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ホームページ制作のRFP(提案依頼書)の書き方│書けない怖さを消すA4一枚の7項目

ホームページ制作のRFP(提案依頼書)の書き方│書けない怖さを消すA4一枚の7項目

アーム代表の伊藤です。
ホームページ制作のRFP(提案依頼書)は、A4一枚の7項目で足ります。

決まっていない欄は「未定」と書いて出して構いません。同じ説明から出た見積もりが、80万円と240万円に分かれることもあります。

ホームページ制作のRFPはA4一枚の7項目で足りる

  • 体裁は問わず7項目書けば完成
  • サーバー構成や機能要件は書かなくていい
  • 参考サイトは理由を添えて2〜3個で十分

ダウンロードは要りません。Wordでもメールの本文でも、次の7項目が書いてあればRFPとして機能します。300万円規模までの案件ならこれで足ります。

項目

書くこと

1. 会社と事業の概要

何を誰に売る会社か

2. サイトの目的

動かしたい数字と行動

3. 現状の課題

困っている場面

4. 想定する閲覧者

誰に見てほしいか

5. 依頼範囲

ページ数・素材・保守

6. 予算

用意できる金額の幅

7. スケジュール

公開希望時期と理由

目的は「問い合わせを月2件→5件に」のように数字で、課題は「採用応募者に古い印象を持たれる」のように場面で書きます。予算は「150〜200万円(税別)」の幅で伏せずに。7項目に共通するのは、どれも発注者にしか書けないことです。書かなくていいことは制作会社に委ねます。

A4一枚RFPの記入例

産業機械部品メーカーの総務担当が、コーポレートサイトのリニューアルで書いた想定の記入例です。各行2〜3行の文章です。この分量で機能します。

項目

記入例

会社と事業の概要

産業機械部品メーカー45名

サイトの目的

問い合わせ月1→3件に

現状の課題

スマホ崩れ・強みが未記載

想定する閲覧者

調達担当優先+採用候補

依頼範囲

15P・原稿リライト・撮影

予算

150〜200万円(税別)

スケジュール

来年2月展示会前に公開

目的の欄には「採用応募(中途・年5名採用目標)の入口としても機能させたい」、依頼範囲には「公開後の保守も月額で提案してほしい」まで書いてあります。予算の幅はホームページリニューアル費用の相場の金額から逆算できます。

むしろ書かなくていい項目はこれ

大企業向けテンプレートには載っているが、小さな案件では省いてよい項目です。

省く項目

代わりに

サーバー・システム構成

制作会社が提案する

機能要件の網羅リスト

発注後に一緒に決める

デザインの細かい指定

参考サイト2〜3個と理由

提案書の書式・目次

各社の自由に任せる

会社沿革の詳細資料

3行と現行サイトのURL

省く理由は提案の余地を残すためです。手段まで発注者が固めたRFPには、指示通りの作業見積もりしか返ってきません。書式を指定すると、比較で見えるはずの実力差まで消えます。ただ、7項目の書き方が分かっても、実際に最後まで書き終える会社は多くありません。

RFPが書けないのは、書き方でなく「決まっていないこと」への怖さのせいです

  • 前提が揃わない見積もりは比べられない
  • 書けない欄は「未定」と書いて出す
  • 上司の承認は目的と予算の2項目だけ

RFPが書き終わらないのは、書き方の問題ではありません。見積もりが比べられなくなる不安、決まっていないことを外に出す怖さ、上司に説明できない不安。この3つのどれかで手が止まっています。

比較

見積もりが比べられない不安は、7項目を埋めれば消える

相見積もりの場で見てきた範囲では、同じ口頭説明から80万円と240万円の見積もりが並ぶことは珍しくありません。中身を見るとA社は「10ページ・原稿は支給」、B社は「30ページ・取材と原稿作成込み」の前提でした。金額差は実力差でも良心の差でもなく、前提の差です。

見積もり

RFPなし

RFPあり

各社の前提

バラバラ

揃う

金額差の原因

読めない

切り分けられる

前提がバラバラの見積もりは、安いほうを選んでも高いほうを選んでも根拠がありません。RFPが揃える最大のものは金額ではなく、比較の土俵です。

空欄

社内で決まっていないことを出すのは怖くて当然

予算も優先順位もまだ固まっていないのに、それを他社に見せるのは気が引けるものです。ただ、RFPは決定事項を報告する文書ではなく、決まっていないことを一緒に埋める文書です。書けない欄は「未定。相談したい」と書けば、そこが打ち合わせの論点になります。

書けない欄の扱い

受け取る側

それらしく埋める

前提を読み違える

「未定」と理由を書く

論点が先に分かる

事業の実情、困っている場面、動かしたい数字。この3つがあれば、残りは打ち合わせで一緒に言葉にできます。

承認

上司に説明できない不安は、2項目だけ先に取れば消える

7項目の全部を経営層に確認する必要はありません。事前に承認を取るのは「目的」と「予算」の2項目だけで、残りの5項目は担当者の裁量で書いて構いません。

項目

決める人

目的・予算

経営層に先に承認

残りの5項目

担当者の裁量

「目的:問い合わせを月2件→5件に、予算:150〜200万円」の一文を先に見せておけば、提案を比べたあとの報告にも同じ一文が使えます。RFPは社外に出す文書であると同時に、社内の合意を可視化する文書でもあります。

提案が良くなるRFPの書き方、悪くなる書き方

  • 目的は数字と行動で書くと提案が変わる
  • 手段は指定せず提案に委ねる
  • 選定基準の明記で価格競争を防ぐ

同じ7項目でも、書き方ひとつで返ってくる提案の質が変わります。受注側として提案を書いてきた立場から対で示します。

観点

良くなる書き方

悪くなる書き方

目的

月2件→5件と数字で

集客強化とだけ

課題

場面で書く

古い・ダサいだけ

要望

優先順位をつける

全部同じ重さ

手段

提案に委ねる

スライダーをと指定

選定基準

提案内容重視と明記

何で選ぶか書かない

課題は「展示会後にサイトを見た相手から連絡が来ない」のように場面で書きます。とくに差が出るのは、目的を数字で書くことと、選定基準を明記することの2つです。何で選ぶかが書いてあると、各社は価格を削る競争ではなく、課題への答えを磨く競争をします。

RFPなしのホームページ制作依頼が高くつく理由

  • 読めない部分は不確実性のバッファに積まれる
  • 予算を伏せると提案が安全側に寄る
  • 幅で書いて内訳を求めれば使い切られない

RFPを書く手間を惜しむと、その分のコストは見積もり金額のほうに現れます。アームが見積もりを出す立場で経験してきた構造を、種明かしとして書きます。

理由1

分からないことは全部バッファとして積まれる

「会社案内のサイトを作り直したい。詳細は打ち合わせで」という依頼を受けたとき、受注側はページ数も、原稿を誰が書くのかも、修正が何往復するのかも読めません。読めない部分は、不確実性のバッファとして見積もりに積まざるを得ません。

RFPに無いこと

積まれるもの

ページ数

多めに見込む

原稿の担当

執筆費を上乗せ

承認フロー

修正回数を多めに

症状を言わずに「なんとなく調子が悪い」とだけ告げれば、念のため検査を一式やる前提の請求になります。バッファは制作会社の強欲ではなく、防衛です。前提が固まっていれば積む必要のなかったお金です。

理由2

予算を伏せると提案の幅が決まらない

「予算を先に言うと、その金額いっぱいまで請求されるのでは」という警戒はよく分かります。ただ受注側から見ると、予算が見えない案件では提案の幅を決められません。

予算の書き方

返ってくる提案

伏せる

安全側の小さい案

伏せる

松竹梅の様子見

150〜200万円と幅で

予算内で成果最大の一案

予算は1円単位でなく幅で十分です。使い切りが心配なら「金額の根拠が分かる内訳を出してほしい」と一行添えてください。幅の中でどこに配分するかを考えるのが、制作会社の提案の仕事です。

サイトリニューアルのRFPで追加する項目

  • 現行サイト棚卸しを1ブロック追加
  • 書くのはURL・管理状況・解析の4点
  • 見積もりに響くのは管理状況の有無

リニューアルの場合は、7項目に「現行サイトの棚卸し」を1ブロック追加します。

書くこと

中身

URLとページ数

おおよそで構わない

管理状況

CMS・サーバー・契約者

引き継ぐもの

原稿・写真・ドメイン

アクセス解析

入っているか・見られるか

見積もりに大きく響くのは管理状況です。「前の制作会社と連絡が取れず、サーバーの管理者が分からない」案件は、調査と移行のリスク分を保守・移行費に見込まざるを得ません。管理状況が一枚にまとまっているだけで、その分の上乗せは消えます。リニューアル全体の段取りはこちらに整理しています。

RFP提出後の提案の比べ方

  • RFPの提出先は2〜3社が目安
  • 提案書より先に来る質問の有無を見る
  • 比較軸は課題対応・内訳・追加提案の3つ

RFPを出す先は2〜3社が目安です。それ以上に広げると1社ごとの検討が浅くなり、提案する側も「10社コンペ」では本気の提案を出しにくくなります。声かけの段階で「3社に依頼している」と伝えて問題ありません。

提出後にまず見るのは、提案書より先に質問が来るかどうかです。良い会社ほど、RFPの行間を確かめる質問をしてきます。「いまの問い合わせはどこから来ていますか」のような質問は、課題を自分の頭で考えている証拠です。質問ゼロで満額の提案書だけが届いたら、テンプレートの提案を疑ってください。

比較の軸は金額そのものではない

比較の軸

見るところ

課題への答え

言い換えで終わっていないか

見積もりの内訳

課題と対応しているか

追加の提案

書いていない視点があるか

金額差が数倍でも原因を切り分けられる

金額に数倍の開きが出たときこそ、RFPが物を言います。前提が揃っているので、差額が「何をやるかの差」なのか「単価の差」なのかを切り分けられるからです。切り分けの手順は制作会社の見積もり金額差の読み解き方に、見積書の項目の読み方はこちらにまとめています。

よくある質問

RFI(情報提供依頼書)や要件定義書も必要ですか?

候補が2〜3社に絞れているなら、RFIは省いていきなりRFPから始めて構いません。要件定義書は発注後に制作会社と一緒に作るもので、RFPがその叩き台になります。

RFPの作成自体を外注できますか?

RFP作成支援を専門にする会社はありますが、数百万円規模のホームページ制作では費用対効果が合いにくいです。7項目を自分で埋め、埋まらない部分は候補の制作会社との初回相談で言葉にするほうが現実的です。

RFPを出したら、その会社に必ず発注しないといけませんか?

いいえ、RFPは発注の約束ではありません。ただし提案には各社の工数がかかっているので、断る場合も選定結果は連絡するのが礼儀です。

まだ依頼先の当てもありません。それでもRFPは書けますか?

書けます。RFPは依頼先を選ぶための土台なので、依頼先が決まった後に書く文書ではありません。「1. 会社と事業の概要」から「4. 想定する閲覧者」までは自分の頭の中だけで埋められ、書いてみると相談する制作会社を探す軸が見えてきます。

IT用語やWeb制作の知識がないと、RFPは書けませんか?

知識は要りません。7項目はどれも、自社の事業を説明する言葉だけで書けます。専門用語だらけの提案を返してくる会社より、平易な言葉で理由まで説明してくれる会社のほうが、実務では信頼できます。

ホームページ制作のRFPは、A4一枚の7項目と「未定」への正直さで書けます

  • RFPはA4一枚の7項目で足りる
  • 書けない欄は「未定」と書いて出せば最初の論点になる
  • 目的と予算の2項目だけ経営層の承認を先に取る

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