aaam
ホームページ制作

Webアクセシビリティ対応は何から始める?自社サイトを1日で改善した実測記録

Webアクセシビリティ対応は何から始める?自社サイトを1日で改善した実測記録

アーム代表の伊藤です。
Webアクセシビリティ対応は、いきなり修正から入らず、ガイドブックで全体像→診断→優先順位→修正→方針公開の5ステップの順で進めます。自分でやる最小セットは3つで、Tabキー操作・画像の代替テキスト・コントラスト比4.5:1です。

アームは自社サイト(aaam.jp)をこの順番で対応し、診断から方針公開まで実働1日でした。この記事は順番と項目を先に見せ、実測の経緯と義務化の正確なところは畳んで読める構成にしています。

始める順番は5ステップ。まず自分でやるのは3つ

  • 対応手順はガイドブック→診断→修正→公開の順
  • 対象はTabキー操作とコントラスト比4.5:1
  • アーム実例は診断から公開まで1日で完了

Webアクセシビリティ対応は順番が大切で、いきなり修正から入ると優先順位を誤ります。アームが自社サイトで実践した順番はこの5つです。

ステップ

やること

要点

ステップ1

公式ガイドラインで全体像をつかむ

原文でなくガイドブックから

ステップ2

現状を診断する

無料診断+キーボード確認

ステップ3

目標レベルと優先順位を決める

多くはWCAG AA相当

ステップ4

修正して検証する

テーマ別に直し都度再診断

ステップ5

方針を公開して継続する

未完了でも先に方針公開

  • ステップ1:デジタル庁の「ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック」を読む。WCAGやJISの原文に最初から挑まない
  • ステップ2:無料ツールの機械診断と、キーボードだけで主要ページを操作する手動確認を組み合わせる
  • ステップ3:一般的な企業サイトならWCAGのレベルAA相当。画像の代替テキストとコントラストがたいてい先頭
  • ステップ4:テーマごとに分けて直し、修正のたびに再診断して数値の変化を記録する
  • ステップ5:対応が全部終わっていなくてもウェブアクセシビリティ方針を公開し、継続の宣言にする

まず自分でやるのは、3つだけ

このうち、自分でやる場合の最小セットは次の3つです。

  • マウスを使わずTabキーだけで問い合わせ完了まで到達できるか
  • 主要ページの画像に適切な代替テキストがあるか
  • 小さい文字のコントラスト比が4.5:1以上あるか

この3つを通るだけで、多くのサイトは平均を超えます。アームの自社サイト(約20テンプレート)では、この順番で診断から方針公開まで実働1日でした。

義務化されたのは、対応そのものではない

義務かどうかについて

Webアクセシビリティ対応そのものは義務化されていません。2024年4月に義務になったのは個別の申し出に応じる「合理的配慮の提供」で、サイトの事前対応は努力義務、罰則もありません(2026年8月時点)。正確なところは後半の「義務なのか」で整理しています。

Webアクセシビリティ対応、5ステップの中身を順に見る

  • 最初の資料はデジタル庁ガイドブック1つ
  • 目標はWCAGレベルAA相当
  • 方針公開は未完成でも出せる

自社での実践を踏まえて、5つのステップの中身を順に説明します。

ステップ1 公式ガイドラインで全体像をつかむ

最初に読むべき資料は1つだけです。デジタル庁の「ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック」(デジタル庁、2025年10月16日版)で、専門用語を避けた図解中心の構成になっており、民間企業の利用も想定されています。

WCAGやJISのガイドライン原文に最初から挑むのは遠回りなので勧めません。ガイドブックで全体像をつかんでから、必要な達成基準だけ原文にあたるのが効率的です。

ステップ2 無料ツールと手動確認で、現状を診断する

次に、自社サイトの現状を把握します。後述する無料チェックツールでの機械診断と、キーボードだけで主要ページを操作してみる手動確認を組み合わせます。診断の目的は完璧なリストではなく、「重大度の高い問題がどこに集中しているか」をつかむことです。

ステップ3 影響が大きく直すコストが低いものから決める

診断結果をもとに、目標とする適合レベルを決めます。一般的な企業サイトであれば、WCAGのレベルAA相当への配慮を目標にするのが現実的です。修正は「影響するユーザーが多く、直すコストが低いもの」からで、画像の代替テキストとコントラストはたいてい先頭に来ます。

ステップ4 テーマごとに直し、数値の変化を記録する

修正は一気にやろうとせず、テーマごとに分けて進めます。アームの場合は「動きへの配慮」「キーボード操作」「コントラスト」の3テーマに分けました。修正のたびにツールで再診断し、数値の変化を記録しておくと、後で方針ページや社内報告に使えます。

ステップ5 完璧でなくても、方針を先に公開する

最後に、対応の範囲と目標をウェブアクセシビリティ方針として公開します。方針の公開は「完璧になった宣言」ではなく「継続的に取り組む宣言」なので、対応が全部終わっていなくても出せます。むしろ先に出すことで、取り組みが社内の既成事実になります。

自社サイトのWebアクセシビリティ対応を1日でやってみた

  • 重大な問題は動き・操作・配色の3つ
  • コントラスト比は4.15から6.95に改善
  • 表記は「配慮」で「準拠」ではない

診断で見つかった重大度「高」の問題は3つ。対応後は小さい文字のコントラスト比が4.15:1から6.95:1になり、ブランドカラーは壊さずに基準をクリアできました。

診断で見つかった3つの穴

理屈だけでは進まないので、アームは自社サイト(aaam.jp)でWebアクセシビリティ対応を実際にやり切りました。調査から実装、検証、方針ページの公開まで実働1日です。

この章はその記録で、アームが検索した範囲では、同種の記事に実測値つきの実対応記録はほとんど見つかりませんでした。

まず診断です。デジタル庁のガイドブック(前述)とWCAGの達成基準をもとに自社サイトのコードを総点検したところ、「デザインの土台は問題ないが、体系的な穴が3つある」という結果が出ました。恥ずかしい話ですが、デザインを本業とするアームのサイトでもこうなります。

見つかった問題

内容

重大度

動きを止める手段がない

OSの視差軽減設定を無視

キーボードで完結しない

Escで閉じずフォーカスも不明

ブランド色のコントラスト不足

白背景4.15:1/基準4.5:1

そのほか

スキップリンク・10pxボタン等

  • 動きを止める手段がない:背景アニメーションや自動スライドが、OSの「視差効果を減らす」設定を無視して動き続ける
  • キーボードで完結しない:スマホ用メニューがEscキーで閉じない。フォーカスの行き先も管理されていない
  • ブランド色のコントラスト不足:小さい文字に使っていたブランドカラーが、白背景で4.15:1。基準の4.5:1にわずかに届かない
  • そのほか:本文へのスキップリンクがない、タップ領域が10pxしかないボタンがある、など

細かい発見もありました。たとえば「戻る」ボタンです。矢印アイコンの代替テキストに「戻る」と書き、その隣に「戻る」という文字も置いていたので、読み上げ環境では「戻る 戻る」と二度読まれる状態でした。

壊れてはいないが、耳で使うと少し恥ずかしい。こういう問題は画面を見ているだけでは一生気づけません

対応のBefore/Afterを数値で確認する

次に対応です。主な項目のBefore/Afterを数値で示します。

対応項目

Before

After

小さい文字のコントラスト比(白背景)

4.15:1(基準未達)

6.95:1(基準クリア)

一覧スライダーの操作ボタンのタップ領域

10px

24px以上(その後スライダーごと廃止)

OSの「視差効果を減らす」設定への追従

0箇所

全アニメーションで対応

スマホ用メニューのキーボード操作

Escで閉じない

Escで閉じ、フォーカスも復帰

本文へのスキップリンク

なし

あり

アクセシビリティ検証の自動チェック

なし

開発工程に組み込み(違反ゼロで運用開始)

補足がひとつあります。この対応の直後、記事一覧の自動スライドはUIごと廃止しました。動きを止める手段を用意するより、そもそも動かないUIにする方がアクセシブルだからです。現在の記事一覧が静的な一覧になっているのは、この判断によるものです。

コントラスト比の数値は、色の明るさの差を表すWCAGの計算式によるものです。ブランドカラーを変えたわけではなく、同じ色相の一段濃い色を「小さい文字専用」として追加しました。並べて見ないと気づかない程度の差で、基準はクリアできます。

ブランドを壊さずに対応できるかは多くの担当者の方が心配する点ですが、実際にやってみて分かったのは「壊さずにできる」ということです。

方針の公開と「準拠」「配慮」の表記

最後に、対応内容をウェブアクセシビリティ方針として公開しました。ここで表記に注意が要ります。

「JIS X 8341-3:2016に準拠」と名乗るには規定の試験の実施が必要で、勝手には名乗れません(ウェブコンテンツのJIS X 8341-3:2016対応度表記ガイドライン、ウェブアクセシビリティ基盤委員会、2021年版)。

アームは試験を実施していないため「配慮」という表記を使っています。この使い分けを知らずに「準拠」と書いてしまうと、かえって信頼を損ねます。

無料ツールだけでできる、Webアクセシビリティチェックの組み合わせ方

  • 無料ツールは4種、自動診断と人力確認を併用
  • 自動チェックはキーボード操作を検出できない
  • 重大な不具合2件は手動確認で発見

Webアクセシビリティ対応のチェックは、無料ツールだけでもかなりの範囲をカバーできます。アームが実際に使っている組み合わせを紹介します。

ツール

何を調べられるか

補足

Lighthouse

アクセシビリティの自動採点

Chrome標準搭載/全体像把握向き

axe DevTools

違反箇所の詳細な指摘

ブラウザ拡張/検出ルール豊富

コントラストチェッカー

文字色と背景色の比率計算

WebAIMのContrast Checker/手戻り減

miChecker

JIS X 8341-3ベースの診断

総務省提供/公的機関の定番

同じLighthouseで測れる表示速度の指標、Core Web Vitalsの読み方はこちらのコラムで解説しています。

自動チェックには、届かない範囲がある

ただし、機械チェックだけで安心してはいけません。自動チェックで検出できるのは達成基準の一部にとどまり、キーボードで操作しきれるか、読み上げの順序が自然か、といった体験の核心部分は人間の確認が必要です。

健康診断で身長と体重だけ測って人間ドックを済ませた気になるようなもので、数値のよさは健康の証明にはなりません。

機械が拾えたのはコントラストだけだった

アームの実対応でも、この限界ははっきり出ました。コントラスト不足はツールが正確に指摘してくれた一方、重大度の高かった「メニューがEscで閉じない」「動きを止められない」は、どちらも手動の診断で見つけたものです。

重い問題ほど機械の網をすり抜ける、と考えておくくらいでちょうどよいと思います。

Webアクセシビリティ対応を外注すると費用はいくらかかるのか

  • 診断相場は1ページ25,000円〜
  • 『準拠』証明が必要な会社ほど外注が向く
  • 比較の軸はページ数・改修有無・再検査の3点

Webアクセシビリティ対応の外注で提示される数十万円の見積もりは、その大半が「診断と報告書」の費用で、サイトを直す作業そのものは含まれていないことが多いです。高いか安いかを判断する前に、その金額で何を買うのかを確認する必要があります。

専門会社が公表している価格を見ると、構造がつかめます(2026年8月時点)。

サービスの型

公表価格

含まれるもの

専門家による診断(レベルAA)

1ページ25,000円〜

報告書のみ/改修含まず

検査サービス

1ページ17,000〜28,000円

10p前提/再検査は上位のみ

  • 専門家による診断(レベルAA):該当箇所のスクリーンショットと問題点の解説、修正方法をまとめたPDF報告書。改修作業は含まれない(インフォアクシアの公表価格
  • 検査サービス:10ページの検査が前提で、初回検査は2週間程度。上位コースには再検査や方針書の作成支援が付く(BIPROGYチャレンジドの公表価格

高く見えるのは、人の手が入るからだ

10ページ診断してもらうだけで20万〜30万円になる計算で、数十万円という相場観はここから来ています。ぼったくりではなく、人手の判定に単価が付く構造です

「準拠」を名乗るための試験は、達成基準ごとにページを人の目で判定して記録する工程で、サイト全体からランダムに選んで試験する場合は40ページ前後が目安とされています(合否判定を行うために十分と言えるページ数、ウェブアクセシビリティ基盤委員会)。

ページ数と人手の時間が積み上がる仕事なので、正式にやるほど金額は伸びます。

判断を分けるのは、金額でなく目的だ

だから外注するかどうかの判断は、金額ではなく目的で分かれます。

  • 公共機関や大手企業との取引で、JIS X 8341-3:2016の「準拠」「一部準拠」の証明が求められている。この場合、規定の試験と結果の公開はワンセットの必要経費で、専門会社への外注が合理的です。
  • 証明までは要らず、まず使える状態にしたい。この場合、数十万円の報告書を買ってもサイトは1行も直りません。本記事の5ステップと無料ツールで診断まで自走し、直す作業に予算を使うほうが回収は早くなります。

見積もりを比べるときは「試験・診断は何ページか」「改修作業は含まれるか」「修正後の再検査はあるか」の3点で範囲を揃えてください。報告書は、直す人がいて初めて回収できる投資です。

Webアクセシビリティ対応は義務なのか

  • 義務化は個別対応、サイト整備は努力義務
  • 罰則は現時点で存在しない
  • JIS改正でWCAG2.2に近づく方針

義務になったのは個別の申し出に応じる「合理的配慮の提供」で、サイトの事前対応(環境の整備)は努力義務、罰則もありません(2026年8月時点)。ただし、これから始めるなら基準はWCAG 2.2で考えるのが二度手間を避けます。

義務化されたのは「合理的配慮の提供」

よくある誤解が「2024年からWebアクセシビリティ対応が義務化された」というものです。実際に義務化されたのは「合理的配慮の提供」であって、ホームページのアクセシビリティ対応そのものではありません

改正障害者差別解消法が2024年4月1日に施行され、民間事業者は、障害のある方から個別の申し出があったときに、負担が重すぎない範囲で対応すること(合理的配慮の提供)が義務になりました。

経緯は内閣府の「障害者差別解消法」のページ(内閣府、2024年施行)に整理されています。検索すると「2024年6月」のように違う月で書かれた記事も出てきますが、内閣府とe-Gov法令検索で確認できる施行日は2024年4月1日です。担当者間で日付を伝えるときは、この1日で揃えてください。

一方、ホームページをあらかじめアクセシブルに整えておくことは「環境の整備」にあたり、これは努力義務です。

法律の条文にも「環境の整備に努めなければならない」と書かれています(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律 第5条、e-Gov法令検索)。対応しないこと自体への罰則もありません(2026年8月時点)。

ではやらなくてよいかというと、そうは考えていません。アクセシビリティの低いサイトは「画像の内容を教えてほしい」といった個別の申し出が発生しやすく、そのたびに義務である合理的配慮としての対応コストが生じます。

あらかじめ整えておくことは、個別対応という負債を先に返しておくことに近い行為です

2026年のJIS改正で基準はWCAG 2.2に近づく

もうひとつ、これから対応する方が知っておくべき動きがあります。

日本の規格であるJIS X 8341-3は2016年版が現行ですが、最新の国際規格ISO/IEC 40500:2025との一致規格とする方針で、改正原案の作成委員会が発足しています(JIS X 8341-3改正原案作成委員会 発足のお知らせ、ウェブアクセシビリティ基盤委員会、2025年)。

このISO/IEC 40500:2025は、W3Cの公式ページが「WCAG 2.2の2023年10月版と全く同じ」と明記している規格です。

つまり、今からWebアクセシビリティ対応を始めるなら、最初からWCAG 2.2基準で考えるのが二度手間を避ける選択です。タップ領域の最小サイズなど、WCAG 2.2で加わった基準は、前述の実践記録にも反映しています。

Webアクセシビリティ対応とは、障害者だけの話ではない

  • 対象は障害者だけでなく全ユーザー
  • 原則は知覚・操作・理解・堅牢の4つ
  • アクセシビリティは土台、ユーザビリティはその上

障害のある方向けの特別対応ではなく、老眼の方からキーボードだけで操作する方まで、全ユーザーの利用品質の話です。

老眼やマウスが使えない人も含む、誰のための対応か

Webアクセシビリティ対応とは、年齢や身体条件、利用環境にかかわらず、誰もがホームページの情報を取得・操作できる状態に整えることを指します。「障害のある方向けの特別対応」と思われがちですが、実際は違います。

老眼で小さい文字がつらい方、強い日差しの下でスマホを見る方、マウスが使えずキーボードだけで操作する方まで、全ユーザーの利用品質の話です。

建物にたとえると分かりやすいと思います。入口にスロープを付けるのは車いすの方のためですが、実際にはベビーカーの親も、キャリーケースを引いた出張帰りの人も使います。Webアクセシビリティ対応もそれと同じで、対応した分だけ「使える人」と「使える場面」が広がります。

Webアクセシビリティの4原則

Webアクセシビリティの国際的な基準であるWCAG(Web Content Accessibility Guidelines)は、要件を4つの原則に整理しています。JIS X 8341-3という日本の規格も、中身はこのWCAGと一致しています。

原則

意味

代表的な例

知覚可能

情報が見える・聞こえる形で提供されている

画像の代替テキスト、文字と背景のコントラスト

操作可能

どんな入力手段でも操作できる

キーボードだけで全機能が使える、点滅や自動再生を止められる

理解可能

内容と操作が理解できる

分かりやすいリンク文言、エラー時の案内

堅牢(けんろう)

どんな環境でも解釈できる

スクリーンリーダーが読める正しいHTML

ユーザビリティとの違いは、対象の広さにある

Webアクセシビリティとユーザビリティの違いは、対象の広さにあります。ユーザビリティは「主な利用者にとっての使いやすさ」を高める話で、Webアクセシビリティは「そもそも使える人の範囲」を広げる話です。

土台としてアクセシビリティがあり、その上にユーザビリティが乗る関係なので、対立するものではありません

Webアクセシビリティ対応でよくある失敗

Webアクセシビリティ対応の失敗には型があります。アームが他社サイトの分析や自社対応で実際に見てきたものを挙げます。

  • ツールのスコアだけを目標にする。スコア100点でもキーボードで操作できないサイトは作れてしまいます
  • 「準拠」を試験なしで名乗る。前述のとおり表記ルール違反で、指摘されると信頼を失います
  • オーバーレイツール(後付けのアクセシビリティ改善ウィジェット)だけで済ませる。根本のHTMLが直っていなければ、支援技術との相性問題はむしろ増えることがあります
  • 一度対応して終わりにする。サイトは更新のたびに劣化します。アームは検証をコードの自動チェックに組み込み、更新のたびに違反が検出される体制にしました。
  • デザイン改修と切り離して考える。コントラストやタップ領域はデザインの話なので、リニューアルのタイミングで一緒にやるのが最も安上がりです。サイトの品質改善という意味では、サイトの表示速度改善|目安はLCP2.5秒、重い原因の切り分けと直し方と同じ構図です。

アクセシビリティの対応は、サイトリニューアルのタイミングで一緒に検討すると効率的です。進め方は、こちらのコラムにまとめています。

アームがWebアクセシビリティ対応を、法令対応でなく整備と捉える理由

  • 位置づけは法令対応でなく整備
  • 公共・大手案件でJIS要件化が増加
  • デザインと実装コードを同期運用

アームはWebアクセシビリティ対応を、法令対応のコストではなく「取りこぼしていたユーザーを拾う整備」と捉えています。

高齢のユーザー、モバイルの悪条件下のユーザー、そして読み上げ技術でページを解釈するAI検索まで、アクセシブルなHTMLの恩恵を受ける相手は年々増えています。

取引の面でも、公共機関や大手企業の案件ではJIS対応が要件に入ることが増えており、対応力の有無が商談機会そのものを左右します

こだわりは、デザイン段階からの一貫性

もうひとつ、アームはデザイン段階からの対応にこだわっています。コントラストもタップ領域も、コードを書く前のデザインデータの時点で決まります。

アームはデザインツールの色や余白の定義と実装コードを同期させる運用にしており、デザインの修正が自動的に実装の修正候補になります。作ってから直すのではなく、直った状態で作る。この順序が、対応コストを最も小さくします。

自社サイトの診断から始めたい方は、Webアクセシビリティ対応の現状診断について相談するからご連絡ください。いまの状態を把握するところからで構いません。

よくある質問

Webアクセシビリティの4原則とは何ですか?

知覚可能・操作可能・理解可能・堅牢の4つです。国際基準のWCAGが定めた分類で、日本のJIS X 8341-3も同じ枠組みを使っています。詳しくは本文の表で整理しています。

Webアクセシビリティ対応はいつから義務化されましたか?

Webアクセシビリティ対応そのものは義務化されていません。2024年4月に義務化されたのは、障害のある方からの個別の申し出に対応する「合理的配慮の提供」です。サイトを事前に整える「環境の整備」は努力義務です。

対応しないと罰則はありますか?

対応しないこと自体への罰則はありません(2026年8月時点)。ただし合理的配慮の提供は法律上の義務なので、個別の申し出を正当な理由なく拒み続けることには法的リスクがあります。

費用や期間はどれくらいかかりますか?

サイトの規模と目標レベルで大きく変わります。目安として、アームの自社サイト(約20テンプレート)では診断から方針公開まで実働1日でした。既存サイトの構造が複雑なほど膨らむため、まず診断で規模感を確定させるのが安全です。外注する場合の価格の構造は、本文の費用の章で整理しています。

ユーザビリティ対応とは何が違いますか?

ユーザビリティは主な利用者の「使いやすさ」を高める話、Webアクセシビリティは「使える人の範囲」を広げる話です。土台がアクセシビリティ、その上がユーザビリティという関係です。

無料でWebアクセシビリティをチェックできるツールはありますか?

あります。ChromeのLighthouse、ブラウザ拡張のaxe DevTools、総務省のmiCheckerなどが無料で使えます。本文の比較表で用途別に整理していますが、機械チェックで見つかるのは問題の一部である点にはご注意ください。

Webアクセシビリティ対応は、Tabキーだけの操作確認という一番安い一歩から始まる

Webアクセシビリティ対応は、公式ガイドラインで全体像をつかみ、無料ツールと手動で診断し、優先順位をつけて修正し、方針を公開する。この順番です

義務化されたのは合理的配慮の提供で、事前対応は努力義務です。ただしJIS改正でWCAG 2.2ベースの時代が来るため、始めるなら基準は2.2で考えてください。まずはお使いのサイトをTabキーだけで操作してみてください。それがいちばん安い第一歩です。

アームでは、ホームページ制作の一環として、アクセシビリティを含むサイト品質の診断と改善を行っています。自社での対応に限界を感じたら、よければご相談ください。

関連するお悩み

関連するコラム