
アーム代表の伊藤です。
「技術には自信がある。加工精度でも納期でも負けない。それなのに、ホームページから問い合わせが来たことは一度もない」。製造業のお客様のホームページ制作のご相談で、繰り返し聞いてきた言葉です。
原因の多くは、技術力の不足ではなく翻訳の不足にあります。図面を読める人にしか伝わらないサイトは、発注権限を持つ人の稟議を通れません。製造業のホームページ制作で成果を分けるのは、デザインの華やかさではなく「技術を発注者の言葉に翻訳できているか」です。
この記事では、製造業のホームページ制作の費用相場と、技術力が伝わるサイトの具体的な条件を解説します。10年前に作ったサイトをそろそろ何とかしたい、という方に向けて書きました。
こんな方におすすめのコラムです
- 製造業のホームページ制作の費用相場が分からず、稟議の予算枠を決められない方
- 技術力はあるのに、ホームページからの新規問い合わせがゼロに近い方
- 既存の取引先への依存から抜けたくて、新規開拓の手段を探している経営者・営業責任者の方
- 製造業のホームページ制作会社をどう選べばいいか迷っている方
- 10年前に作ったホームページのリニューアルを任された担当者の方
製造業のホームページは必要か。営業装置として考える
製造業のホームページは、会社案内のデジタル版ではなく営業装置として考えると答えが出ます。「持つべきかどうか」はもう論点ではありません。総務省の令和6年通信利用動向調査(2025年公表)では、自社ホームページを開設している企業の割合は93.2%です。常用雇用者100人以上の企業が対象の調査なので中小企業がすべて含まれる数字ではありませんが、発注側の企業から見れば「ホームページがあるのは当たり前」の環境がすでにできあがっています。
つまり、持っているだけでは何の差にもなりません。差がつくのは、発注側の調べ方の変化に対応しているかどうかです。
発注側の担当者は世代交代が進み、新しい調達先の候補はまず検索で探されます。展示会で名刺交換をしても、ブースを離れた後にホームページで下調べされてから、比較の土俵に載るかが決まります。このときサイトが10年前のままだと、技術力とは無関係に「この会社は大丈夫か」という不安を先に与えてしまいます。
投資額の考え方はシンプルです。新規取引先が1社増えたときの年間粗利を計算してみてください。仮に年間300万円の粗利を生む取引先を1社獲得できるなら、その受注の入口になるホームページに100万円台を投じる判断は、営業1人の採用と比べてもけっして高くありません。ホームページ制作の費用は、制作物の代金ではなく新規開拓の営業投資として桁を考えるのが実務的です。
製造業のホームページ制作の費用相場
製造業のホームページ制作の費用相場は、公的な統計が存在しないため、正確には「各社の料金の分布」しか語れません。そのうえで、アームが相見積もりの場で見てきた範囲と自社の料金をあわせて、規模別の目安を示します。
規模・内容 | 費用の目安 | 想定される中身 |
|---|---|---|
テンプレート・簡易制作 | 〜50万円前後 | 既存デザインの流用。構成の設計はほぼ無し |
小規模サイト(5〜10ページ) | 50万〜100万円前後 | 設計+オリジナルデザイン。ノーコード実装も含む |
中規模サイト(10〜30ページ) | 90万〜300万円前後 | 戦略設計・取材・撮影を含む本格制作 |
大規模・多言語・システム連携 | 300万円〜 | 多言語展開、検索機能、基幹連携など |
アームの公式料金では、コーポレートサイト制作が10〜15ページで90万円〜、Studio・Framerによる中規模サイトが70万円〜です(2026年7月時点・税別・下限表記)。内訳の考え方は費用と相場の考え方で公開しています。
注意してほしいのは、製造業のホームページ制作では「ページ数」より「取材と翻訳の工程」が費用を左右することです。技術情報を発注者の言葉に置き換えるには、現場を見て、職人の話を聞き、何が強みなのかを外部の目で言語化する工程が要ります。安い見積もりの多くは、この取材工程を「原稿はお客様支給」として外に出しています。原稿を書き慣れていない現場にとって、この宿題が一番重いのです。
技術力が伝わる製造業のホームページの条件
技術力が伝わる製造業のホームページとは、専門知識のない発注担当者が「この会社なら任せられそうだ」と稟議書に書ける材料が揃っているサイトのことです。アームの実案件で効果を確認してきた条件を4つに絞ります。
加工事例を「何ができたか」ではなく「何を解決したか」で語る
事例ページの型を「材質・寸法・精度」の羅列から、「お客様がどんな課題を持ち込み、どう解決したか」の物語に変えます。発注担当者が探しているのは加工スペックそのものではなく、「うちと似た課題を解決した実績があるか」だからです。守秘義務で社名を出せない案件でも、「業界・課題・解決の切り口」の3点なら書ける場合がほとんどです。
数値と設備は表で即答する
対応素材、加工可能寸法、公差、ロット、リードタイム、保有設備。発注側が比較表を作るときに必要な情報は、探させずに表で出します。ここが曖昧なサイトは、比較の土俵から静かに外されます。技術に自信がある会社ほど「問い合わせをもらえれば答えられる」と言いますが、問い合わせの前に落選しているのが実態です。
選定理由と設計判断を言語化する
「なぜその工法を選んだのか」「なぜその材料を提案したのか」という判断の理由こそ、他社が真似できない技術力の証明です。実際の案件で、ある加工会社のサイトを拝見したとき、実績写真は立派なのに、どの案件も「弊社の技術で対応しました」の一文で終わっていました。もったいない典型例です。判断の中身を1段だけ開いて書くと、同じ実績が営業資料に変わります。
工程と人を見せる
工場の様子、検査の風景、担当者の顔。BtoBの発注は金額が大きく、失敗したときに担当者個人の責任問題になります。だから発注側は「変な会社ではないか」を確認できる材料を探しています。きれいな完成品写真だけのサイトは、料理の写真しかないレシピ本のようなもので、プロセスへの信頼を作れません。
製造業のホームページで問い合わせを増やす導線
製造業のホームページ制作では、見せ方と同じくらい「問い合わせの手前」の設計が効きます。発注側の行動を想像すると、必要な部品が見えてきます。
- 図面・仕様書を添付できる見積もりフォーム。電話だけの窓口は若い担当者に敬遠されます
- 会社案内・設備一覧のPDFダウンロード。稟議で回覧される前提の資料です
- よくある質問。ロット、支払条件、秘密保持契約の可否など、聞きにくいことを先に答えます
- 認証・許認可の明示。ISOなどの認証は、担当者が稟議書に書ける客観的な根拠になります
ここで大事なのは、問い合わせの心理的ハードルを下げることです。「まずは図面をお送りください。見積もり可否を2営業日で返信します」のように、次の一歩を具体的に書くだけで、フォームの働きは変わります。
なお、会社の顔となるメッセージや強みの整理から必要な場合は、ホームページ制作の前段でブランディングを整理する選択肢もあります。考え方は製造業のブランディングとは?価格競争を抜けて『指名される会社』になる進め方にまとめています。
製造業のホームページ制作会社の選び方
製造業のホームページ制作会社を選ぶ基準は、「製造業の実績があるか」だけでは足りません。見るべきは、課題解決の意図が読み取れるかどうかです。
よくある誤解を1つ。「製造業に特化した制作会社に頼めば安心」。特化会社には業界知識の蓄積という強みが確かにあります。一方で、テンプレート化された「製造業らしいサイト」の量産に寄っている会社もあり、それでは競合と同じ見た目になって、差別化という本来の目的から遠ざかります。特化かどうかより、次の3つを提案の場で確認してください。
- ヒアリングで「誰から、どんな問い合わせを増やしたいか」を最初に聞いてくるか
- 事例の説明が「作った」ではなく「どんな成果につながったか」で語られるか
- 見積もりに取材・原稿作成の工程が含まれているか、支給前提か
この3つが揃っていれば、製造業の経験が浅くても外れにくいというのが、私たちの実感です。むしろ業界の外の目があるからこそ、社内では当たり前すぎて気づかない強みを拾えることもあります。
制作会社の選び方は、BtoBサイト制作の費用相場と発注の判断基準|問い合わせにつながる設計でも詳しく解説しています。
見積もりの前に、いまのサイトの何が問題かを整理したい段階でも構いません。製造業のホームページ制作について相談するからお送りください。現状サイトの課題の見立てからお手伝いします。
よくある質問
製造業のホームページ制作の費用はいくらですか?
設計から作るなら50万〜300万円前後が実務でよく見る範囲です。ページ数よりも、取材・原稿作成・撮影をどこまで制作側が担うかで変わります。アームではコーポレートサイト制作90万円〜、ノーコードでの中規模サイト70万円〜です(2026年7月時点・税別)。
製作期間はどのくらいかかりますか?
10ページ前後のサイトで2〜4ヶ月が目安です。製造業の場合は工場撮影と技術取材の日程調整が加わるため、繁忙期を避けた計画をおすすめします。
技術に自信はあるが、写真や原稿が何もありません。
問題ありません。というより、それが普通です。取材と撮影から入れる制作会社を選べば、現場の言葉を引き出して原稿化するところから任せられます。見積もり時に「原稿支給か、取材込みか」を必ず確認してください。
問い合わせが来るまでどのくらいかかりますか?
公開してすぐ問い合わせが増えるケースは稀で、検索経由の流入が育つまで半年から1年は見てください。その間も、展示会や名刺交換後の「下調べの受け皿」としては公開初日から機能します。効果を焦って判断しないことが大切です。
多言語対応はした方がいいですか?
海外取引の実績や引き合いが実際にあるなら検討する価値がありますが、「いつか役立つかも」で最初から作るのはおすすめしません。まず日本語で問い合わせの取れる構造を作り、需要が確認できてから追加する順番が、費用対効果の面で堅実です。
まとめ
製造業のホームページ制作で成果を分けるのは、技術力の翻訳です。発注担当者が稟議書に書ける材料、つまり課題解決の事例、即答できるスペック表、判断理由の言語化、工程と人の見える化を揃えること。費用相場は50万〜300万円前後と幅がありますが、差が出るのは取材と翻訳の工程にどれだけ厚みがあるかです。
ホームページは営業装置です。新規取引先1社の年間粗利から逆算すれば、かけていい金額は自ずと決まります。まずは自社サイトを「発注担当者の目」で開いて、稟議に使える材料が何個あるか数えるところから始めてみてください。
製造業のホームページ制作について相談したい方へ
アームは、事業課題の因数分解から設計する東京・三軒茶屋のデザインスタジオです。製造業を含むBtoBの商談獲得を目的としたサイト設計はBtoBサイト制作で支援内容を公開しています。
ディレクター不在の一気通貫体制なので、課題を直接聞いたデザイナーがそのまま設計まで担当します。初回ヒアリング(30〜60分)は無料です。製造業のホームページ制作について相談するからご連絡ください。




