
アーム代表の伊藤です。
ホームページリニューアルで最初に決めるのは、デザインではなく「直すのか、作り直すのか」です。
見積もりが100万円でも、全部作り直す必要があるとは限りません。費用の相場はホームページリニューアル費用の相場に分けてあります。
ホームページリニューアルの前に、直すのか作り直すのかを決める
- 更新・改修で足りる症状が半分ある
- 301を忘れると積み上げが消える
- 決め手は「構造を変えるか」
公開されている相談に「2社に見積もりを取ったら、片方はCMSの乗り換えを勧め、もう片方は今のまま」という話があります。先に決めるのは会社ではなく、手をかける範囲です。
| 症状 | 足りる手当て |
|---|---|
| 文章や写真が古い | 更新 |
| 一部のページが使いにくい | 改修 |
| スマートフォンで見づらいだけ | 改修(テンプレートの差し替え) |
| 事業や相手が変わった | リニューアル |
| 構造が実態と合わない | リニューアル |
更新は差し替え、改修は一部の修正、リニューアルは情報設計から作り直すことです。デザインが古いだけなら作り直さなくてよいことが多い。作り直してURLが変わるのに301リダイレクトを正しく設定しないと、積み上げた検索の評価まで一緒に消えるおそれがあります。
作り直す理由が「古いから」だけならいったん止まる
提案書に並ぶのは「デザインが古い」「スマホ対応が不十分」「SEOに弱い構造」。この3つは問い合わせが増えない本当の理由ではないことが多いと、制作側の人が書いています。作り直す前に動かしたい数字を1つ決めます。問い合わせの数か、採用の応募か、既存のお客様の手間か。
ホームページリニューアルの進め方│6ステップ
- デザインに手をつけるのは5番目
- 要件定義は制作会社と一緒に埋める
- 公開後の計測までが1本
| ステップ | 決めること |
|---|---|
| 1. 現状分析 | 離脱の多いページと導線の穴 |
| 2. 目的とKGI | 動かす数字(問い合わせ月1.5倍など) |
| 3. 要件定義・RFP | 範囲・予算・体制・公開時期 |
| 4. 情報設計 | 誰の悩みにどの順で答えるか |
| 5. デザイン・制作・移行 | 設計どおりに作り旧サイトから移す |
| 6. 公開後の計測 | 数字を見て直す |
ステップ1〜2│数字で課題を切り分けてから目的にする
アクセス解析で離脱の多いページを見つけ、問い合わせまでの導線のどこで人が消えているかを確かめます。見えた課題を裏返したものが目的です。「月の問い合わせを1.5倍に」のように目標を数字で決めると、関係者が増えても判断がぶれません。
ステップ3〜4│要件定義は一人で完成させなくていい
ページ構成、機能、CMS、予算、公開時期、社内の体制。外注するならRFP(提案依頼書)にして渡すと、各社の提案を同じ土俵で比べられます。分からないところは制作会社と一緒に埋める書類です。情報設計はサイトマップとワイヤーフレームで、誰の悩みにどの順番で答えるかを決めます。書き方はホームページ制作のRFP(提案依頼書)の書き方へ。
ステップ5〜6│移行と公開後が成果の分かれ目
デザインと実装はここで初めて出てきます。判断軸は「狙った相手に、狙った行動を取ってもらえるか」の1つです。移行の手順は次の章にまとめました。公開はゴールではなく、運用で数字を見て直し続ける出発点です。
順位とドメインを落とさない移行│やることは4つ
- 旧URLと新URLを1対1で301
- 評価された本文を削らない
- 公開後に404と順位を監視する
「アドレスは変わっていないのに、リニューアルしたら検索に出なくなった」。公開されている相談で何度も出てくる話で、原因の大半は移行設計の抜けです。
| 避けること | 起きること |
|---|---|
| robots.txt拒否のまま公開 | 新サイトが検索から消える |
| noindexの外し忘れ | 順位がつかない |
| 301の設定漏れ | 評価が消え404が増える |
| 本文の削除・画像化 | テキストの評価が消える |
| 全部をトップへ転送 | 引き継ぎにならない |
手順1│着手前に棚卸しする
全URLの一覧、流入の多いページと語、被リンクを受けているページ、今の順位。この4つを公開前に記録します。基準線が無いと下がったのか戻ったのか判断できません。
手順2│旧URLと新URLを1対1で結び、1年は維持する
ページが恒久的に移るなら301です。全部を新しいトップページへまとめて飛ばすのは引き継ぎになりません。Googleが挙げる移転の手順は、サーバー側の恒久的なリダイレクト、内部リンクの更新、新しいサイトマップの送信です。移転中の順位変動は見込んでおくよう説明しています(Google検索セントラル「URLの変更を伴うサイト移転」)。
ドメインはそのままで大丈夫か
ドメインを変えずに作り直すなら、落とさないための作業はURL設計と301で済みます。制作会社を替えるときにドメインとサーバーが相手の名義だと、ここで止まります。名義が貴社かを見積もりの前に確かめます。相手名義で動けない場合の出口は制作会社を替えたい。でもサイトもドメインも自分たちのものではなかったへ。
手順3│公開後の初動で回復の速さが決まる
ドメインが変わるならSearch Consoleでアドレス変更を伝え、新しいサイトマップを送り、404と順位を2〜3か月見ます。アームの自社サイトは2026年8月に配信の仕組みを、9月にCMSを入れ替えました。移行の前後の月で検索クリックは減っていません(Search Console・8月512回、9月590回)。手順どおりにやれば、入れ替えは順位を落とす理由になりません。
費用と期間の目安
- 中小企業は100万円前後
- 期間は小規模で1.5〜3か月
- 月額の行は5年分で読む
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 費用(中小企業) | 100万円前後(アームは月22万円×最低3ヶ月) |
| 期間(小規模) | 1.5〜3か月 |
| 月額の行 | 月額×契約月数で5年分にして比べる |
費用が跳ねるのは規模より4つの分岐です。URLが変わるか、引き継ぐ本数、CMSの乗り換え、そして作り直さない判断。月2万円の保守でも5年で120万円になるので、月額の行は制作費と同じ重さで読みます。分岐の中身は費用の相場の記事に、月額の行の確かめ方は中小企業のホームページ制作会社の選び方にまとめました。
補助金は会社を決めてから
小規模事業者持続化補助金はウェブサイト関連費が対象です。ただし第20回(受付2026年11月5日〜12月15日)では上限30万円で、単独では申請できません。補助金ありきで会社を決めると、補助金の枠に合わせた制作になります。公募要領は中小企業庁と事務局の公式サイトで確認してください。
自分で・AIでリニューアルする場合に抜けやすいもの
- 作ること自体はもうできる
- 抜けるのは見た目でなく移行
- 順位の引き継ぎは自作でも同じ
「50万円の見積もりに対し、自分がAIで作ったらすぐできた」。公開されている投稿にある話で、作ること自体はもう自分でできます。自作で抜けやすいのは見た目ではなく移行です。旧URLの一覧を作らずに公開すると、ドメインが同じでも順位は落ちます。更新を自分で回したいならStudioやFramerのようなノーコードが向きます。作れたのに問い合わせが来ないときの直し方はAIでサイトや画面は作れた。でも、成果が出ないへ。
制作会社に頼むとき見積もりの前に確かめる3つ
| 確かめること | 聞き方 |
|---|---|
| 移行設計は誰がやるか | 旧URLの一覧と301の表は見積もりに入っていますか |
| 名義 | ドメイン・サーバー・CMSは貴社名義で作りますか |
| 契約の出口 | 解約したらサイトとデータは手元に残りますか |
公開されている相談に「見積もりに、統合して使わなくなるURLのリダイレクトは含まれているかと聞いたら、入っていないと言われた」という話があります。移行設計が見積もりに無い会社は、順位を落とす前提で作っています。アームは移行設計を制作に含め、アカウントは最初から貴社名義、月額の解約は1か月前のご連絡だけです(制作を含む月額のみ最低3か月)。会社の選び方そのものは中小企業のホームページ制作会社の選び方に書きました。
ホームページリニューアルについてよくある質問
何年ごとにリニューアルすべきですか?
年数ではなく症状で決めます。3〜5年という目安は多くの記事に書かれていますが、成果が出ているサイトを年数だけで作り直す理由はありません。最初の表の症状に当てはめてください。
ドメインはそのまま使えますか?
使えます。制作会社を替えても、ドメインの管理会社での登録名義が貴社なら引き継げます。相手の名義になっている場合は、移管に相手の同意が要ります。
リニューアルと更新の違いは?
更新は文章や画像の差し替え、改修は一部のページや機能の修正、リニューアルは情報設計から作り直すことです。手をかける範囲が違うので費用も期間も違います。
期間はどれくらいかかりますか?
小規模サイトで1.5〜3か月が目安です。社内の原稿と写真の準備が律速になることが多いので、素材の段取りを含めて逆算してください。
ホームページリニューアルは、作り直すかの判断と移行で決まる
- 最初に直すか作り直すかを決め古いだけなら作り直さない
- 作り直すなら旧URLの一覧を作り新URLと1対1で301を設定する
- 見積もりの前に移行設計・名義・契約の出口の3つを確かめる


