AI検索対策とは?ホームページ制作の段階でやるべきこと、やらなくていいこと
アーム代表の伊藤です。
結論から言うと、AI検索対策の大半は、特別な新技術ではありません。「AI Overviewsが出てきたけれど、うちのサイトはこのままで大丈夫?」「AI検索対策をしないと乗り遅れる、という営業を受けた」。最近こうしたご相談が増えていますが、慌てて何かを買い足す前に知っておいてほしいことがあります。
AI検索対策と呼ばれているものの中身は、やるべきことと、やらなくていいことがはっきり分かれています。この記事ではその線引きを整理したうえで、なぜホームページ制作やリニューアルの段階で組み込むのが最も効率的なのかをお話しします。
こんな方におすすめのコラムです
- AI検索対策として何をすればいいのか、全体像を知りたい方
- AI Overviewsの登場で、自社サイトへの検索流入の変化が気になっている方
- ホームページ制作やリニューアルを控えていて、AI検索対応も視野に入れたい方
- 「AI検索対策をしないと危険」という営業を受けて、真偽を確かめたい方
- SEO対策とAI検索対策の関係を整理したい方
AI検索対策とは
AI検索対策とは、GoogleのAI Overviews(AIによる概要)やAIモード、ChatGPTなどの生成AIが答えを作るときに、自社の情報が引用・参照されやすいようサイトを整える取り組みです。
AI検索最適化(AIO)、LLMO、GEOなど複数の呼び名がありますが、指している中身はほぼ同じです。呼び名の違いは気にせず、「AIの回答に自社が正しく出てくるための取り組み」と捉えれば十分です。
検索行動はどう変わっているのか
背景にあるのは、情報収集の入り口の変化です。総務省の「令和7年版 情報通信白書」(2025年)によると、日本で生成AIを使った経験のある人は2023年度調査の9.1%から2024年度調査では26.7%へと、1年で約3倍に増えました(出典: 総務省「令和7年版 情報通信白書」個人におけるAI利用の現状)。
Google検索にもAI Overviewsが表示されるようになり、ユーザーは検索結果のリンクを開く前に、AIがまとめた回答を目にするようになりました。答えがその場で完結する、いわゆるゼロクリックの場面も増え、サイトへの検索流入の構造は変わり始めています。従来の「検索順位で上に出る」ことに加えて、「AIの回答の中で引用される」ことが、新しい露出の形になりつつあります。
よくある誤解。AI検索対策は「特別な新施策」ではない
「AI検索対策には、従来のSEOとは別の特別な施策が必要」というのは誤解です。
Googleは公式ドキュメントで、AI OverviewsやAIモードについて「コンテンツが表示されるための追加の要件はなく、別途特別な最適化を行う必要もありません」と明言しています。さらに「新たにコンピュータが解読可能なファイルや AI テキスト ファイル、マークアップを作成する必要はありません」とも書かれています(出典: Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」)。
つまり、GoogleのAI検索に関する限り、土台は従来のSEOのベストプラクティスそのものです。AI検索対策とは、SEOを捨てて別の何かに乗り換えることではなく、「人にもAIにも分かりやすいサイト」という同じ方向に、これまでより一段丁寧に取り組むことだと考えてください。
AI検索対策でやるべきこと5つ
そのうえで、AIに引用されやすくするために効く取り組みを5つに整理します。どれも地道ですが、従来のSEOにも検索流入にもそのまま効く、確実な土台です。
1. 自社にしかない一次情報を書く
AIはWeb上のありふれた一般論をまとめるのが得意です。だからこそ、どこにでも書いてあることしか書いていないサイトは、わざわざ引用される理由がありません。自社の実績の数字、現場で得た知見、お客様の事例など、自社にしか書けない一次情報こそがAIにとっての引用価値になります。
私たちが企業サイトの制作でご一緒するときも、素材はほとんどの場合、社内にすでにあります。営業資料、よくある質問への回答メール、現場の失敗談。これらを外に出す形に整えるだけで、サイトの独自性は大きく変わります。
2. 定義と結論を、一文で言い切る
AIは、質問に端的に答えている文章を抜き出します。「〇〇とは〜です」という定義文、「結論から言うと〜」という要約文を、各ページの冒頭やセクションの頭に置いてください。回りくどい前置きの後に結論を書く文章は、人にもAIにも拾われにくくなります。
3. 見出しと構造を整理する
見出し(H2・H3)だけを拾い読みして意味が通るか。これがAIに理解されやすいページの分かりやすい目安です。質問と答えの形になったFAQ、対比を整理した表、手順を示した番号付きリストなど、構造化された情報はAIが抽出しやすく、ユーザーにとっても流し読みしやすい形です。
4. 技術的な土台を整える
構造化データ(検索エンジンにページの意味を伝えるマークアップ)をページの表示内容と一致させる、クロールを妨げない、ページ表示速度を最適化する。Googleが挙げているのはこうした基本の技術要件です。特別な裏技はなく、丁寧に作られたサイトであることがそのまま条件になっています。
5. サイトの外でも語られる状態をつくる
AIは、複数の情報源で一貫して言及されている情報を信頼しやすい傾向があります。自社サイトの外、たとえば業界メディアへの寄稿、取引先の事例ページ、SNSでの発信などで自社名とサービスが語られている状態は、AI検索対策としても効いてきます。サイトの中だけで完結する話ではない、という点は覚えておいてください。
やらなくていいこと3つ
逆に、営業トークによく登場するものの、慌ててやる必要のないものも挙げておきます。
AI専用の特別なファイルやページの量産
前述のとおり、GoogleはAI向けの特別なファイルやマークアップは不要だと明言しています。llms.txt(AI向けにサイト情報をまとめたテキストファイル)の設置自体に害はありませんが、「これを置けばAIに載る」という説明は正確ではありません。まして、AI向けと称したページの量産は、人間の読者にとってのサイトの質を下げるリスクの方が大きいです。
SEOをやめてAI対策に乗り換えること
「これからはSEOではなくAI対策」という二者択一は、構図として誤っています。GoogleのAI機能に表示される前提は、検索にインデックスされていることです。SEOの土台がないままAI検索対策だけを買うのは、基礎のない土地に屋根だけ買うようなものです。
効果を確約するサービスへの契約
AIの回答に何を載せるかはAI側が決めることで、外部から確約はできません。「必ずAIの回答に載せます」という営業は、その時点で仕組みを正しく説明していないと判断してよいです。
AI検索対策は、ホームページ制作の段階で組み込むのが最も安い
ここまでの「やるべきこと5つ」を見返すと、あることに気づきます。一次情報、定義文、見出し構造、構造化データ。これらの多くは、ページを作るときの設計そのものだということです。
だからAI検索対策は、出来上がったサイトに後から足すより、ホームページ制作やリニューアルの段階で組み込む方が、手戻りがなく安く済みます。家の耐震性を後から補強工事で足すより、設計段階で構造に入れておく方が安くて確実なのと同じ理屈です。
すでにサイトがある場合も、諦める必要はありません。ただ、表面的なテキスト修正だけで済むケースと、情報設計から見直した方が結果的に早いケースがあります。どちらに当たるかは、現状のサイトの構造次第です。
アームでは、Webサイト制作・リニューアルの中にSEO・LLMO対策を組み込んだ制作サービスとして、設計段階からのAI検索対応を提供しています。
アームのAI検索対策の考え方
見た目より先に、意味の通る構造をつくる
デザインの仕事というと見た目の話だと思われがちですが、アームが最初にやるのは「このサイトは何を、誰に、どの順で伝えるのか」という情報の設計です。意味の通る構造は、人にもAIにも同じように効きます。逆に、構造が壊れたサイトに施策を足しても、穴の空いたバケツに水を注ぐことになります。
コンテンツの原石は、会社の中にある
AI検索対策のためのコンテンツを外注ライターの一般論で量産しても、引用される理由は生まれません。強いのは、その会社の中にしかない具体です。アームの制作では、ヒアリングで営業や現場の言葉を拾い、それを一次情報としてサイトに載る形へ翻訳することを重視しています。
一度作って終わりにせず、観測しながら育てる
AIの回答は日々変わり、検索の仕様も変わり続けます。公開時点で完璧を目指すより、自社がAIにどう言及されているかをときどき観測し、コンテンツを足して直し続けられる体制の方が強い。だからアームは、お客様自身が更新しやすい作り方と、公開後の改善までを設計に含めています。
AI検索を見据えたサイトの新規制作・リニューアルについて、現状の構造を見ながらご相談いただけます。
よくある質問
Q. AI検索対策とは何ですか?
GoogleのAI Overviews(AIによる概要)やChatGPTなどの生成AIが回答を作るとき、自社の情報が引用・参照されやすいようにサイトを整える取り組みです。AIO、LLMO、GEOなどの呼び名がありますが、中身はほぼ同じです。
Q. AI検索対策の費用相場はいくらですか?
出典を示せる公的な相場データはまだありません。単体の施策として買うより、サイト制作・リニューアルに組み込む方が結果的に安く済むことが多いです。見積もりでは金額より「何をどこまでやるか」の内訳を確認してください。
Q. AI検索でも従来のSEO対策は有効ですか?
有効です。GoogleはAI機能への表示について「追加の要件はなく、特別な最適化も不要」と公式に明言しており、土台は従来のSEOベストプラクティスと共通です。SEOをやめてAI対策に乗り換える、という構図自体が誤解です。
Q. GoogleのAI検索(AI Overviews)への対策は何をすればいいですか?
ページがインデックスされていること、検索の技術要件を満たしていることが前提で、あとは一次情報のあるコンテンツ、端的な定義文、整理された見出し構造、表示内容と一致した構造化データといった基本の積み重ねです。AI向けの特別なファイルは不要です。
Q. 今すぐAI検索対策を始めないと手遅れになりますか?
なりません。焦って特別な何かを契約する必要はないというのが、Google公式の情報から読み取れる結論です。ただし、サイトの構造や情報設計は一朝一夕には直せないため、制作やリニューアルの機会があるなら、その段階で組み込んでおくことを強くおすすめします。
Q. 何から始めればいいですか?
まず、自社名や主力サービス名をChatGPTやGoogleで検索し、AIが自社をどう説明しているかを確認してください。事実と違う説明や情報不足があれば、それがサイトで補強すべき箇所です。無料でできる、いちばん確実な現状診断です。
まとめ
AI検索対策の実体は、特別な新技術ではなく、一次情報のあるコンテンツ、端的な定義、整理された構造、確かな技術的土台という、良いサイトの条件そのものです。やらなくていいことは、AI専用ファイルへの過度な期待、SEOからの乗り換え、効果を確約するサービスへの契約。
そしてこれらの多くはページ設計の問題なので、後付けするより、ホームページ制作・リニューアルの段階で組み込むのが最も効率的です。まずはAIに自社がどう語られているかを確認するところから始めてみてください。
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代表
伊藤 悠希
愛媛出身、東京在住。複数の制作会社でオンスクリーン領域のデザインを経験後、屋号「aaam(アーム)」で独立。スタートアップを中心にデザイン支援を行う。
1
総プロジェクト数
100
+
業種・規模を問わず100件以上のプロジェクトを経験。初めての業界でも、過去の知見から最適な設計を提案できます。
※数字は、アームとして独立する前の期間も含めています。
2
業界歴
9
年
Web制作・UIデザイン領域で9年の実務経験。設計だけでなく、公開後の運用・改善まで見据えた提案ができます。
※数字は、アームとして独立する前の期間も含めています。
3
伝言ゲーム
0
回
ディレクター不在の一気通貫体制。課題を直接聞いたデザイナーが設計・制作するため、要件のズレや手戻りが起きません。