
アーム代表の伊藤です。
順位が下がった朝、真っ先に「ハネムーンが終わった」と思いがちです。でも下がった原因がGoogleハネムーンの終わりとは限りません。
この9月、私は自分で書いた1本の記事の順位を、公開の翌日から18日間追いかけました。Studio株式会社の新サービス「Studio.Drop」を、発表当日に試して書いた解説記事です。
追いかけてみたら、ハネムーン以外の原因が4つ、同じ期間に重なっていました。何日で終わるかを調べるより先に、今の下落が何なのかを切り分ける。先に実測値を出しそのあとで切り分けの手順を書きます。
Googleハネムーンは何日で終わるのか。新記事を18日間測った実測値
- 7つの検索語を11回目で数えた
- 同じ週の記事でも1日と10日以上
- 上位9本の期間の説は1週間〜半年
測ったのは冒頭のカードの記事です。Studio.Dropの発表は2026年9月1日13時50分、記事の公開は同日21時41分でした。「Studio.Drop」に語を足した7つの検索語で、11回、検索結果を目で数えました。見た環境が確かな5回だけ抜き出すとこうです。
検索語 | 5回の順位の幅 | 9/19 |
|---|---|---|
Studio.Drop | 4〜8位 | 4位 |
料金 | 1〜2位 | 1位 |
移行 | 1〜2位 | 2位 |
評判 | 1位 | 1位 |
レビュー | 1〜2位 | 2位 |
とは | 2〜4位 | 4位 |
使い方 | 1〜4位 | 4位 |
公開15時間後の9/2は、本体の「Studio.Drop」が40位以内にありませんでした。公開36時間後には6位。アームの記事の順位は上の表の幅の中で動いています。(見た環境は、9/4と9/11がシークレットウィンドウ、9/3と9/19がログイン中のChrome、9/7がアプリ内ブラウザです)
同じ週に出た記事は、アームの記事より大きく上下した
翌日以降に出たほかの解説記事は、順位の動きが大きくなりました。記事名は伏せA〜Eで書きます。
記事 | 公開 | 動き |
|---|---|---|
A | 9/2頃 | 全7語から消え、9/10に復帰 |
B | 9/3 | 本体で5〜7位に残った |
C | 9/2頃 | 使い方1位を1日だけ |
D | 9/2頃 | 9/8以降1ページ目から消えた |
E | 9/9 | レビュー1位が10日以上 |
記事Cは1位を1日で手放し、記事Eは10日以上1位を保っています。同じテーマ、同じ週でこれです。Googleハネムーンが何日で終わるかを、1つの数字では答えられません。
上位の記事に書かれた期間は、1週間程度から半年まで開いていた
「Googleハネムーン」で上位の9本を読みました(2026年9月19日)。9本とも「〜とは」の解説記事です。期間は「1週間〜1ヶ月」「約1ヶ月」「数週間〜1、2ヶ月」「3ヶ月〜半年という説もある」と、ばらばらです。9本読んで実際に測った数字はありませんでした。
また多くは新しくサイトを作ったときの話です。すでにあるサイトに1本足した記事なら、前提から違います。どれを信じればいいか迷うのは、読む側のせいではありません。
Google自身は新しい記事の特別扱いを否定している
Google自身はハネムーンを認めていません。GoogleのJohn Mueller氏は2021年5月のオフィスアワーで、新しいコンテンツを意図的に押し上げも押し下げもしていない、と答えています(出典:Search Engine Journal・2021年の発言)。「ハネムーン」はSEOの現場が付けたあだ名です。
新しい情報を上に出す仕組みは公表されている
とはいえ、新しい情報を上に出す仕組み自体はあります。2011年11月3日、Googleは新しさを重視する改善を公式ブログで発表し、影響は検索の約35%に及ぶと書きました(出典:Google公式ブログ)。公開直後に順位が高く出ること自体は、起きていておかしくありません。ただ、何日続くかは公式も上位9本も示していないので、期間は実測で見るほうが確かです。
Googleハネムーン明けなのか、まず5つの候補から切り分ける
- 下がった原因の候補は5つある
- 見分ける目印は「一緒に動いたもの」
- 5つとも18日間の中で実際に起きた
18日間には、ハネムーン以外の原因も4つ重なっていました。下がった日に疑う候補は次の5つです。ハネムーン明けはそのうちの1つにすぎません。
候補 | 目印 | 見る場所 |
|---|---|---|
ハネムーン明け | 同時期の新記事だけが出入りする | その検索語の上位10件 |
Googleの変動 | 関係ない分野も同じ日に動く | 公式の障害・更新情報とSEOニュース |
自分の改修 | 直した日の直後に下がった | 自分の更新記録 |
ペナルティ | GSCに通知が届いている | GSCの手動による対策 |
計測のずれ | ツールだけが動き、GSCは動かない | GSCの日付ごとの表示 |
見るのは「自分の記事と一緒に、何が動いたか」だけです。一緒に動いたものが分かれば候補が絞れます。
公開されている相談も同じところで迷っていた
公開されている相談を読むと、迷っている点は共通しています。「公開して1週間ほど2位だった記事が、急に出なくなった」「ペナルティなのか、様子を見ればいいのか分からない」。候補は頭に浮かんでいるのにどれか決められない。決められないまま直すと、次に下がったときも同じところで迷います。
Googleハネムーンではない候補1:Googleの順位変動は、9/4に落ちて9/13に戻った
- 9月に名前の付いたアップデートは無い
- 9/4前後の下落は9/13に戻ったと報告
- アームのGSCも同じ日付で動いた
9月に、Googleが名前を付けたアップデートはありません(9/19時点)。直前の公認は8月のスパムアップデートで、太平洋時間の8/18〜8/21です(出典:Google Search Status Dashboard)。じゃあ9月は静かだったのかというと逆でした。
米国のSEOニュースサイトSearch Engine Roundtableは9/14に、9/3〜9/4ごろ大きく順位を落としたサイトの一部が、9/13に完全に戻ったと報じています。Googleは認めていません(出典:Search Engine Roundtable)。
アームの記事も同じ日付で下がって戻った
アームのGSCにも同じ日付が残っていました。「studio drop」の平均順位は、9/3の7.0位から、9/4に8.8位へ。そして9/13を境に上向いています。
日 | 記事全体 | 本体クエリ |
|---|---|---|
9/3 | 6.1位 | 7.0位 |
9/4 | 6.2位 | 8.8位 |
9/9 | 7.3位 | 8.8位 |
9/13 | 6.7位 | 6.7位 |
9/15 | 3.3位 | 5.5位 |
9/16 | 4.7位 | 5.0位 |
見分ける目印は関係ない分野も同じ日に動いたか
見分けるコツは、関係ない分野の記事まで、同じ日に動いたかどうかです。公認のアップデートならSearch Status Dashboardに載ります。載っていなければ、SEOニュースが同じ日付を挙げていないかを探します。業界ごと揺れているなら、自分の記事のせいではありません。
Googleハネムーンではない候補2:自分の改修。直した日と下がった日が近い
- アームも期間中に本文を4回直した
- 直すと下がった理由が追えなくなる
- 直して戻った例も、さらに落ちた例もある
私は期間中に測っている記事そのものを4回直しました。9/4に全面改稿、9/5に1節の差し替え、9/17に事実の更新、9/18に表記の統一です。9/4の下落がGoogleのせいなのか、私の全面改稿のせいなのか、今も分かりません。測っている本人が条件を自分で崩していたわけです。
直した直後に消えたという相談もある
公開されている相談にも同じ構図が並んでいます。「順位が上がってきたところでサイトの構造を直したら、検索から消えた」「落ちた記事を取り戻そうと編集したら、翌日さらに消えた」。逆に「新記事とリライトをしたら、しばらくして過去最多まで戻った」という報告もあります。
直して戻るか、もっと落ちるかは、直す前には分かりません。直した日を記録していないと、次に下がったとき「自分の改修」を候補から外せません。
Googleハネムーンではない候補3:ペナルティは、GSCに通知が届く
- 手動の対策はGSCのレポートで分かる
- 担当者が目で審査して下すもの
- 何も届いていなければ手動の対策ではない
ペナルティは、5つの候補の中で、GSCの画面で有無を確かめられる候補です。
Googleの公式ヘルプによると、手動による対策は、担当者がページを目で審査し、スパムに関するポリシーに沿っていないと判断したときに下されます。受けると、GSCの「手動による対策」レポートとメッセージに通知が届きます(出典:Search Console ヘルプ)。
何も届いていなければ、少なくとも手動のペナルティではありません。今回のアームの記事には通知は届いていません。怖がる前にGSCを1画面開く。それで候補が1つ消えます。レポートに出ないアップデートのような変更は、候補1と同じく日付で照らし合わせます。
Googleハネムーンではない候補4:計測のずれ。ツールと見る環境で順位が変わる
- 検索結果のリンクがgoogle.com/goto経由に
- 見る環境で6位と3位の差が出た
- GSCでも埋まらない検索語がある
見落としやすいのがこれです。下がったのは順位ではなく、ツールの数字だけ、ということがあります。
今回の計測期間は、順位ツールそのものが揺れていた時期でした。Googleは検索結果のリンクを、行き先のURLを直接持つ形から、google.com/goto を経由する形に切り替えていました。ツールは検索結果のページを読んで順位を数えるので、どのリンクがどのサイトなのか、ツールから見えにくくなったわけです。Googleはこの変更について、Search Engine Landの取材に「進化する形態の濫用に対して技術的な対策をとってきた」と答えています(出典:Search Engine Land)。
ツール側の修正は計測期間の真ん中に来た
SerpApiは9/5に、この変更への対応を終えたと公式ブログで発表しました(出典:SerpApi)。Nozzleは、5ページ分の順位を確定させるのに500〜1,000回のリクエストが要るようになったと説明しています(出典:PPC Land)。アームが使っているラッコキーワードでも、9/7の順位取得に約3時間かかりました(原因は確かめていないので、gotoとの関係は分かりません)。
目で数えても見る環境で順位が変わった
ツールを使わず目で数えてもずれます。9/5にアプリ内ブラウザで見た「とは」「使い方」は6位。前日にシークレットウィンドウで見たら、3位と2位でした。アプリ内ブラウザには、名前が同じ別の会社が混ざっていたんです。画面が違えば順位も違います。GSCでも、急落したと相談した人が、表示期間が「24時間」のままだと指摘されていた例がありました。
1日抜けた9/6は予測で埋めずにGSCで見た
実は9/6だけ測っていません。前後の日から予測で埋めることもできました。でも1日でも予測を混ぜたら、残り10回の実測まで信用を失います。
代わりにGSCの9/6を見ると、本体は平均7.4位、料金は1.0位。前後と矛盾しません。ただ、移行・評判・レビュー・使い方の4語は、GSCの行に出てきませんでした。9/1〜9/16の記事のクリックは201あるのに、検索語ごとの行に出ているのは89だけ。検索数の少ない語は、GSCが行に出さずにまとめてしまうんです。この4語の9/6は計測なしのままにしています。
今回基準にしたのはGSCでした。ツールの数字とGSCがずれたらGSCを先に見る。GSCが動いていなければ記事は触りません。
Googleハネムーン明けに待つか直すか。待つ目安と先に直すもの
- 待つ目安は実測で9日〜10日以上
- 先に直すのは事実の誤りだけ
- 直す日は記録してから直す
ペナルティと計測のずれを消せたら、残りはハネムーン明けか、Googleの変動か、自分の改修です。今回9/4に下がった順位が上向くまでに9日。記事Eは10日以上1位に座っています。ハネムーン明けに見える下落でも1〜2週間は待つ。18日間のデータから言える目安はここまでです。
Googleハネムーン明けを待つあいだに直してよいのは、事実の誤りだけ
一度すべての検索語から消えた記事Aは、料金を「公式に発表されていません」と書いていました。料金は公式ヘルプに載っています。Googleは理由を説明しないので、この誤りが原因とは言えません。でも公式と食い違う記述は、順位と関係なく直すものです。
「記事Bは数日で沈む」という予想は外れた
9/4の時点で、私は「記事Bは数日で沈む」と踏んでいました。一次情報が無く、料金の金額も公式と違っていたからです。結果、記事Bは残り、消えたのは記事Aのほう。予想は外れました。AとBの公開日は1日しか違いません。ハネムーンのあとに残るかどうかは、公開日の近さでは決まっていませんでした。
直すと決めたら直した日と中身をメモしてから直す。それだけで次に下がったときの候補が1つ減ります。
Googleハネムーン明けも残った検索語に、共通していたこと
- 料金・移行・評判・レビューは1〜2位
- 4語とも実測か公式ヘルプで書いた節
- 料金は9/2にクリック率37.5%
18日間、1〜2位に残ったのは、料金・移行・評判・レビューの4語でした。記事の中でこの4語に答えている節は、どれも公式ヘルプの料金表か、発表当日に189ページを移行した実測で書いた節です。4位まで下がった「とは」「使い方」は、定義と活用シーンの節でした。
1本の記事の観察なのでこれが理由だとは言いません。ただ、料金の語は9/2に表示32回でクリック12回、クリック率37.5%でした。上がった順位が運だったのか、読まれた結果だったのか。見分けたいなら、順位より先にクリック率を見るほうが確かです。
順位が下がった日に避けたいのは、原因が分からないまま直すことです。
よくある質問
Googleハネムーンの期間はどれくらいですか?
Googleハネムーンに決まった期間はありません。Googleは新しいページを意図的に押し上げてはいないと説明しています(2021年)。今回の実測では、同じ週に出た記事でも、1日で終わったものと10日以上続いたものがありました。
ペナルティとGoogleハネムーン明けは、どう見分けますか?
GSCの「手動による対策」を開きます。手動による対策ならそこに通知が出ます。何も出ていなければ手動のペナルティではないので、ハネムーン明け・Googleの変動・自分の改修・計測のずれの4つから切り分けます。
順位チェックツールの数字が空欄になるのはなぜですか?
2026年8月ごろから、Googleの検索結果のリンクが google.com/goto を経由する形に変わり、ツールが順位を読み取りにくくなったためです。各ツールは順次対応しています。数字が欠けた日はGSCの平均順位で補えます。
順位は変わらないのに、クリックが減ったのはなぜですか?
検索結果にAI Overview(AIによる概要)が入った可能性があります。今回も9/10から本体の検索語にAI Overviewが出るようになり、9/11には「評判」で1位なのに、AI Overviewの出典の1番手は別の記事でした。1位でもAI Overviewの出典まで取れるとは限りません。関係はAEOとは?SEO・GEO・AIO・LLMOとの違いで整理しています。
Googleハネムーンの間に、やっておくことはありますか?
順位を測る環境と直した日の記録。この2つを決めておくことです。シークレットウィンドウとGSCの日別データのどちらを正とするかを先に決めておくと、ハネムーンが終わって順位が動いたときに、計測のずれと自分の改修を、候補から消せます。


