
アーム代表の伊藤です。
「サーチコンソールに生成AIレポートが増えて、1万回と出ている。これは喜んでいい数字なのか」。開いた人が最初に持つ問いです。答えはまだ喜べません。表示回数は読まれた回数ではないからです。
この記事は、アームが自社のサーチコンソールを開いて確かめた見方の手順です。3ステップで読めるようになります。途中で、AI対策の記事より偽装請負を書いた記事のほうが生成AIレポートの回数が多かったという、アームの勘違いの話もします。
サーチコンソールの生成AIレポートの見方は3ステップ
Step1. サーチコンソールの生成AIレポートを開き、数字が1種類だと知る
サーチコンソールの左のメニューで「検索パフォーマンス」を開くと中に「生成 AI」があります。正式名は生成AIパフォーマンスレポートで、期間は3か月にします。
身構えて開くと拍子抜けします。数字は「表示回数」(インプレッション)の1種類だけです。
生成AIレポートで | 中身 |
|---|---|
分かること | ページ・国・デバイス・日ごとの表示回数 |
分からないこと | クリック数・検索語・読まれたかどうか |
分けられないこと | AI OverviewとAIモードの内訳 |
対象外のもの | ChatGPTなどGoogleの外のAI |
2026年11月1日にサーチコンソールの画面とヘルプで調べました。AIに聞かれた質問も押された回数も、サーチコンソールのこの画面には書いてありません。
Step2. 生成AIレポートの「日」で、サーチコンソールの山と谷を見る
「日」のタブでは増えたかどうかより山と谷の形を見ます。サーチコンソールで調べたアームの実測では、10月1日の木曜が248回で、10月3日の土曜は49回でした。
週末に5分の1まで落ちてもたぶん事故ではありません。3か月の実測を曜日で平均すると土曜は52回で、火曜は162回でした。サーチコンソールの日付は太平洋時間なので日本の曜日とは少しずれます。
最も高かったのは9月15日の310回です。何があったのかは分かりません。生成AIレポートに検索語が無いので、どの質問で増えたのかは調べようがないのです。
Step3. 生成AIレポートの「ページ」を、サーチコンソールの通常検索と2列に並べる
サーチコンソールの1.11万回という合計を眺めても、アームは次に何をするか決められませんでした。決められたのはページごとの2列を作ったときです。
- 生成AIレポートの「ページ」を書き出す
- サーチコンソールの通常の検索パフォーマンスから同じ期間の「ページ」を書き出す
- 記事をそろえ、生成AIレポートの回数÷通常の表示回数を出す
3つ目の割り算は分母が少しずるいです。通常の表示回数は「ウェブ」の数字で生成AIの分も入っているので、答えは占有率ではなく記事どうしを比べる目安です。
サーチコンソールの生成AIレポートの2列で記事は4つに分かれる
右の列はアームが勝手に引いた線で、Googleの基準ではありません。
2列の並び | アームの例 | 次にやること |
|---|---|---|
通常も生成AIレポートも多い | Framerとは | 相談フォームへ進めるか確かめる |
通常の割に生成AIレポートが多い | TOFU・MOFU・BOFUとは | 本文の組み立てを読み返し、他の記事に使える形を探す |
通常は多いが生成AIレポートは少ない | GEOとは | 本文を読み直す |
通常も生成AIレポートも少ない | AIO対策のやり方 | 先に通常検索の表示が少ない理由を調べる |
気まずいのは3行目です。「GEOとは」と題した記事が、通常検索で1,245回出て、生成AIレポートは54回でした。次に読み直すのはこの記事です。
手順はここまでです。ただ見方が分かっても読み間違えます。アームは3回読み間違えました。
その1万回は読まれた回数ではない。サーチコンソールの生成AIレポートの表示回数の数え方
- 1万回は1万人ではなくリンクが出た回数
- 通常の結果はスクロールしなくても数える
- 押された回数は通常のレポートに混ざっている
1つ目の勘違いは「1回=1人」です。サーチコンソールで見たアームの生成AIレポートの表示回数は、8月の2,332回が10月は5,011回になりました。2倍強です。報告書に載せたら映える線です。
ただ中身は生成AIの回答の中にリンクが出た回数です。SNSで表示回数「46万回」と報告している会社もありましたが、同じ画面の数字なら同じ意味です。
サーチコンソールの生成AIレポートの1回は、スクロールされた1回とは限らない
サーチコンソールのヘルプでは、AI OverviewもAIモードも標準のルールで、通常の結果はスクロールしなくても数えます(カルーセルや展開が要る項目は別)。
AIの回答の細かい数え方までは書かれていません。それでも、回答のずっと下のリンクが、誰の目にも入らないまま1回になっている可能性はあります。題の「誰にも読まれていないかも」はここから来ています。
押された回数は、サーチコンソールの通常のレポートに生成AIの分も混ざっている
クリックは消えたのではありません。Googleの説明では、AI機能の分もサーチコンソールの通常の検索パフォーマンスの「ウェブ」に含まれます。AIから何回押されたのかは、合計に混ざって取り出せません。
AI対策の記事がサーチコンソールの生成AIレポートで上に来るとは限らない
- AI対策の記事は10本足して443回
- 偽装請負の記事は1本で374回
- 同じ日に公開しても325回と6回
2つ目の勘違いは「AIの記事を書けばAIに出る」です。AI検索の記事を10本書いてきたので、サーチコンソールの生成AIレポートの上位にはそれが並ぶはずでした。
記事(アーム・7月30日〜10月29日の抜粋) | 生成AIレポートの回数 | 通常検索の表示回数 |
|---|---|---|
Framerとは | 1,627回 | 11,330回 |
会社概要の書き方 | 903回 | 5,911回 |
業務委託デザイナーの朝会は任意か | 374回 | 988回 |
AIクローラーを止めるべきか | 156回 | 600回 |
GEOとは | 54回 | 1,245回 |
AIO対策のやり方 | 6回 | 35回 |
AI検索の成果の測り方 | 4回 | 46回 |
調べると、生成AIレポートでAI検索の記事10本を全部足して443回です。朝会の記事は1本で374回で、中身は偽装請負の境界線です。偽装請負の記事のリンクが、AIO対策の記事より、生成AIの回答に多く出ていました。
AIを止める話が最多。サーチコンソールの生成AIレポートに出たAI対策の記事
調べるとAI対策の10本で最多は、AIを止めるべきかを書いた記事の156回でした。AIの成果の測り方を書いた記事は測ると4回です。
AIO対策の記事には、このサーチコンソールの生成AIレポートを分析した話が載っています。本人は生成AIレポートに6回です。
同じ日に公開した2本でも、サーチコンソールの生成AIレポートの回数はここまで違う
AIO対策の記事は公開3週間です、と言い訳しようとしました。ところが同じ10月8日に3時間違いで出したコピーライトの記事を調べたら325回でした。言い訳が終わりました。
通常検索で見られているページが、サーチコンソールの生成AIレポートにも出ていた
- AIO対策の記事の割合はFramerの記事より上
- そもそも通常検索の表示回数が35回
- 「GEOとは」だけは説明がつかない
答えは上の表の右の列にありました。サーチコンソールの生成AIレポートの回数を通常検索の表示回数で割ると、AIO対策の記事は17%で、Framerの記事の14%より上です。AIに嫌われたとはこの数字では言えません。
そもそも通常検索の表示回数が35回で、生成AIレポートも6回でした。AI専用の裏口を探していたら正面玄関の話でした。割合で並べ直すと朝会の記事は38%です。偽装請負はここでも強いです。
説明がつかないのは「GEOとは」です。4%で、同じ用語の解説でもTOFU・MOFU・BOFUの記事は44%です。
上位10本とAI・SEOの記事を合わせた20本の実測を多い順に並べると、2列の順番はほぼ同じでした(順位相関0.95)。ただ「ウェブ」には生成AIの分も入っているので割り引いて読みます。これはアーム1社の話です。
問い合わせの増減は、サーチコンソールの生成AIレポートの表示回数だけでは分からない
- サーチコンソールに問い合わせの数字は出てこない
- SEOの営業メールも問い合わせ完了1件
- 読んであとで来た人の手柄は流入元では追えない
3つ目の勘違いは「線が伸びたら問い合わせも増えた」です。サーチコンソールの生成AIレポートに問い合わせの数字はありません。見るならGA4の問い合わせ完了ですが、GA4のこの1件には何でも入ります。
「貴社のSEOを改善します」という営業のメールも、GA4では問い合わせ完了1件です。SEO会社からの営業で、SEOの成果が出たことになります。
逆に、記事を読んだ人が後日社名で検索してフォームを開くと、最初の記事との関係はGA4の流入元だけでは分かりません。AIのおかげにもAIのせいにも、生成AIレポートの数字ではできません。確かめる方法は地味で届いたメールを1通ずつ開きます。
「AIに出します」の提案は、サーチコンソールの生成AIレポートでここまで確かめられる
- 月10万円の5年は総額600万円
- 無料の答え合わせで答えが出るのは4つに1つ
- 残りは生成AIレポートの2列を持って相手に聞く
10月にSNSで見かけた相談です。AI検索に出るホームページで売上も上がるという提案で、条件は5年契約の月10万円でした。総額は600万円です。投稿した方は話を聞いて揺れたそうで、返信は74件つきました。
提案書の線グラフもさっきの数え方かもしれません。600万円の話の答え合わせは、サーチコンソールなら無料です。答えが出るのは4つに1つですが。
提案の言葉 | 生成AIレポートでの答え合わせ |
|---|---|
AIに出るようになります | ページごとの回数の増減は分かる(提案の効果かは別) |
この質問で出します | 検索語が無いので分からない |
ChatGPTにも出します | 対象外で分からない |
売上が上がります | その欄がない |
提案を受けたら、サーチコンソールの生成AIレポートの2列を持って相手に聞く
残りは相手に聞きます。Step3の2列を持っていくと話が早いです。聞きたいのは次の4つです。
- この2列のうち、どのページをどう動かしますか
- どの質問で出すつもりでどう確かめますか
- Google以外のAIの分は何で測りますか
- 営業のメールを除いた相談の数は誰が数えますか
サーチコンソールの生成AIレポートの4つの質問への答えは、契約の前に聞ける
アームも月額をいただく側なので、この4つには答える側です。先に答えを置いておきます。
聞かれること | アームの答え |
|---|---|
どのページをどう動かすか | 検索1ページ目にいるページから足す。順位が足りないページは先に通常検索を直す |
どの質問で出すのか | 「必ずAIに載る」とは約束しない。同じ質問を毎月投げ直して記録する |
Google以外のAIは何で測るか | AIに社名を聞いた回答の記録とGA4で見る |
相談の数は誰が数えるか | 相談を受けた本人が問い合わせの中身まで見る |
契約の形も書いておきます。初期費用なし、解約は1か月前の連絡だけで違約金もありません(サイトのリニューアルを含む場合のみ最低3か月)。3か月動かなければこちらから止める提案をします。
AI専用の追加料金はなく、AIO対策は月22万円(税別)の代行の中で行います。Googleが不要と言う施策は見積もりに入れません。
アームはこのサイト自体を実験場にしていて、検索経由で受注につながっています。外れた施策もお話しします。
届いた提案書と2列を持って相談フォームへどうぞ。初回は無料で対策が要らない状態なら「要りません」と言います。払い続けてよいか迷う場合はお悩みページもどうぞ。
2年待って6月3日に始まった。サーチコンソールの生成AIレポートの経緯
- AIによる概要から2年、AIの分だけ見る画面は無かった
- 公開と同じ日に英国の当局がGoogleに義務を課した
- Googleの説明に規制の話は一言もない
AIによる概要は2024年5月に米国で、8月に日本で始まりました。当時はAIの分も通常の「ウェブ」に混ざる扱いで、サーチコンソールでAIの分だけ見る方法はおよそ2年ありませんでした。
それが2026年6月3日、サーチコンソールの生成AIレポートとして一部のサイトから公開されました。同じ日に英国の競争当局がGoogleへ、AI機能に記事を使わせない手段を出版社に渡すよう義務づけています。
Googleのブログに規制の話は一言も出てきません。関係は公式には分かりません。ただ8月31日には、生成AIレポートと除外の設定が揃って全サイトに届きました。
除外は押すべきか。サーチコンソールの生成AI設定は「含める」が既定
除外の設定はサーチコンソールの「設定」の「検索の生成 AI」にあります。アームの画面は既定の「含める」のままで、立派な理由はありません。除外が反映されるとリンクも内容も回答に使われなくなります(通常は数日で反映)。公式の説明では順位の材料にはなりません。
設定のヘルプには、変更の影響を知るためにサーチコンソールの生成AIレポートを使うとあります。アームの推測ですが、ボタンを押す前に、押すと何が消えるかを見るための数字なのでしょう。アームは10月に5,000回あった表示を手放して何が変わるのか調べていないので、押しません。
最後に。ここまで偽装請負の374回を引き合いに出してきました。
この374回も誰にも読まれていないかもしれません。アームの1.11万回も。たぶんあなたの画面の数字も。
よくある質問:サーチコンソールの生成AIレポート
サーチコンソールに生成AIレポートが出ないのはなぜですか?
除外した覚えがなければ数えるほど出ていないだけで、失格の通知ではありません。公式が挙げる理由は、生成AIレポートに出すだけの表示が足りないか、設定で除外しているかの2つです。
サーチコンソールの生成AIレポートで検索語は見られますか?
偽装請負の記事がどんな質問で出たのか、生成AIレポートでは見られないのでアームも知りたいです。
サーチコンソールの生成AIレポートでクリック数や流入は分かりますか?
クリックはサーチコンソールの通常の検索パフォーマンスに混ざり、GA4でもAI Overviewからの訪問はGoogle検索に混ざるので、分かりません。「AI経由で何件」という報告を見たら、どう数えたのかを聞いてみてください。
サーチコンソールの生成AIレポートでAI OverviewとAIモードは分けられますか?
1つの表示回数にまとまるので分けられません。どちらに出たのかは推理するしかありません。
サーチコンソールの生成AIレポートの表示回数は何回あれば多いのですか?
公式の基準はなく、合計では決まらないので、記事ごとにサーチコンソールの通常検索の表示回数と比べます。アームの記事では4%(GEOとは)から44%(TOFU・MOFU・BOFUとは)まで開きました。
サーチコンソールの生成AIレポートはスマホとパソコンで分かれますか?
デバイスのタブで分かれ、アームの3か月はパソコンが8割以上でした(9,659回。スマホ1,411回、タブレット44回)。BtoBの記事が多いアームでは、仕事中の検索が多いのかもしれません。
サーチコンソールの生成AI設定で除外すると順位は下がりますか?
公式の説明では、除外は通常の検索の順位を決める材料になりません。消えるのは生成AIの中のリンクと内容で、アームなら10月に5,000回あった表示を手放す話です。
サーチコンソールの生成AIレポートでグラフと表の合計がずれるのはなぜですか?
生成AIレポートのグラフはサイト単位、ページの表はページ単位で数えるためです(ヘルプの説明)。アームの3か月は11,114回と11,290回で、同じ画面なのに176回違いました。
ChatGPTの分もサーチコンソールの生成AIレポートに入りますか?
入らないので、ChatGPTから来た人は参照元が残った分だけGA4で見ます。ChatGPTにいくら出ても生成AIレポートの回数は増えません。
合計より並びを読む。サーチコンソールの生成AIレポートの見方
- サーチコンソールの1万回は読まれた回数ではない
- 通常検索の表示回数とページごとに2列で並べる
- AIの提案を受けたらその2列を持って聞く





