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ホームページにいくらかける?適正予算は「問い合わせ1件の価値」から自分の数字で逆算する

ホームページにいくらかける?適正予算は「問い合わせ1件の価値」から自分の数字で逆算する

アーム代表の伊藤です。
机の上に見積もりが2枚。80万円と300万円。相場を調べても「うちはホームページにいくら出すべきか」はどこにも書いていない。払って戻ってこなかったらと思うと、決裁の判が押せない。

ホームページにいくらかけるかは、相場ではなく受注単価×粗利率×成約率で出す「問い合わせ1件の価値」から逆算します。この記事は、その式と自分の数字を入れるシートを渡します。計算した結果、今回は作らないほうがいいという答えが出ることもあります。

ホームページにいくらかけるかは「問い合わせ1件の価値」から4ステップで逆算する

  • 使う数字は受注単価・粗利率・成約率の3つ
  • 数値例では上限約560万円・達成5割で280万円
  • 名刺代わりのサイトなら逆算は要らない

使う数字は3つだけで、手元に無ければ仮置きできます。数値例は受注単価60万円・粗利率50%・成約率3割・年7件の受注が目標、で通します(仮の数値例)。

ステップ1

受注単価×粗利率で「1件の受注の価値」を出す

売上で計算すると、回収力を実際より大きく見てしまいます。ホームページの費用は粗利から払われるからです。

受注単価60万円・粗利率50%なら、1件の受注の価値は30万円(仮の数値例)。使うのは売上ではなく粗利です。

計算の元

1件の価値

売上60万円

60万円に見える

粗利率50%

30万円

ステップ2

成約率を掛けて「問い合わせ1件の価値」を出す

問い合わせは全部が受注になりません。30万円×成約率3割で、問い合わせ1件の価値は9万円(仮の数値例)。この9万円が、以降の全部を測る物差しです。

ホームページも広告もSEOも「9万円の問い合わせを、いくらで何件生むか」で比べられます。相場どおりの100万円が妥当か過大かも、この数字で決まります。

1件の価値

制作費100万円

9千円

過大

9万円

妥当

90万円

安すぎる可能性も

1件の価値が90万円あるBtoB企業が、相場を気にして80万円のテンプレート構成を選び商談の質を落としているなら、そちらのほうが機会損失として高くつきます。

ステップ3

欲しい受注数から「年間に必要な問い合わせ件数」を出す

年7件の受注が目標で成約率3割なら、必要な問い合わせは年24件・月2件(仮の数値例)。

ここで目標の現実味も見えます。件数の目標が立たないうちは、予算の話を先に進めないほうが安全です。

必要な件数

見え方

月2件

サイトで狙える

月50件

広告費込みで考える

ステップ4

回収期間を決めて「予算上限」を出す

3年で回収するなら、年24件×9万円×3年=648万円。維持費(年30万円×3年=90万円)を引いた約560万円が計算上の上限です(仮の数値例)。

ただし上限をそのまま予算にはしません。計画どおりに集まる保証はないので、達成度を5割で見込めば投じてよい初期費用は280万円程度まで。外れても致命傷にならない線を引くための式です。

読み方

初期費用

計算上の上限

約560万円

達成度5割で読む

280万円程度

この記事の数値例について

本記事の金額はすべて説明のための仮の数値例で、実在の案件の数字ではありません。受注単価・粗利率・成約率を自社の数字に置き換えて計算してください。

名刺代わりのサイトなら、逆算は要りません

商談や紹介のあとに見られ、実在と信用を確かめてもらうだけのサイトなら、この計算は要りません。会社概要・実績・代表の顔・問い合わせ先が正確で古びていない最小構成にして、見るのは初期費用より更新の仕組みです。実績が2年前で止まった名刺代わりのサイトは、与信に来た相手に逆の印象を与えます。

公開されている相談には「打ち合わせの後に実績を見てもらえればいい。なのに提案が膨らんで100万円近くなっていく」という趣旨の声があります。作り手が集客装置の設計を積み、発注側は名刺代わりで十分だった。目的の共有が先に無かったのが原因です。

目的

予算の決め方

集客装置

1件の価値から逆算

名刺代わり

逆算なし・最小構成

実際に、同じ式を使わないままリニューアルを重ね、投資額だけが膨らみ続けた例もあります。

自分の数字を当てはめると、予算上限がその場で出ます

  • 入れる数字は5つ・回収年数は3〜5年
  • 受注単価と成約率の2行で桁は分かる
  • 上限は5割前後に割り引いて読む

入れる数字は5つです。精密な数字は要りません。桁が合っていれば予算判断の道具として機能します。空欄が残っても先に進んで構いません。

入れる数字

出し方

受注単価

直近1年の売上÷受注件数

粗利率

決算書の売上総利益率

成約率

問い合わせ記録から実測

欲しい年間受注数

事業計画の目標件数

年間の維持費

保守・サーバー・更新の年額

回収年数は3〜5年で置きます。5年を超える計画は、その間の事業や市場の変化を吸収しにくくなります。成約率の記録が無ければ3割で仮置きして記録を取り始める。粗利率が分からなければ税理士に一度聞けば足ります。受注単価は、案件の幅が広いならホームページで取りたい客層に絞って出します。

出る数字

式

①1件の受注の価値

受注単価×粗利率

②問い合わせ1件の価値

①×成約率

③必要な年間問い合わせ件数

欲しい受注数÷成約率

④予算上限

②×③×年数−維持費×年数

④が、契約前に見積もりと突き合わせる上限額です。受注単価と成約率の2行だけ埋まれば、桁の見当はつきます。上限ぎりぎりで契約せず、達成度5割前後に割り引いて読んでください。

逆算をしないまま発注すると、何が起きるか

  • 累計の投資額は次の判断に関係ない
  • 1件の価値が小さいなら作らない答えもある
  • 維持費を落とすと回収線が後ろへずれる

回収の設計が無いまま金額だけで決めると、失敗は静かに積み上がります。ひと目で「高くつく」とは分かりません。公開されている相談から3つの型を挙げます(趣旨の要約で、判断は個別の事情で変わります)。

失敗1

リニューアルのたびに金額だけが上がっていく

「15年間で3回、220万円、300万円、560万円と投資してきたが、直接の売上は300万円、50万円、30万円と下がっている。維持費も年150万円。今までの費用が無駄になる気がして決められない」という趣旨の相談がありました(2025年)。

判断を止めているのはサンクコスト(払って戻らない過去の投資額)です。累計1,000万円超は、次の1円を払うかの判断には関係ありません。見るのは、直近1年の問い合わせ数と成約率をステップ1〜2に入れ直した「次の1件の価値」だけ。それが次に払う額に見合わないなら、投資を止めて今の資産を運用するだけに切り替えるのも、逆算が示す正解のひとつです。

判断の材料

使うか

15年の累計投資額

使わない

直近1年の問い合わせ数

入れ直す

次の回収計画

提案側に聞く

提案書に「この投資で1件の価値×何件を回収する計画か」と聞き返し、答えが返らない提案は金額にかかわらず見送りの候補です。リニューアル費用の考え方は「サイトリニューアルの費用」でも整理しています。

失敗2

問い合わせ1件の価値が小さいのに、集客装置として作ってしまう

「LP制作に50万円払ったが問い合わせゼロ。広告費を足しても半年変わらず、結局集客は紹介だけになった」という趣旨の声もあります(清掃業の方)。

見るのはLPの出来ではなく、問い合わせ1件の価値がいくらだったか、です。単価が小さく成約率も読めない商売で1件の価値が数千円なら、50万円の回収には相当な件数が要ります。逆算は作る式であると同時に、作らないほうがいいと分かる式でもあります。

1件の価値

50万円のLP

数千円

手段の選択から見直す

9万円

回収の設計ができる

失敗3

維持費を計算に入れ忘れる

「開業費でいちばん高額なのがホームページ外注費。30万円と保守で年10万円」という趣旨の声のとおり、ホームページの費用は初期費用で終わりません。

初期費用だけで回収を計算すると、毎年の固定費の分だけ回収線が後ろへずれます。保守・サーバー・ドメイン・更新作業まで含めた年間コストを見積もりの段階で確かめ、ステップ4に入れてください。内訳の見方は「ホームページの維持費」にまとめています。

回収の計算

結果

初期費用だけ

回収線が後ろへずれる

維持費込み

本当の上限が出る

相場が答えにならない理由

  • 適正予算は貴社が回収できる上限額
  • 同じ相談が2011年から15年途切れない
  • 80万も300万も、会社次第で正解になる

適正予算とは、貴社がその投資を回収できる上限額のことです。制作会社の価格表でも業界の平均値でもなく、会社ごとに違います。

相場で決めるのは、他人の家計簿で家賃を決めるようなものです

年収も家族構成も違う他人の支出額は、あなたの払える額の根拠になりません。受注単価3,000万円の会社と3万円の会社では、同じ「問い合わせ1件」の重みがまるで違います。

公開されている相談には「見積もりの金額が妥当かどうか、自分では判断できない」という趣旨の投稿が、確認できる範囲で2011年から2026年まで15年間途切れず続いています。相場情報はこの15年で大量に公開されたのに、悩みは消えていません。相場を知っても「自社がいくら出すべきか」には答えが出ないからです。「15年で1,500万円かけたが、ホームページ経由の売上は150万円。直近1年はゼロ」という趣旨の相談もありました(2025年)。欠けていたのは回収の設計です。

80万円と300万円、どちらの見積もりも「正しい」ことがある

相見積もりで金額が3倍開くのは、どちらかがぼったくりとは限りません。解こうとしている課題の範囲が違うだけのことが多いからです。見積もりの比較で分かるのは「何にいくらかかるか」まで。「自社はいくら出すべきか」は、見積もりの側ではなく事業の数字の側にしか答えがありません。

見積もり

積んでいる範囲

80万円

テンプレートをベースに構成

300万円

戦略設計・原稿制作まで

金額差そのものの読み方は「ホームページの見積もりの読み方」で、相場観はアームの料金ガイドを参照してください。

逆算しても不確実性は消えません。それでも計算する理由

成約率は仮置きですし、公開後の問い合わせ数は市場と運用次第で振れます。この計算の価値は、「回収を設計してから金を出す」という判断の姿勢を手に入れることにあります。数字の精度はあとから実測で上げられますが、姿勢は発注の前にしか決められません。制作会社に逆算の前提を投げて、返ってくる答えの質で依頼先を見極める、という使い方もできます。

見積もりが合わないとき

  • 先に回収設計を聞き値段は後
  • 合わない時は値引きでなくスコープ調整
  • 入口は無料診断・最短3営業日

アームでも、この逆算をお客様との最初の会話に使っています。初回のヒアリングでは、ご予算の前に受注単価と成約率の見当を伺います。数字が手元に無くても、仮置きの計算からご一緒します。

値引きではなくスコープで調整する

逆算した上限と見積もりが合わないとき、アームは値引きをしません。値引きは品質のどこかを黙って削ることになるからです。代わりに、解く課題の範囲を絞って金額を合わせます。内訳を説明できない費用は請求しない、が公式のスタンスで、料金の全体は「費用と相場の考え方」に公開しています(2026年9月時点・税別・下限表記)。

大きな費用を張る前に、無料診断から確かめられる

回収の見当が立つ前に大きな初期費用を張るのは、逆算の思想と矛盾します。現状分析と改善計画書をまとめる「AI検索時代の流入診断」(無料・最短3営業日)を入口にしていて、社内稟議の材料にも使えます。自社の数字で逆算したが、この予算で何がどこまでできるか判断がつかない。その段階からで構いませんので、お問い合わせからお声がけください。

よくある質問

相場を完全に無視していいのですか?

無視はしません。予算上限は自社の回収力で決め、その予算で市場が何を提供しているかの確認に相場を使う、という順番です。

小さく始めて、成果が出たら増額するのはアリですか?

アリです。数字が仮置きのうちは、小さく作って実測を貯めるほうが逆算の精度が上がります。条件は「後から育てられる設計」で、テンプレートの制約で増築できない作りだと増額のタイミングで作り直しになります。

広告費との配分はどう考えればいいですか?

物差しは同じで、問い合わせ1件の価値と比べます。広告経由の獲得単価が1件の価値を下回るなら広告は回り、上回るなら先にサイトの成約率か事業側の単価を直す順番です。

ホームページの予算は、相場ではなく自分の数字が決めます

受注単価×粗利率×成約率で問い合わせ1件の価値を出し、欲しい受注数・回収年数・維持費から上限を引く。この4ステップで、80万円と300万円の見積もりを自分の物差しで読めるようになります。

2枚の見積もりをもう一度机に並べたとき

1件の価値を一度出してから見積もりを並べ直すと、金額の大小以外のものが見えてきます。「この300万円は、9万円の問い合わせを何件取る計画なのか」。その問いが自分の口から出るようになったら、判を押すのも見送るのも、自分の数字で決めた判断です。

受注単価と成約率の見当だけあれば、計算はご一緒できます。並べた2枚の横に、もう1枚置く程度の気持ちでどうぞ。

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