
アーム代表の伊藤です。
業者からは「アクセスは増えています」と報告が来る。でも問い合わせは来ない。そんなときに打つ言葉が「ホームページ 集客できない」だと思います。
先に私の数字を出します。2026年6月、aaam.jpに検索から来る人は1日1.5回でした。8月中旬からの4週間は1日22回です。訪問は約14倍になりました。それでも問い合わせは比例して増えませんでした。
集客できないと感じたとき、足りないのが集客とは限りません。この記事では、ホームページがどの段で止まっているかを4つに切り分けます。直す順番もその順に並べます。
ホームページで集客できないのか、集客しても選ばれないのか。4つの段で原因を切り分ける
- 売上は来た人×選ばれる割合×単価
- 集客は4つの段の最後の1つ
- 1段目から順に見て止まった所を直す
売上は「来た人の数 × 選ばれる割合 × 単価」の掛け算です。「集客できない」と言うとき、多くの人は最初の「来た人の数」だけを見ています。でも選ばれる割合がゼロに近ければ、来た人を何倍にしても売上はほとんど動きません。
ホームページが止まる場所は4つの段に分けられます。上から順に見ていきます。
段 | 止まっている目印 | 見る場所 |
|---|---|---|
1 選ばれる理由 | 他社との違いを1文で言えない | 自社と競合のトップページ |
2 誰に | 来た人の検索語が頼む人の言葉でない | GSCの検索キーワード |
3 伝え方 | 問い合わせページまで来て帰る | GA4のページ別の数字 |
4 集客 | 1〜3は通るのに人が来ない | GSCの表示回数 |
お金を払う順番もこの表の上からです。広告やSEOは4段目の打ち手なので、1〜3段目で止まっているうちは払っても結果が変わりにくい。
ホームページで集客できない原因を10分で切り分ける手順
道具は自社のサイトと、GoogleのSearch Console(GSC)とGA4だけです。
- 自社のトップページと、競合2社のトップページを並べて開く。「他社ではなくここを選ぶ理由」が1文で書いてあるかを見る
- GSCの「検索パフォーマンス」でクエリを開く。クリックの多い上位10語のうち、頼みたい人が打つ言葉が何語あるかを数える
- GA4で問い合わせページの表示回数と送信の数を並べる
- 1〜3に引っかからず、GSCの表示回数そのものが少ない。ここで初めて4段目の集客の問題です
1で手が止まったら段1、2で頼む言葉がほとんど無ければ段2、3で表示のわりに送信が少なければ段3です。最初に引っかかった段から直します。
ホームページの訪問を14倍にしても、問い合わせは比例しなかった
アーム自身がこの4つの段で止まっていました。数字はどれもGSCとGA4、画面録画ツールClarityの実測です。
項目 | 2026年6月 | 8月中旬〜9月上旬 |
|---|---|---|
検索からの訪問 | 1日1.5回 | 1日22回 |
問い合わせ | 基準 | 訪問ほど増えず |
来た人の目的 | 記録なし | ツールの調べもの中心 |
9月の頭には、Studioの新サービスを発表当日に試した記事が広く読まれた3日間があります。その3日を除いても訪問は約12倍でした。集客の数字だけ見ればうまくいっていたことになります。
増えたのはツール名で調べに来た人だった
7月中旬から8月上旬の4週間で見ると、検索語が分かったクリックのうち、約7割は「Framer」「Studio」といったツールの名前か、アームの名前で来た人でした。ツールの使い方や料金を調べに来た人です。制作を頼む先を探している人ではありません。
9月中旬までの4週間で見ると、サービスとお悩みのページに検索から来た訪問は、全体の6%でした。「制作」を含む検索語は38語あり、表示は290回、クリックは1回です。来た人は増えたのに、頼みたい人はほとんど増えていなかった。段2で止まっていたわけです。
問い合わせページまで来て送らずに帰った人がいた
Clarityで問い合わせページを開いた録画を見ると、送った人より送らずに帰った人のほうが多くいました。帰った人の多くは、1分から20分ほどかけて実績などのページを見て回っています。
ページを見比べたうえで送らなかった。頼む気のある人に、決め手が届いていなかったということです。こちらは段3です。
アームが止まっていたのは集客ではなく段2と段3
訪問を増やすことには成功していました。止まっていたのは、頼む言葉で来る人の少なさと、来た人に決め手が届かないことです。ここに広告費を足していたら、ツールの調べものに来る人がさらに増えただけだったと思います。
ホームページで集客できない原因1:選ばれる理由が言えない
ホームページで集客できない原因の1段目は、ホームページより手前の話です。他社ではなく自社を選ぶ理由を1文で言えるか。言えないと、来た人は他社と見比べて、値段か近さで決めます。
自社の一文が本当に理由になっているかは、競合のサイトに貼ってみると分かります。やり方はこちらの記事にまとめました。
貼っても違和感がないなら、その一文はまだ理由になっていません。書き直すときは「誰の」「どんな困りごとを」「他社と違うどのやり方で」解くかの3つを埋めます。3つのうち1つでも空くなら集客より先にここです。
ホームページで集客できない原因2:来ている人が頼む人ではない
2段目はホームページに来ている人が誰かです。アームの例のように、訪問が増えても、増えたのが調べものの人なら問い合わせは増えません。
GSCの検索語は次の3つに分けると見分けられます。
検索語の種類 | 例 | 来た人の目的 |
|---|---|---|
調べる言葉 | Framer 使い方 | 自分で作る |
頼む言葉 | ホームページ制作 費用 | 依頼先を探す |
名前 | アーム デザイン | すでに知っている |
調べる言葉で来る人を集めるのが悪いわけではありません。いずれ頼む側に回ることもあります。ただ今月の問い合わせになるのは頼む言葉で来た人です。
頼む言葉がほとんど無いなら、直すのは料金・事例・サービスのページです。頼みたい人が打つ言葉で、そのページが読まれるようにします。
ホームページで集客できない原因3:来た人に伝わっていない
3段目は、頼む気のある人がホームページに来ているのに決めきれずに帰る状態です。目印は3つあります。
- 問い合わせページの表示に対して送信がほとんど無い
- 料金のページが見つからないか、「要相談」だけで終わっている
- 事例が見に来た人の業種や規模と離れている
アームで帰った人の録画も、最後に見ていたページに実績のページが複数ありました。実績を見て、自分の案件に近いかどうか判断がつかなかった可能性があります。
直し方は、問い合わせボタンの手前に、決めるための材料を3つ置くことです。料金の目安、自分に近い事例、問い合わせた後に何が起きるか。この3つがあると、見比べた人が送るかどうかをその場で決められます。
来た人が帰る場所の見つけ方と直す順番は、アクセスはあるのに、問い合わせにつながらないで詳しく書いています。
ホームページで集客できない原因4:本当に人が来ていない
1〜3段目に引っかからないのに、問い合わせが来ない。ここで初めて「ホームページで集客できない」が、そのまま集客の問題になります。ホームページがそもそも見られていない状態です。
GSCの表示回数で見られていないのかを見分ける
GSCの「検索パフォーマンス」で表示回数を見ます。表示回数は検索結果にホームページが出た回数です。頼みたい人が打つ言葉で表示回数がほとんど出ていないなら、検索ではまだ見つかっていません。
表示回数は出ているのにクリックが少ないなら、話は変わります。検索結果に出ているタイトルと説明文が、選ぶ理由を伝えられていない。これは集客というより段1と段3の問題です。
集客の打ち手は頼みたい人が探す場所で選ぶ
人が来ていないと分かったら打ち手を選びます。選ぶ基準は流行ではなく、頼みたい人がどこで探しているかです。
頼みたい人の探し方 | 打ち手 | 当てはまりやすい例 |
|---|---|---|
近所で探す | Googleマップ(MEO) | 飲食・美容・医院 |
比べてから決める | 検索(SEO・コラム) | 制作・士業・BtoB |
今すぐ頼みたい | 検索広告 | 修理・駆け込みの依頼 |
どの打ち手でも来た人が見るのは同じホームページです。段1〜3が通っていないまま打ち手を増やすと、来た人がそのまま帰ります。人が来ていないと分かっても、1〜3段目の点検は先に済ませておきます。
ホームページで集客できないときの対策は、手前の段から直す
1〜3段目が通って、それでもホームページに人が来ない。そこで初めて広告やSEOにお金を払う意味が出ます。
業者の「効果」と自分の「効果」をそろえる
公開されている相談に、広告費を年150万円、10年払い続けた事業者の話がありました。業者は「アクセスが増えた」ことを効果と呼び、本人は売上を効果と考えていた。報告のたびに話がかみ合わなかったそうです。
業者から「アクセスが増えました」と報告が来たら、3つ聞いてみてください。
- 増えた人はどんな検索語で来たか
- そのうち何人が問い合わせページまで来たか
- 問い合わせのうち何件が売上になったか
2と3に答えがない報告は、集客の報告であって売上の報告ではありません。
ホームページの集客方法(広告・SEO・SNS)は最後に選ぶ
順番 | 段 | 最初の一手 |
|---|---|---|
1 | 選ばれる理由 | 選ぶ理由を1文にする |
2 | 誰に | 頼む言葉のページを直す |
3 | 伝え方 | 料金と事例を手前に置く |
4 | 集客 | 広告・SEO・SNSを選ぶ |
売上は掛け算なので、選ばれる割合がゼロに近いまま広告費を足すと、増えるのは広告費だけです。問い合わせ1件にいくらまでかけてよいかは、ホームページにいくらかける?適正予算は「問い合わせ1件の価値」から自分の数字で逆算するで自分の数字から出せます。
訪問を増やす前にどの段で止まっているかを見る。14倍でも問い合わせが比例しなかったアームの数字は、この順番を飛ばした結果です。
よくある質問
ホームページで集客できないとき、広告は止めたほうがいいですか?
止めるかどうかより先に、広告で来た人が問い合わせページまで行っているかを見ます。行っていないなら広告を足しても同じ結果になりやすい。行っているのに送られていないなら直すのは段3です。
ホームページの業者から「アクセスが増えた」と報告されたら、何を聞けばいいですか?
どんな検索語で来たか、何人が問い合わせページまで来たか、何件が売上になったか。この3つです。訪問数だけの報告では集客できたかしか分かりません。
ホームページの集客はSEOとMEOとSNSのどれから始めればいいですか?
1〜3段目が通ってから選びます。選ぶときは頼みたい人がどこで探しているかで決めます。近所の店を探す人なら地図、比較して決める人なら検索です。手段を先に決めると、また調べものの人を集めることになります。
自分の選ばれる理由が分からないときは、どうすればいいですか?
最近のお客さんに「なぜうちに決めたか」を聞くのが早道です。3人に聞いて同じ言葉が出たら、それが選ばれる理由の候補です。自分で考えた強みより、お客さんが口にした言葉のほうが他社と比べられても残ります。



