。
解約した日に記事とデータが手元に残るか
お金を払って作った記事なのに、解約後のリライトや転載に許諾が要ると言われることがあります。オウンドメディア運用代行では、CMSやSearch Consoleが代行会社の名義なら、データごとアクセスを失います。
名義と帰属が相手側にある契約は、毎月家賃を払う賃貸と同じで、何年払っても資産になりません。
安心な答え | 要注意の答え |
|---|---|
著作権は貴社に移転 | 二次利用は要相談 |
CMSもGA4も貴社名義 | こちらで管理します |
調査データも引き渡し | 納品は公開記事のみ |
聞きにくい質問ですが、ここで言葉を濁す相手は、契約後も同じ受け答えが続きます。
毎月のレポートで商談まで見えるか
順位とPVだけのレポートが毎月届き、事業の成果と接続されないまま契約が続きます。納品物も同じで、AI利用の範囲と監修体制、コピペチェックの方法が開示されていないと、検収の基準を持てません。
安心な答え | 要注意の答え |
|---|---|
問い合わせ・商談まで報告 | PVと順位だけ |
AI利用と監修を開示 | 制作過程は非開示 |
公開されている相談には、理由を尋ねても「難しいことは考えなくていい」とはぐらかされ、信頼が崩れたという声があります。「なぜこのキーワードか」を聞いて理由が返ってくるかは、契約前に見極められます。
いつ、いくらで抜けられるか
最低契約期間と解約予告、中途解約の精算方法。12ヶ月縛りに気づかず、成果が見えない期間も支払いが続くのは、契約書を読めば防げます。
確認すること | 見落とすと |
|---|---|
最低契約期間 | 12ヶ月縛りに気づかない |
解約予告の時期 | 止めたい月に止められない |
中途解約の精算 | 精算額が読めない |
ここまでの3つを確かめても、修正のやり取りだけで月4〜6万円ぶんの時間が別に発生することがあります。
費用相場は月10〜50万円。料金体系は4つ
- 記事単価型は1本3〜10万円が目安
- 制作中心プランは月10〜30万円
- 変動要因は専門性・本数・戦略工程の有無
アームが相見積もりや相談の場で見てきた範囲です(2026年8月時点)。貴社に近い行を決めてから読んでください。同じ「月30万円」でも、制作だけの30万円と、戦略と分析まで含む30万円はまったく別の商品です。
料金体系 | 費用の目安 |
|---|---|
記事単価型 | 1本3〜10万円 |
月額固定(制作中心) | 月10〜30万円 |
月額固定(戦略・分析込み) | 月30〜50万円 |
全面委託型 | 月50万円〜 |
取材や専門家監修つきの記事は、1本10万円を超えることもあります。
料金体系ごとの向いているケース
- 記事単価型:構成〜執筆〜入稿を本数分だけ払う。戦略とキーワード選定を自社でできる場合
- 月額固定(制作中心):月数本の記事制作と簡易レポート。制作リソースだけが足りない場合
- 月額固定(戦略・分析込み):キーワード選定・リライト・定例会まで。メディア運営の経験者が社内にいない場合
- 全面委託型:編集部機能ごと外注し、企画から効果測定まで。事業として本格投資する場合
金額の差を生むのは、記事の専門性(監修や取材の有無)、月の制作本数、戦略・分析工程の有無の3つです。相見積もりで金額がばらついたら、先にこの3条件が揃っているかを疑ってください。
修正のやり取りにかかる時間も費用の一部として数える
公開されている相談には、外注費より修正のやり取りだけで毎週2〜3時間が消えていたという声があります。月4週で8〜12時間。時給5,000円で換算すると、月4〜6万円ぶんが記事単価とは別に発生します(アームが相談の場で見聞きした負荷にもとづく仮の計算で、公的な統計ではありません)。
記事単価を比べるときは、修正の上限回数と、差し戻しを誰が判断するかも一緒に見ます。
この記事の料金表記について
オウンドメディア運用代行には業界共通の定価も公的な統計も存在しません。本記事の金額は、アームが相見積もりや相談の場で見てきた範囲のレンジです(2026年8月時点)。貴社の条件(専門性・本数・戦略工程の有無)で上下するので、相見積もりは条件を揃えて取ってください。
月10〜20万円の予算で何を頼み何を自社に残すか
- 戦略設計は初期だけスポットで委託
- 一次情報の提供は自社にしか出せない
- 月10〜20万円で月2〜4本を回せる
「戦略から見てほしいが、月30万円は出せない」。上の表にはこの層の行がありません。この予算帯は全部を委託しない設計が現実解です。
考え方は買う部分と残す部分を分けるだけ
外の専門性が要る工程を買い、自社にしか出せないものを残します。
委託する | 自社に残す |
|---|---|
戦略設計(初期だけ) | 現場の知見と事例 |
構成案・編集・品質管理 | データの提供 |
分析・リライト判断 | 執筆(予算しだい) |
戦略設計は経験差が大きく出る工程なので、初期に集中して買います。構成案と編集は記事の勝敗を分ける工程で、ここを外すと執筆だけでは上手くいきません。分析は毎月でなくても、四半期ごとに外部の目を入れれば足ります。
この分担なら、支払いを月10〜20万円に収めつつ、月2〜4本でも1記事ごとの質を落とさずに回せます。自社の言葉で語る記事だけが、他社に真似されない「うちらしさ」として積み上がります。何屋かを言語化できているかは、AIに推薦されるかにも直結します。
この設計には自社側の条件が1つある
自社側に一次情報を出す時間があることです。月に数時間、現場の知見を話すインタビューに応じられないなら、委託範囲を広げるか、立ち上げ時期を見直すほうが安全です。
戦略と分析まで外部の目を入れ続け、決めた改修の実装まで任せたいなら、月22万円(税別・実装込み)のWeb担当の月額代行で同じ分担を代行することもできます。
オウンドメディア運用代行を比較するときに聞く4つの質問
- 自社の実測データを開示できるか確認
- 本数でなく順位と商談で語るか見る
- 「書けない」と断れる会社かも見る
判断軸は、自社メディアのSearch Consoleの実数を見せられ、本数ではなく順位と商談で語る会社かどうかです。答えの中身より答え方を見ます。
聞く質問 | 要注意の答え |
|---|---|
自社の実測を見せられますか | 「支援実績◯社」で終わる |
提案のKPIは何ですか | 「月◯本納品」で止まる |
著作権と名義はどうなりますか | 言葉を濁す |
勝てないテーマはどうしますか | 何でも「書けます」 |
「そこは書かないほうがいい」と言える会社は本数ではなく成果を売っています。見た目の制作実績やサンプル記事の綺麗さは、優先度を下げて構いません。
アームも同じ基準で見られる側です。書く前に検索結果を読み、勝てると判断できたテーマだけを書き、囲い込むための契約は結びません。
見積もりを4つの層で読む
- 頼める範囲は戦略・制作・分析・内製化の4層
- 最も工数が重いのはコンテンツ制作層
- 外注任せは内容が一般論に寄る
頼めるのは戦略設計・コンテンツ制作・分析改善・内製化支援の4層です。全体像を知らずに見積もりを取ると、各社の金額を同じ土俵で比べられません。
4つの層と自社に残す影響
層 | 外注すると |
|---|---|
戦略設計 | 成果の定義まで相手任せ |
コンテンツ制作 | 外注が集中する層 |
分析・改善 | 作って終わりになる |
内製化支援 | 将来の代行費が減る |
工数が最も重いのはコンテンツ制作で、外注が集中する層です。分析・改善は制作より軽視されやすく、公開後の伸びを決めます。内製化支援は対応していない会社も多くあります。
見積書を受け取ったら、まずこの4層のどこにいくら割かれているかを見てください。外注に任せきるほど、記事の中身は一般論に寄っていきます。
本数契約が損な理由
- AI要約表示時のクリック率は8%
- 上位3位の82.2%はAI含有率50%未満
- アームは本数を追わず流入約4倍
「記事が無意味になった」わけではありません。量産型の記事から先に価値が消えているだけです。オウンドメディア運用代行の本数課金では代行会社の売上が納品本数に比例するため、発注側と代行側でインセンティブが最初からずれています。
AI要約とクリック率の差
Pew Research Centerの調査「Google users are less likely to click on links when an AI summary appears in the results」(2025年発行。米国成人900人の2025年3月のブラウジング実データを分析)によると、訪問あたりのクリック率は次のとおりです。
検索結果の状態 | リンクのクリック率 |
|---|---|
AI要約なし | 15% |
AI要約あり | 8% |
AI要約内の引用リンク | 1% |
Ahrefsの「AI Search Trends 2026」(2026年7月発行)でも、AI Overviewsが出た検索では1位のページのクリック率が予測値3.7%に対して実測1.6%と、約58%下がっていました。AI要約は、どのサイトが書いても同じになる知識をそのまま返します。一般論をなぞった記事を月に何本積んでも、その検索面ではクリックが発生しません。
※AI Overviews…Google検索結果の最上部に表示される、AIが生成した回答の要約枠のこと。
狙うのは、「この分野ならどこがいいか」と聞かれたときに社名が挙がる推薦の側です。アームの自社サイトaaam.jpは記事を量産せず、勝てる少数を1位に育てる方針です。検索クリックは2026年7月に前月比約4倍(49→198)へ立ち上がり、8月512回、9月590回と続いています(アームの実測。Google Search Consoleの月別合計・2026年10月8日確認)。施策はLLMO対策のやり方を6つの施策で整理した記事にまとめています。
AI増産提案を実測で見る
「AIで効率化したので月20本書けます」という提案にも実測があります。Ahrefsの「Google Doesn't Punish AI Content」(2026年7月発行。10万件の検索結果の上位10位から集めた約15万ページを2026年6月に分類)によると、検索上位3位に入ったページの82.2%はAI含有率50%未満で、完全なAI生成は5.3%でした。AI含有率が低〜中程度のページは、高いページの2〜3倍のインプレッションを得ています。
GoogleはAI利用自体を罰していません。ただ、スパムポリシーは「生成 AI ツールまたはその他の同様のツールを使用して、ユーザーにとっての価値を付加することなく大量のページを生成すること」を検索結果からの除外対象に挙げています(出典: Google検索セントラル「Google 検索のスパムに関するポリシー」・2026年9月18日確認)。安く量産する提案は、単価の安さと引き換えにこの対象に近づく提案かもしれません。
よくある質問
記事は月に何本公開すべきですか?
本数に正解はありません。成果を決めるのは、勝てるキーワードに絞れているかと1記事の質です。本数をKPIにする提案には慎重になってください。「AI記事◯本月額」という提案を見るときに確かめる3つ(渡すもの・止める人・名義)は、SEO対策にAIを使っていい?にまとめました。
成果が出るまでどのくらいかかりますか?
新規メディアは、検索評価の立ち上がりに半年〜1年単位かかります。その期間の支払いが、自社名義のドメイン・記事・データとして積み上がる契約かどうかが、費用の多寡より先に響きます。
AI検索の時代に、オウンドメディアはもう意味がないのでは?
量で戦う設計の意味がなくなっただけです。実測や実案件に基づく固有の記事は、AI検索の引用元と推薦の対象に残ります。
オウンドメディア運用代行の費用は、解約した日に何が残るかで選ぶ
- 相場は制作中心で月10〜30万円・戦略込みで月30〜50万円
- 先に見るのは金額より著作権・名義・引き継ぎの契約範囲
- 選ぶ基準は本数でなく順位と商談で語れる会社かどうか




